商学部

商学部 阿部ゼミの学生が「国際取引法学会エッセイ・コンテスト」において最優秀賞等を受賞しました

国際取引法学会が実施する『第6回「国際取引法エッセイ・コンテスト」』で、商学部 阿部雪子ゼミの学生らが最優秀賞と特別賞をそれぞれ受賞しました。


国際取引法学会が実施する『第6回 「国際取引法エッセイ・コンテスト」』は、広く国際取引法の研究振興のため実施されています。募集対象は、8つの研究テーマの中から一つを選び、これに関係する内容について分析を加えたエッセイが募集の対象になります。

『第6回 「国際取引法エッセイ・コンテスト」』(主催:国際取引法学会)


【 最優秀賞[1点]】 

阿部 耀介|商学部会計学科3年 

応募論文:「日本へのインボイス制度の導入と免税事業者の影響-EU域内のインボイス制度の概要を踏まえて-」

 

【一般社団法人GBL研究所特別賞[1点]】 

山上 菜々子|商学部会計学科4年 

応募論文:「消費税法上の複数税率制度の課題 -欧州における裁判例を検討して-」

 

応募論文の要旨

    表彰状を手に( 左:阿部さん ・右: 山上さん )

阿部 耀介|商学部会計学科3年 


「日本へのインボイス制度の導入と免税事業者の影響-EU域内のインボイス制度の概要を踏まえて-」

 わが国の消費税制では、令和5年10月1日から適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度が導入される予定である。本研究は、こうした消費税制度の改正にともない古くからインボイス制度を採用しているEU域内の付加価値税指令におけるインボイスに係る仕入税額控除の適用問題を免税事業者に着目し、考察したものである。欧州司法裁判所の「Senatex事件」を手掛かりに検討し、わが国の仕入税額控除制度がEU付加価値税のように納税義務者の請求権としての権利を確保する必要性があること、インボイスの不備があった場合にも遡及適用が認められるような制度の構築の必要性を明らかにした。

 

 

山上 菜々子|商学部会計学科4年 


「消費税法上の複数税率制度の課題 -欧州における裁判例を検討して-」

 わが国では、低所得者などの経済的弱者に対する逆進性への対応策として複数税率制度が採用されているが、軽減税率の適用範囲が欧州に比べ狭いことから逆進性への対策としては不十分ではないかと思われる。そこで欧州における裁判例を手掛かりに考察を行った。高齢化の進む日本においては、医薬品等にも軽減税率が適用されるべきことを明示するとともに欧州の裁判例の検討を通して、役務の提供の意義や税率を誤った場合の還付の問題など課題を明らかにした。また、わが国の消費税法上の軽減税率の適用問題に関しては、原則に従った明確な判断基準の必要性を論じた。

ゼミ紹介

 阿部雪子ゼミでは、春学期には輪読を通じて法人税法等を体系的に学習します。その後、秋学期ではグループでの判例研究により裁判所、納税義務者、課税庁の三者に役割分担して報告し、活発な討論を行っています。ゼミでは、判例などの検討を通じて税法の解釈や適用の問題についても理解を高めることができます。興味のある方は是非、見学してみてください。

関連WEBサイト

【国際取引法学会 公式Webサイト】(外部サイト)

 http://www.asas.or.jp/jaibl/index.html

 

【阿部雪子教授 研究者情報データベース(researchmap)】(外部サイト)

 https://researchmap.jp/7000024212