商学部

「Jリーグビジネス論Ⅱ(明治安田生命寄付講座)」にサガン鳥栖 事業統括本部 井上裕介氏が登壇しました

商学部の『スポーツ・ビジネス・プログラム』の科目の一つである「Jリーグビジネス論Ⅱ(明治安田生命寄付講座:担当教員 渡辺岳夫)」に、11月24日(木)、サガン鳥栖の事業統括本部の井上裕介氏が登壇しました


「Jリーグ・ビジネス論」では、主としてJリーグの各クラブの経営者・経営管理者が講師として登壇し、地域特性、スポンサー特性、スタジアム特性、サポーター特性を踏まえて、どのようなクラブ経営を行っているのかをご講義いただいています。

 1124日の授業では、 クラブのプロフィール、サポーター特性、スポンサー特性、アカデミー特性、およびホームタウン活動などについてお話しいただきました。 

 最初に、クラブのプロフィールが説明されました。サガン鳥栖のホームタウンの鳥栖市の人口は7万人であり、Jクラブの中では最小です。しかし、そういった地域特性があっても、12年間もJ1で闘うことができています。順位に関係なく平均入場者数および入場料収入は上昇傾向にあり、応援し、スポーツ観戦を楽しむ文化が浸透し、さらに拡大する傾向にあります。また、鳥栖市は佐賀市の東端にあり、九州の東西南北をつなぐ交通の要所です。福岡県に隣接しており、福岡県の久留米市と小郡市がホームタウンに入っています。鳥栖市は福岡のテレビ局のローカル放送エリアに入るため、メディア戦略については難しさがあるとのことです(鳥栖関連の情報の優先順位はかなり低くなってしまうため)。

 

 次にサポーター特性について、サガン鳥栖のサポーターは九州北部に集中はしているが、佐賀県出身者を中心に、東京や大阪にも散在しているとされました。鳥栖市のサポーターはやはり多いが、最近は佐賀市や福岡市の方々もスタジアムに足を運んでくれているとのことです(JリーグID登録者データによれば、佐賀県が36.4%、福岡県も25.6%)。

 スポンサー特性については、サガン鳥栖は市民クラブなので、親会社はなく、大小あわせて500以上のスポンサーがいると説明されました。親会社を持たない同クラブだが、地域の課題を解決する持続可能なクラブ、地方クラブの先進モデル(魅力あるまちづくり、地域一体のブランディング)になることを将来像として掲げているとのことでした。

 

 サガン鳥栖のアカデミー組織は充実しており、小学生向けのサガントス・サッカースクールは400人、U1235人、U15は鳥栖/唐津100人、U18 40人、トップチームは33人で構成され、各カテゴリー共に国内同世代の最高峰のリーグでプレーしているとされました。アカデミーの成績は非常に優れており、各カテゴリーから世代別の日本代表や帯同メンバーに、多くの選手を輩出しているとのことでした。

 

 最後に、ホームタウン活動と社会連携活動について、基本的な活動方針は、皆が感じて考えていることを、誰にでも分かりやすく言語化し、整理して行動することであるとされました。具体的には、「人づくり」関連として、学校・教育連携、キャリア教育・人材育成、スポーツ交流、地域コミュニティ活動、「まちづくり」関連として、環境活動、防災・震災復興活動、健康・福祉活動、地域・社会共生活動、「夢づくり」関連として、自治体団体連携活動、能力発見・発信活動、観光連携活動等を実施しているとのことでした。具体例の説明の後、サッカーは自分と関係ないものと思っているホームタウンの人は、サガン鳥栖ファンより多く存在するが、単なるサッカークラブという認識から、サガン鳥栖は地域の一員という関係を構築することが大事であるとまとめられました。

 

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