山口教授の共著論文がファイナンス分野のトップジャーナルのひとつである『Finance Research Letters』に掲載されました

著者名：古賀　裕也（東北学院大学経営学部准教授）、山口　朋泰（中央大学商学部教授）
雑誌名： Finance Research Letters
論文タイトル：「Does mandatory quarterly reporting induce managerial myopic behavior? Evidence from Japan」

この研究では、日本企業を対象に、四半期開示の義務化が経営者の行動に及ぼす影響を分析しました。分析の結果、（１）四半期開示の義務化によって経営者の近視眼的行動（長期的な利益を犠牲にして、短期的な利益を増加させる行動）が増大したこと、（２）四半期開示義務化と近視眼的行動増大の関連は、外国人持株比率が高い企業ほど強くなること、が分かりました。これらの結果は、タイムリーな会計情報を伝達する四半期開示が投資家の短期志向を促し、それが株式市場から企業への短期的な業績達成のプレッシャーになり、経営者の近視眼的行動を誘発することを示唆しています。いま日本では四半期報告書の廃止が議論されていますが、本研究の成果はその検討資料として役立つことが期待されます。

＊論文はエルゼビア社が運営する「Science Direct」でご覧いただけます。