商学部

「Jリーグ・ビジネス論Ⅱ(明治安田生命寄付講座)」にJリーグ パートナー事業部の山下修作氏が登壇しました

商学部の『スポーツ・ビジネス・プログラム』の科目の一つである「Jリーグビジネス論Ⅱ(明治安田生命寄付講座:担当教員 渡辺岳夫)」に、9月28日(木)、Jリーグ パートナー事業部のマーケティング戦略スーパーバイザー山下修作氏が登壇しました。


「Jリーグ・ビジネス論」では、主としてJリーグの各クラブの経営者・経営管理者が講師として登壇して、地域特性、スポンサー特性、スタジアム特性、サポーター特性を踏まえて、どのようなクラブ経営を行っているのかをご講義いただいています。

 9月28日の授業では、各クラブに関する講義を学生がより深く理解できるようなるために、「価値の再発見」というテーマで視点を変えてみることの重要性が語られた。
 最初に、山下氏は、視点を変えて考えてみると新たな価値・存在・可能性に気づくことができるとされた。例えば、マンチェスター・シティは世界的に有名なクラブだが、Jリーグのクラブの中でも必ずしも目立った存在ではない鹿児島ユナイテッドFCというクラブと、実は共通点があるとのこと。すなわち、両者はホームタウンの人口がほぼ同じであり、そのように視点を転じてみると、後者にも今後大きな伸びしろがあると考えることができるとのことである。その他にも分かりやすい例を用いて、視点や視野を変えてみることの意義が語られた。
 次に、世界に誇れるJリーグの価値について語られた。第一にマスコットである。世界的に見ても、その洗練度は非常に高い。Jリーグの試合の来場者の女性割合は40%、家族で来場している方の割合は50%であり、いずれも世界でトップレベル。こういった客層には、マスコットの存在は、試合結果に関わらず試合に来たことをよかったと思ってもらえる一つの要因になる。
 第二に、スタジアムグルメである。スタジアムに行けば地元の美味しいものが食べられる。非常に充実しており、レジャーとして成立している。
 第三に、涙と笑顔をもたらすことができることである。とりわけカテゴリーの昇格が決定した試合や降格を免れた試合では、老若男女、老いも若きも、嬉し泣きにくれる。初老の男性が人前で泣けることなんてなかなかない。子供が嬉し泣きするなんてなかなかない。いい大人全員が一つのことで嬉し泣きするなんてそうそうない。小学生の男の子が母親とその年齢になって嬉しくて抱き合うことなんてそうそうない。これらのような感動を与えることができるのがJリーグの価値であるとされた。
 第四に、絆である。それぞれのJのクラブが地域に根差した経営をしているからこそ、応援するクラブが違えども、互いに助け合う絆をリーグとして提供することができている。東北大震災の際に、多くのクラブのサポーターが、東北の方々の救済・援助のために力を尽くしたのが、その証左である。 
 第五に、涙も笑顔も絆もすべて私たちの価値。その価値をあげていくためにはどうしたらいいのか、日々考えているのがJリーグである、と語られた。海外でもJリーグは活動しており、例えば、2011年から始めていることだが、サポーターからユニフォームを募り、それを海外の貧しい村の子どもたちに配る事業を行っている。これまで12ヵ国に6,000枚のユニフォームを配り、子供たちの笑顔を産み出してきた。これもJリーグの価値であるとされた。
 最後に、世の中に存在する様々な壁を、スポーツを通じて超えることができるという価値、また人に生き甲斐を提供できるという意味での価値、これらも提供できているとされ、多くの受講生が心を揺さぶられ、大きな拍手のもと講演が終了した。

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