商学部

商学部の学生が「大学コンソーシアム八王子 第16回学生発表会」で優秀賞・準優秀賞を受賞しました

「大学コンソーシアム八王子 学生発表会」は、学園都市八王子市の特色を活かし、日頃の研究成果やアイデアを、八王子の企業や市民の皆様に発表できる場です。

12月7日(土)8日(日)に学園都市センター/クリエイトホールで開催された「第16回学生発表会」の口頭発表には、コンソーシアム加盟16大学から約90名が参加しました。

その中で、商学部・4年の平手杏佳さん・山中理央さん(いずれも鯉渕ゼミ)が参加し、優秀賞と準優秀賞をそれぞれ受賞しました。

第16回大学コンソーシアム八王子学生発表会 優秀賞、準優秀賞

優秀賞

題目名:「なぜ民間企業はメセナ活動を行うのか?

発表者名:平手 杏佳(中央大学 鯉渕ゼミ 4年)

発表内容の概要:
 民間企業による芸術文化支援「メセナ」は、利益のためではないのにどうして行われているのでしょうか。理論的にはメセナは、企業が行う自主的な社会貢献活動と位置付けられます。メセナ協議会が認定している日本のメセナのデータを分析し、企業本体で行う場合と、公益財団法人を介して行う場合があること、総資産額で上位グループに位置する財団に芸術文化支援を行っているケースが多いことを知り、財団とメセナの関係性に注目しました。企業や財団へのインタビュー調査や文献調査の結果から、創業者の意思で始めた活動が多いこと、収益が適切な費用を超えないという収支相償の原則があること、設立された財団は企業本体の大株主であり配当収入を得ていること、財団の設立は継続したメセナ活動に貢献することなどの情報を得ることができました。さらに、日本のメセナのデータ分析によって、財団を介したメセナの方が創業者の意思を引き継ぐ割合が高く、創業者の意志に関連するメセナが近年になっても継続する傾向があることが分かりました。メセナ活動を企業本体と財団を通じて役割を整理して行うことにより、自主的な社会貢献活動としてのメセナを株主や他のステークホルダーとの利益と調和させながら、企業文化を醸成し、新しいメセナに挑戦することが可能であることを発表しました。

準優秀賞

題目名:「共通価値創造型成長企業と産業クラスターの形成~コメリと地域企業の取引関係戦略~

発表者名:山中 理央(中央大学 鯉渕ゼミ 4年)

発表内容の概要:
 日本の農村地域が抱える人口減少と高齢化は深刻な社会的課題であり、農業も含めた地域経済の衰退も懸念されています。一方で、経営学の分野における、共通価値創造(CSV)理論では、むしろ企業が本業で社会的課題に取り組むことで競争上の優位を獲得して企業成長につながるとし、企業を取り巻くステークホルダー(利害関係者)に波及効果をもたらすことを指摘します。研究では、ホームセンター業界において、社会的課題の深刻な農村地域にあえて集中的に出店している株式会社コメリの戦略を分析することで、同社が農村地域に特化してCSVと整合的な戦略を採用し、さらに長期的な成長と収益性を達成していることを明らかにしました。さらに、CSVに取り組むコメリが、競合他社と比べて、本社の所在する新潟県内の中小企業との緊密かつ継続した取引によって協力関係を強化して、関係性の強い取引企業ほど業績も良く、コメリの成長が地域企業に波及している可能性を見出しました。これらの事実が、CSV型の企業の出現による地域経済の好循環を実現している事例と考え、プレゼンテーションにまとめました。

教員コメント

鯉渕 賢 教授|商学部 金融学科

企業の利益と社会貢献の関係に関する2つの研究が同時に入賞しました。おめでとうございます。

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