2026年7月21日(火)、商学部の「ICT概論」(担当教員:竹田 信夫 准教授)において、千葉工業大学 名誉教授 荻林成章 氏による特別講義を実施しました。
中央大学商学部では、幅広い企業や団体からの協力を得て、各業界の最前線で実務に携わるビジネスエキスパートの講師から、直接指導受けれる機会として、ゲストスピーカーによる特別講義を実施しています。
エージェントベースモデリングの紹介
実施目的
ICT概論ではICTを社会や企業の活動で使用する際に必要となる基礎的な理論について学修するが、その内容としてモデル化という理論も考え方について学ぶ。
荻林先生は、自律的なエージェントを用いたモデル化とシミュレーションによって経済や社会についての理解を得るエージェントベースモデリングの研究を早くから行っておられた先駆者であり、またその分野の研究者として極めて評価が高い方である。
今回は荻林先生に商学部の一年生にもわかるような内容についてエージェントベースモデリングの考え方とその応用による社会や経済の理解についてご講義いただき、学生のモデリングについての理解をより深く豊かなものとしていきたい。
実施結果
授業の目的である「モデル化」という考え方を、社会・経済の具体的な問題と結び付けて理解する機会を学生に提供することができた。荻林先生には、自然科学と社会科学における研究方法の違いを踏まえ、個々の主体の行動と相互作用から社会全体の現象が生じる仕組みを、エージェントベースモデリング(ABM)によってモデル化し、コンピュータ上で検証する考え方について講義いただいた。
学生の感想では、ABMを初めて知ったという声が多く、社会科学では実社会での実験や反証が難しい一方、人工社会を構築してシミュレーションすることで、社会現象の因果メカニズムや政策の効果を科学的に検討できるという点に強い関心が示された。 また、いじめ、経済政策、GDP、資産所得など身近な事例を通じ、ICTやAIを単なる情報処理の道具としてではなく、社会を分析し意思決定を支援する手段として捉える学生も見られた。 一部には内容を難しいとする感想もあったが、それを含めて従来とは異なる社会の見方に触れ、モデル化やシミュレーションへの関心を喚起することができ、ICT概論における学修内容を深める講演となった。