商学部「課題演習Ⅱ(担当教員:川端千暁 助教)」では毎年世界各地で海外研修を実施し、国際的に活躍できる人材の育成に努めています。今回の研修では、本ゼミより以下グループが研究発表を行いました。
松本日和さん(3年)
「日本企業における人権デューデリジェンス開示の分析」 (An Analysis of Human Rights Due Diligence Disclosures in Japanese Companies)
日本の上場企業における人権デューデリジェンス(HRDD)の情報開示を対象に、企業の有価証券報告書「サステナビリティへの取組み」欄をもとに実証分析を行いました。手作業で収集したデータを用いて、HRDDに関する開示の深度や構造を整理し、日本企業における開示実務のばらつきや比較可能性の課題を明らかにしました。
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「英語で発表する際には、難しい表現を使うよりも、分かりやすくシンプルに話すことが重要であると痛感しました。今後は、英語で自分の考えをより明確に伝えられるよう、さらに力を伸ばしていきたいです。」
猿渡正崇さん(3年、小髙藍那との共著)
「地政学リスクに対する日本企業のリスクマネジメント」(Risk Management of Japanese Companies in Response to Geopolitical Risks)
有価証券報告書の「事業等のリスク」欄を対象として、地政学リスクに言及する企業の開示内容を分析しました。約220社の企業データをもとに、企業がどのような枠組みで地政学リスクを認識し、どのような対応策を示しているかを整理し、日本企業のリスクガバナンスの特徴を明らかにしました。
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「今回の発表テーマについて、司会や聴衆の先生方にも関心を持っていただくことができ、自分の研究テーマが国際的な場でも一定の関心を引き得ることを実感しました。また、将来的に海外大学でUSCPA資格の取得も視野に入れている中で、アメリカの大学の教授と知り合うことができたことは大変有意義であり、今後につながる良いネットワーク形成の機会となりました。」
小須田龍飛さん(3年)
「ギャンブル関連内部統制が社会的信頼に与える影響」(The Impact of Internal Controls Related to Gambling on Social Trust)
カジノ事業における責任あるギャンブリングの枠組みに着目し、内部統制が社会的信頼や受容にどのような影響を与えるかを調査しました。カジノ事業者の内部統制の取組みと社会的信頼の関係についてアンケート調査を実施し、ガバナンス制度と社会的信頼の関係について実証的に検討しました。
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「海外大学の先生から、対等な立場で研究に関するアドバイスをいただけたことは、大きな刺激となりました。普段は論文や文献を通して海外の研究者の考えに触れることが多いが、実際に直接意見をいただきながら議論することで、自分の研究の見方や考え方を広げることができました。」
質疑応答では、海外大学の研究者から各研究に対して多くのコメントや質問が寄せられました。特に、企業開示データの収集方法や実証分析のアプローチ、社会制度との関係性などについて関心が示され、研究の独自性や実務的意義について評価をいただきました。
今回の学会発表を通じて、学生たちは英語で研究内容を説明し、専門家から直接フィードバックを受ける貴重な機会を得ました。発表準備から当日の質疑応答に至るまでの経験は、研究を客観的に見直す契機となり、今後の卒業研究や進学後の研究活動にも大きな示唆を与えるものとなりました。