商学部

「Jリーグ・ビジネス論Ⅰ(明治安田寄付講座)」に水戸ホーリーホックの瀬田元吾氏が登壇しました

商学部『スポーツ・ビジネス・プログラム』の科目の一つである「Jリーグ・ビジネス論Ⅰ(明治安田寄付講座:担当教員 渡辺岳夫)」に、5月8日(木)、水戸ホーリーホック(以下,水戸HH)の事業戦略執行役員の瀬田元吾氏が登壇しました。


Jリーグ・ビジネス論は、主としてJリーグの各クラブの経営者・経営管理者が講師として登壇して、地域特性、スポンサー特性、スタジアム特性、サポーター特性を踏まえて、どのようなクラブ経営を行っているのかをご講義いただいています。

講義内容

 5月8日の講義では,最初に,水戸ホーリーホックは市民クラブタイプであるとされてから,クラブのミッション,ビジョン,バリューの上位概念としてのブランドプロミス「新しい原風景をこの街に」について,ご説明いただいた。次に,水戸ホーリーホックを取り巻く現状についてご説明いただいた。水戸HHの売上高は約12億円(2024年度)であり過去最高を記録し,年々売上は漸増してきていると付言されました(10年前は売上約5億円)。J2内で比較してみると,その上位半分のクラブの売上は20億円を超え,J2平均20.5億円という状況の中,水戸HHは下から8番目の売上規模であり,今後いかに売上を増やしていくのかが非常に重要な課題であるとされました。また,現在の集客数は,J2クラブで17位となっており,課題であるとされた。

 次に,今後の水戸HHの生存戦略について言及され,その三本柱は関係性,収益性,独自性であり,事業面・フットボール面でそれらを前提としているとされ,4つの戦略があるとされた。まず,最高の通過点戦略について言及された。水戸HHは若手中心のチーム構成を目指し,Jリーグの60クラブの中で5番目に若いチームであり,平均年齢は24.7歳(Jリーグ平均26.1歳)であるとしたうえで,水戸HHの戦略としては,経験値よりも若さとポテンシャルにかけ,高卒・大卒の優秀な選手を積極的獲得する方針であると説明されました。水戸HHからは,U 20 代表に1名選出されており,Jリーグの中でも屈指の選手育成クラブとの認知を得ているとのことでした。実際に,多くの選手が,J1やJ2の上位クラブや世界のクラブに移籍しているとのことでした。

 第二に,戦略上重視しているのはグローカルの側面であるとされた。水戸HHのホームタウンの地域ごとにPR大使として選手を任命し,地域と交流を重ねたりしている。このようにホームタウンをとても大事にするとともに,グローバルも視野に入れているので,水戸としてはグローカル戦略を採用しているとのことでした。グローバルの視点として,ドイツのブンデスリーガのハノーファー96と育成業務提携を結んだことの意義を熱弁されました。

 第三に,チケットパートナー戦略について言及された。水戸HHは無料招待チケットをあまり利用しないとしたうえで,特に小学生以下の子供・中高生,および高齢者に着目したチケットパートナー戦略に言及された。

 第四に,社会課題と地域課題に向き合うサステナビリティ戦略について言及された。具体的には農事業,農福連携事業(ノーマライゼーションを目指した「農業×福祉×スポーツ」の事業),およびグリーントランスフォーメーション事業(耕作放棄地に着目したパートナーと協働したソーラーシェアリング事業)等を展開していることを説明された。

 非常に論理的なご説明に学生は集中して聴講し,最後には活発な質疑応答が行われることになりました。

関連リンク

  • 中央大学商学部「プログラム科目」(中央大学公式Webサイト)

 「スポーツ・ビジネス・プログラム」Webページ
  
※スポーツ・ビジネス・プログラムは2026年度以降、募集はありません。
 https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/commerce/point/program/program_01/


  • 水戸ホーリーホック

  Webサイト(外部リンク)
  https://www.mito-hollyhock.net/


  • 明治安田生命 Webサイト

  明治安田Jリーグ Webページ(外部リンク)
  https://www.meijiyasuda.co.jp/brand/jleague/