日本学生経済ゼミナール大会とは、全国の経済学部・経営学部・商学部の学生による日本最大の学術大会であり、第71回大会では、予選はオンライン形式、決勝は12月13日(土)に関西大学を会場とする対面形式で開催されました。
その中で、渡辺 岳夫 ゼミから3グループが出場し、4年生の1つのグループが、決勝の分科会3で優秀賞を獲得しました。
第71回日本学生経済ゼミナール大会
優秀賞
題目名:「仕事におけるゲーミフィケーションが内発的動機づけに及ぼす影響に関する実証的研究」
発表者名:山部 珠夢、福井 春香(商学部 渡辺ゼミ 4年)
発表内容の概要:
日本では,多くの労働者が仕事に楽しさややりがいを感じられていないという現状がある。そこで本研究では,ゲームが持つ要素をゲーム以外の物事に応用するというゲーミフィケーションに着目し,仕事の進め方や経営手法にゲーミフィケーションを取り入れることが,内発的動機づけにどのような影響を及ぼすかを実証的に検討している。ゲームの考え方を仕事に取り入れることで仕事をより楽しめる仕組みづくりの可能性を探索している。
決勝出場
題目名:「感謝現象が組織におけるつながりの健康に及ぼす影響に関する実証的研究」
発表者名:イ・ジェホ,加藤 光咲,芹沢 夏美,乘立 知幸(商学部 渡辺ゼミ 3年)
発表内容の概要:
近年,職場におけるつながりの健康状態が良好ではないという指摘が散見される。組織成員の健康を良好に保つことの重要性が社会的に認識されており,つながりの健康を促進するメカニズムの解明は喫緊の課題といえる。そこで本研究は,組織における感謝現象に着目し,組織成員同士が感謝を伝えあうことが,つながりの健康にどのような影響を及ぼすかを実証的に検討し,感謝がつながりの健康を促進していることを明らかにしている。
題目名:「組織成員の売上・原価情報への意識が組織におけるつながりの健康に及ぼす影響に関する実証的研究」
発表者名:加藤 勇希,工藤 優介,大山 賢人,グエン アイン(商学部 渡辺ゼミ 3年)
発表内容の概要:
近年、日本的な管理会計システムが、その特徴的な会計的業績評価を通じて,企業の組織成員の心理に良い影響を及ぼすことが実証されつつある。しかし、そういったシステムの導入には多大なコストが必要であり、多くの企業が簡単に導入できるわけではない。そこで、本研究では、多くの企業が活用している,売上や原価といった会計的業績評価情報であっても、それらが適切に組織成員に意識され活用されれば、当該成員の心理に好ましい影響を及ぼすことができることを明らかにした。特に、本研究では、組織成員の他の人とのつながりの健全さに着目し、それに対する一般的な会計的業績評価情報の影響を検証している。
教員コメント
渡辺 岳夫 教授|商学部 会計学科
一つのゼミから,3つのグループがインターの予選を突破し,決勝に進出することは,長いインターの歴史の中でもあまりなく,非常に画期的です。いずれの研究も,先行研究をしっかりとレビューしたうえで研究課題を導出し,これを解決すべく論理的に分析モデルを構築し,当該モデルをデータを収集したうえで適切な統計解析の手法で検証しています。そして,その分析結果を適切に考察し,社会に対して提言をおこなっており,実践に対する貢献度は高いと考えております。