商学部には、ゼミと連携したグローバル教育「グローバル・フィールド・スタディーズ(GFS)」があります。
商学部「国際教養演習・GPP(リージョナルスタディ/ヨーロッパ)(担当教員:小林 佐江子 准教授)」の学生がGFSの活動として、2025年8月18日~8月26日でフランス・パリを訪問し、ゼミ生の研究テーマである、パリ市の推進するエコロジー政策や市民活動に関する実態調査を行いました。*本調査は中央大学商学部「特色ある学部教育補助」により、渡航費用の一部補助を受けております。
国際教養演習は、世界の言語、歴史、文化等に関する知識を深め、それらと関連があるビジネスや社会活動について学習し、将来、多様な言語・文化背景を持つ人々と協働するために必要な能力の習得を目標とします。
調査報告
調査目的
本海外実態調査は、国際教養演習とGPP(リージョナルスタディ/ヨーロッパ)の学生を対象にパリで行われ、参加者は8名であった。その目的は、GPPで学んでいるパリ市の推進するエコロジー政策や市民活動について実態調査を行うことと、現地で貴重な衣服やアート作品を実際に鑑賞することで、国際教養演習で学んだモードとアートについて理解を深めることである。
調査結果
現在パリ市が力を入れているエコロジー政策について、授業で事前に調査していた内容を現地で確認することができた。エコ・カルティエ(クリシー・バティニョル地域)や自転車道路の新設、都市の緑化政策などエコロジー政策が成功していると思われるものも多数確認できたが、その一方で、屋外喫煙の禁止や生ごみのコンポスト利用など最近運用の始まった政策についてはまだまだ普及されていない印象を持った。それでも市民レベルの活動として、市内で頻繁に開かれているオーガニック・マーケットや都市農地、リサイクル等、市民レベルのエコロジー意識の高さを窺わせるものも多く見られた。秋学期にはこうした調査の報告をもとにさらに研究を進める予定である。
モード史については、プティ・パレで開催されている「ワース展オートクチュールの創始者」やルーヴル美術館の「ルーヴル・クチュール展」を鑑賞したことで、授業中に言及したクチュリエの作品や貴重な衣服を当時の生活を踏まえながら実際に目にすることができた。また、ルーヴル美術館やオルセー美術館では授業で学んだ美術品を鑑賞し、そこに描かれている衣装を通して社会生活についても理解を深めた。いずれもオリジナル作品を実際に目にした意義は大きい。また、18世紀から今日まで衣服の小売業がモード商からパッサージュ、デパートまで、パリの都市改造とともにどのように変遷したかについても、実際のパリの街を歩きながら確認することができた。