商学部

「Jリーグ・ビジネス論Ⅱ(明治安田生命寄付講座)」にサガン鳥栖の井上裕介氏が登壇しました

商学部の『スポーツ・ビジネス・プログラム』の科目の一つである「Jリーグビジネス論Ⅱ(明治安田生命寄付講座:担当教員 渡辺岳夫)」に、11月16日(木)、サガン鳥栖の営業本部社会連携担当の井上裕介氏が登壇しました。


「Jリーグ・ビジネス論」では、主としてJリーグの各クラブの経営者・経営管理者が講師として登壇して、地域特性、スポンサー特性、スタジアム特性、サポーター特性を踏まえて、どのようなクラブ経営を行っているのかをご講義いただいています。

 11月16日の授業では、 クラブのプロフィールに続き、社会連携活動を中心にお話しいただいた。

 最初に、クラプロフィールが説明された。サガン鳥栖のホームタウンの鳥栖市の人口は7万人であり、Jクラブの中では最小である。しかし、そういった地域特性があっても、13年間もJ1で闘うことができている。順位に関係なく平均入場者数および入場料収入は上昇傾向にあり、応援し、スポーツ観戦を楽しむ文化が浸透し、さらに拡大する傾向にある。また、鳥栖市は佐賀県の東端にあり、九州の東西南北をつなぐ交通の要所である。福岡県に隣接しており、福岡県の久留米市と小郡市がホームタウン鳥栖市と佐賀県基山町の県境を越えた4市町で「筑後川流域クロスロード協議会」を設置し連携を図りながら、「サガン鳥栖応援宣言」を行っている。また、鳥栖市は福岡のテレビ局のローカル放送エリアに入るため、メディア戦略の難しさがある(鳥栖関連の情報の優先順位はかなり低くなってしまうため)。このことは逆に言うと、鳥栖市においては佐賀のメディアの影響力が弱いということであり、この弱みを改善するために、サガン鳥栖がサポートできる可能性があると考え、佐賀のメディアとサガン鳥栖の間で協業について議論されているとのことであった。

 次に、社会連携活動についてであるが、基本的な活動方針は、皆が感じて考えていることを、誰にでも分かりやすく言語化し、整理して行動することであるとされた。その活動は大きく三つに分かれており、第一に「人づくり」関連として、学校・教育連携、キャリア教育・人材育成、スポーツ交流、地域コミュニティ活動を行っている。具体的には、例えば交通安全啓発活動の一環としてランドセルカバーを1年生に贈呈しており、最初は鳥栖市だけだったが、佐賀県全体に広がっている。第二に「まちづくり」関連として、環境活動、防災・震災復興活動、健康・福祉活動、地域・社会共生活動を行っている。例えば、ウィントスくんのあいさつ運動に始まり、各小学校が終日サガン鳥栖と活動するサガン鳥栖デーを創ってくれている。第三に「夢づくり」関連として、自治体団体連携活動、能力発見・発信活動、観光連携活動等を実施しているとのことであった。これらの活動を通じて、サッカーは自分と関係ないものと思っているホームタウンの人はサガン鳥栖ファンより多く存在するが、単なるサッカークラブという認識から、サガン鳥栖は地域の一員という関係を構築することが大事であるとまとめられた。

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