商学部

「Jリーグ・ビジネス論Ⅰ(明治安田寄付講座)」にFC町田ゼルビアの岡田敏郎氏が登壇しました

商学部『スポーツ・ビジネス・プログラム』の科目の一つである「Jリーグ・ビジネス論Ⅰ(明治安田寄付講座:担当教員 渡辺岳夫)」に、4月24日(木)、FC町田ゼルビアの広報部部長の岡田敏郎氏が登壇しました。


Jリーグ・ビジネス論は、主としてJリーグの各クラブの経営者・経営管理者が講師として登壇して、地域特性、スポンサー特性、スタジアム特性、サポーター特性を踏まえて、どのようなクラブ経営を行っているのかをご講義いただいています。

講義内容

 4月24日の授業では、最初にゼルビアの特徴が説明されました。第一の特徴は、町田はサッカーの街として昔から有名であり、起源は少年サッカーのクラブだったということです。通常のJリーグのクラブの場合、トップチームが創られ、それからユース、ジュニアユース、ジュニアの順に形作られていくが、ゼルビアは逆の順番であったとのことです。第二は、現在、サイバーエージェントのグループ会社となり、大きく変革しているただ中のクラブであるということです。

 引き続き、スポーツクラブ経営のポイント、すなわちビジネスモデル、クラブフィロソフィー、およびマーケティングについて説明されました。最初にビジネスモデルについては、3つの経営指標として、①サッカーの成績、②集客数、③売上に着目しており、①から順に改善していくことで正のスパイラル(①強いチームを創って人気を集め、②ファン増加に連動して収益を上げ、③チームを強くするために投資を増やすというスパイラル)が産まれ、いずれの指標も向上していくことが説明されました。要するに、強いチームが人気も売上も拡大していくということでした。では、どうすればチームを強くすることができるのかということで、オーナー、監督、およびGMが三位一体となり、それぞれの役割を全うすることや、練習環境などを充実することの重要性を指摘されました。また、同時に地域密着型のビジネスを指向されていること、そのために町田市やスポンサー企業とも連携して地域振興活動を積極的に実施していることにも言及されました。

 第二に、クラブフィロソフィーについて、ビジョン(目指すゴール)、ミッション(存在意義)、ヴァリュー(提供価値)の順に説明されました。ビジョンとはクラブが目指すべきゴールであり、具体的には日本を代表するビッグクラブになり、町田を世界に知らしめることであると説明されました。実際に24年度に国際部という部署を設置したとのことです。第二に、ミッションとはクラブの存在意義であり、町田という地域の発展に貢献することであるとのことです。最後にビジョンとしては夢、熱狂、感動を人々に提供することであると説明されました。
 第三に、マーケティングについて言及されました。具体的には、スタジアムへいかに来場してもらうかに焦点を当てていて、来場したことのない潜在層にはいかに興味をもってもらうか(話題性のあるメディア戦略の展開)、招待券等で一度くらい来場したことのあるライト層にはスタジアムでいかに熱狂・感動してもらうか(主として国立競技場開催の試合における特徴あるイベントの演出等)、リピートしてくれるファン層にはいかにさらに愛着を高めてもらうか(Abemaを活用したファンのための施策等)、以上の3つのフェーズ毎に着眼点が異なることに言及されました。

 最後に、ビッククラブに取り囲まれ、非常にアクセスが悪い場所にスタジアムがあるという側面を受け、それを逆手にとった独自の施策「天空の城」プロジェクトを実施し、様々な施策(ホームスタジアムのブランディングを徹底する施策)を展開していることが語られました。

関連リンク

  • 中央大学商学部「プログラム科目」(中央大学公式Webサイト)

 「スポーツ・ビジネス・プログラム」Webページ
  
※スポーツ・ビジネス・プログラムは2026年度以降、募集はありません。
 https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/commerce/point/program/program_01/


  • FC町田ゼルビア

  Webサイト(外部リンク)
  https://www.zelvia.co.jp/


  • 明治安田生命 Webサイト

  明治安田Jリーグ Webページ(外部リンク)
  https://www.meijiyasuda.co.jp/brand/jleague/