商学部

「Jリーグビジネス論Ⅱ(明治安田生命寄付講座)」にコンサドーレ札幌 代表取締役GM 三上大勝氏が登壇しました

商学部の『スポーツ・ビジネス・プログラム』の科目の一つである「Jリーグビジネス論Ⅱ(明治安田生命寄付講座:担当教員 渡辺岳夫)」に、12月1日(木)、コンサドーレ札幌の代表取締役GMの三上大勝氏登壇しました


「Jリーグ・ビジネス論」では、主としてJリーグの各クラブの経営者・経営管理者が講師として登壇し、地域特性、スポンサー特性、スタジアム特性、サポーター特性を踏まえて、どのようなクラブ経営を行っているのかをご講義いただいています。

 121日の授業では、 最初にスポーツビジネスの本質とやりがいについてお話いただきました。スポーツビジネスとは、スポーツの価値と現金の交換であるとされ、その交換価値を高める可能性は、考え・気づき次第で非常に大きく、そこに面白みがあり、さらにスポーツを通して社会貢献ができ、人々に喜び、感動、夢、希望を与えることができることから、非常にやりがいのある仕事であるとされました。

 

 その後、三上氏には、コンサドーレの国際展開の事例を基に、スポーツビジネス実践のプロセスを順にご説明いただきました。

 まず三上氏は、ビジネスに限ったことではないが、ありたい姿を明確化し、その実現のために強い信念を持つことが大事であると喝破されました。すなわち、自社の理念・行動指針を理解と共有することが大事であるということです。 

 

 二番目に、地域、お客様のニーズは何なのかを明らかにすることが大事であるとされました。具体的には、北海道・札幌の地域の方々は、アジア、特にASEANに注目しているということが分かりました。

 

 三番目には、その対象国であるアジア各国の現状、課題、ニーズを調査することが大事であるとされました。リサーチの結果、アジア、特にASEANにおいてはサッカーが断トツに人気があり、サッカーの影響力は非常に大きいこと、アジアの各クラブのオーナーは特権階級が多いこと、アジアサッカー界はJリーグに注目していること、アジアの各クラブは育成システム構築のノウハウを欲しがっていること等が明らかになったとされました。

 

 四番目には、北海道とアジア各国のお互いのニーズを満たし、つなぐために必要な「コンサドーレの強み」は何なのかを検討することが大事であるとされました。その結果、コンサドーレの最大の強みは「育成システム」であることが認識されました(2012年はJリーグ最優秀育成クラブ賞受賞)。したがって、そのノウハウを無料でアジア諸国クラブにシェアしていき、アジアサッカー界の競技力向上、日本、北海道、札幌との関係構築に寄与することにしたとのことでした。

 

 また、北海道とアジア各国をつなぐために、ASEAN選手を獲得したり(ベトナム:レ・コン・ビン、インドネシア:イルファン、タイ:チャナティップ)、アジアで親善試合を行い北海道関連企業のブースを出展してプロモーションしたり、アカデミー生を練習に受入れ、国際交流を促進したりする施策を矢継ぎ早にうったとのことです。その結果、北海道も札幌もアジアからの観光客等でうるおい、コンサドーレも総収入が3倍に増加したとのことでした。

 

 最後に、コンサドーレの経営においては、プロサッカークラブの運営だけではなく、今後はまちづくり事業に新たな投資をし、地域における課題を解決しながら、札幌の価値を高めることに注力していきたいとされました。

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