2026年7月14日(火)、商学部の「会計情報システム論」(担当教員:櫻井 康弘 教授)において、SAPジャパン株式会社・シニアビジネスコンサルタント 松原 寛樹 氏による講演を実施しました。
中央大学商学部では、幅広い企業や団体からの協力を得て、各業界の最前線で実務に携わるビジネスエキスパートの講師から、直接指導受けれる機会として、ゲストスピーカーによる特別講義を実施しています。
ERPとSAPのAI動向
実施目的
ERP(Enterprise Resource Planning)について多くの企業に導入実績のある大手ベンダーの一つであるSAPジャパン株式会社から講師を招き,ERPシステムとはなにか,SAP社が目指しているERPとはなにか,ERPの導入方法論,キャリア・人材育成およびAIについてご講演いただき,わが国におけるERP導入の現状や課題について理解を深めることを目的とする。
実施結果
ERP(Enterprise Resource Planning)の概要と,その導入が企業経営にもたらす効果について講演していただいた。まず,企業では部門ごとに個別最適化されたレガシーシステムが多く存在し,データの分断やシステムの複雑化,DX推進の阻害要因となっていることが指摘された。これらの課題を解決するためには,業務・システム・データを標準化し,全社最適を実現するERPの導入が重要であると述べられた。
ERPは単なる業務システムではなく,「企業の経営資源(人・物・金・情報)を統合的に管理し,全体最適を実現する経営の概念」である。特に,リアルタイムでの情報共有,データの一元管理,部門間連携の強化がERPの特徴であり,経営者は最新の経営状況を迅速に把握し,詳細な経営分析やAIを活用した迅速なレポーティングが可能となり,適切な意思決定が可能となる。
加えて,SAPでは「Fit to Standard」という導入手法を重視している。これは,自社業務をERPの標準機能に合わせて見直し,不要なカスタマイズを抑えることで,導入コストや開発期間を削減し,将来的な保守性や拡張性を高める考え方について説明があった。加えて,ERP導入はシステム更新だけでなく,業務改革や組織改革,人材育成を含めた全社的な変革活動であることが強調されていた。
総じて,ERPをDX実現の基盤と位置付け,標準化とリアルタイム経営を通じて企業価値を向上させる重要性を解説していただいた。
授業の最後には履修者からERPに関してはもちろんのことIT業界でのキャリアに関する多くの質問が寄せられたが,一つずつ丁寧にご回答いただき,大変有意義な講演となった。