商学部

「Jリーグ・ビジネス論Ⅰ(明治安田寄付講座)」に、松本山雅FC 役員の神田文之氏が登壇しました

商学部『スポーツ・ビジネス・プログラム』の科目の一つである「Jリーグ・ビジネス論Ⅰ(明治安田寄付講座:担当教員 渡辺岳夫)」に、6月6日(木)、松本山雅FCの役員である神田文之氏が登壇しました。


Jリーグビジネス論は、主としてJリーグの各クラブの経営者・経営管理者が講師として登壇して、地域特性、スポンサー特性、スタジアム特性、サポーター特性を踏まえて、どのようなクラブ経営を行っているのかをご講義いただいています。

 6月6日の授業では、最初に、市民クラブとして独自の歴史を有する松本山雅の成り立ちが語られた。同クラブは「温故知新」という言葉を大事にしており、歴史を学び過去の事例を研究して、現在の事態に対処することを旨としている。
 山雅の起源は、山が優雅に見えるところに所在した、喫茶店「山雅」に集ったサッカー好きの集まりだったとのこと。2004年にNPO法人アルウィンスポーツプロジェクトが発足し、松本にプロチームを創る動きが本格化したが、黎明期の数少ないサポーターの多くは、クラブの運営や経営に直接・間接に関わっているとのことだった。現在はJ3で平均観客数8,000人と苦しい時期にあるが、黎明期のガラガラのスタジアムから、初めてJ1昇格した2015年には収容率がJリーグ1位になるところにまで至る経緯が語られた。そして、山雅が成長した理由を次のように整理された。第一に、クラブは誰のために存在するが明確に関係者間で共有されたこと(街のため、地域のための楽しみを創出)。第二に、すべての関係者が私利私欲なくクラブ・地域のために行動し続けたこと。第三に、長野県にライバルのサッカークラブ(長野パルセイロ)が存在したこと(切磋琢磨して信州にサッカー文化が根付き始めた)。
 その後、松本山雅の理念、戦略などについてご説明いただいた後に、地域に支えられた安定した売上を獲得し、その利益を地域に還元し貢献し、郷土愛に支えられるクラブとなり、サポーターとともに事業を創る、というサイクルを展開していると述べられた。
 山雅の未来についても語っていただいた。育成組織として人づくりに貢献するというビジョン、ホームタウンビジョンとしてまちづくりに貢献するというビジョン、スタジアムビジョンとして未来づくりに貢献するというビジョンを掲げ、ありたい姿はチームが地域を良くして、地域がチームを強くするというものであるとされた。その例として、農地の荒廃化という課題の解決のために、山雅を中心とした多くの関係者ととも取り組んでいる事例を紹介された。具体的には、山雅で畑を借りて野菜を育て、それをアカデミーの子供たちと一緒に収穫し、野菜をスタジアムで販売したり、給食に出したりしているとのことであった。

関連リンク

中央大学商学部「プログラム科目」(中央大学公式Webサイト)

 ▷「スポーツ・ビジネス・プログラム」Webページ
 https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/commerce/point/program/program_01/