商学部

商学部関根ゼミが長野県佐久穂町の魅力を伝えるアウトドア・イベントを開催!―佐久穂の食・ひと・自然を満喫するファミリーキャンプ―

中央大学商学部の『スポーツ・ビジネス・プログラム』の一つ「スポーツ・ビジネス・チャレンジ演習・実習Ⅱ(明治安田生命寄付講座)」(担当:商学部准教授 関根 正敏)では、履修学生が、スポーツを活用した地域活性化プロジェクトに挑戦しています。


この講座では、東京都府中市を拠点に、NPO法人府中アスレティックフットボールクラブや府中市市民活動センタープラッツと協働し、府中市唯一の姉妹都市である長野県佐久穂町との交流活動の発展を目指した活動を展開しています。10月1日(土)、2日(日)に、府中市民を対象に、食・ひと・自然を体験するファミリーキャンプ「サクキャン」を佐久穂町で開催しました。

 本企画を立案・実施した履修生4名は、府中市と佐久穂町の地域課題を調査し、「府中と佐久穂のひとをつなぎ、持続的なまちづくりに貢献する」という理念を掲げました。また、今年度の具体的な到達目標として、ファミリー層に興味を持ってもらうことや、コロナ禍により失われた交流の機会を取り戻すこととし、実際に佐久穂町現地での交流イベントを企画することを目指しました。

 昨年度までの本講座の活動はオンラインツアー「サクタビ」という形で画面越しの交流に留まっていましたが、今年度は実際に府中市の家族が佐久穂町を訪れ、モニターイベント形式の地域資源体験型キャンプ「サクキャン」の企画開催にたどり着きました。

 このプロジェクトを通じて、府中市や佐久穂町の多くの人や組織と繋がり、姉妹都市交流を支えるネットワークを構築しながら、新たな交流形態を構築することができました。なお、イベントは391,500円の収入を確保し、採算を成り立たせることで、一つのスポーツビジネスとして実現させることができました。また、共催の府中市市民活動センタープラッツからこの事業は高く評価され、このアウトドア・イベントは今後も継続的に発展していく可能性もあります。

実施レポート

〈イベント概要〉

〔名  称〕 佐久穂町ファミリーキャンプ「サクキャン」

〔日  程〕 2022年10月1日~2日

〔活動場所〕 長野県南佐久郡佐久穂町

〔宿泊施設〕 駒出池キャンプ場

〔概  要〕 府中市唯一の姉妹都市である佐久穂町で食・ひと・自然を体験するファミリーキャンプ

〔目  的〕 ファミリー層に興味を持ってもらうこと、交流の機会を取り戻すこと

〔対  象〕 府中市内在住・在学の小学生以下の子どもと家族(定員:5家族)

〔参加人数〕 参加者19名、スタッフ12名

〔コンテンツ〕1日目:ソーセージ作り、魚釣り、バーベキュー

       2日目:白樺林でのウォーキング、りんご狩り、信州サーモンの食べ比べ

〔共  催〕 NPO法人府中アスレティックフットボール、府中市市民活動センタープラッツ

〔協  働  者〕 花の郷・茂来館、佐久穂町役場、きたやつハム、八千穂レイク、駒出池キャンプ場、佐久穂町そば組合、佐久穂町議会議員、

       須田農園、八千穂漁業、黒澤酒造、ロッヂ八ヶ嶺、作新学院大学特任講師

ソーセージづくり

佐久穂町で放牧豚を育てる「きたやつハム」の社長である渡邉敏さんにご協力いただき、参加者と一緒に、絶品ソーセージを作りました。肉と調味料を混ぜてこねるところから、絞り袋に肉を詰め、ひつじの腸に絞り出し、茹でるまで、すべて自分たちで行うことで、普段気にすることのないソーセージの生産過程について実際に体験することができました。

魚釣り

北八ヶ岳の恵みで透明度が非常に高い八千穂レイクにて、ニジマスや岩魚の魚釣り体験をしました。最初はなかなか思うように釣れない家族もいましたが、途中コツをつかみ、順調に釣り上げることができました。また、最初は魚に直接触ることが怖くてできなかった子どもも、最後には釣った魚を自分で捕まえて、夜のバーベキューのときには自分でさばくことができるまでになっていました。

バーベキュー

駒出池キャンプ場で行ったバーベキューでは、自分たちで作ったソーセージや釣った魚、須田農園のりんごジュース、黒澤酒造の日本酒、きたやつハムの豚肉などをふんだんに使用して、佐久穂町の特産品を味わえるバーベキューをしました。ソーセージはとてもジューシーで肉汁が口の中で広がり、自分たちでイチから作ったからこそ、より美味しく食べることができました。暗くなると、綺麗な星空が広がり、自然のプラネタリウムも楽しみました。

白樺林でのウォーキング

日本一の白樺群生地で行ったウォーキングでは、佐久穂町の山岳ガイド須田芳明さんに案内をしていただきながら、白樺群生地や八千穂レイク周辺を約1時間かけて散策しました。天気にも恵まれ雲一つない快晴で、現地の自然の魅力を満喫しました。いくつかのテーマを学生から出題し、そのテーマに沿った場所で家族写真を撮っていただきました。また、ハートの形をした白樺の葉っぱを見つけてもらい、ゴール地点でラミネートしてプレゼントしました。東京では見ることができない白樺林や美しい風景にどの家族も感動していました。小さいお子さんが大きなカメラを持ち、綺麗な写真や家族の写真を撮っており、その様子を見てとても癒されました。

りんご狩り(須田農園)

須田農園では、オーナーの須田清さんにお話を伺いながら、シーズンとなった信州ブランドりんごの収穫や食べ比べを行いました。木々には真っ赤なりんごがたくさん実っていて、参加した家族はかごいっぱいに収穫して持ち帰りました。また、2種類のりんごの食べ比べをし、大人はほどよい酸味のきいたりんごを好んでいましたが、子どもは甘みのあるりんごを好む子が多かった印象です。その後、親子で協力しながら家族対抗のりんごの皮むき大会を行いました。優勝した家族にりんごジュースをプレゼントするという須田さんの粋な計らいに感謝し、親子そろって頑張っていました。

信州サーモン食べ比べ(八千穂漁業)

八千穂漁業では、四日前と一日前に獲った信州サーモンの熟成の違いについての食べ比べをしました。初めて見る養殖場に大人も子どもも興味津々でした。佐々木社長からは、バイデン大統領も来日した際に味わったという「信州サーモン」の繁殖の仕方など、遺伝子についてフォーカスし、図を用いてわかりやすい説明をしていただきました。また、養殖場の見学では信州サーモンのエサやりを体験し、八千穂漁業の魚はとても元気でエサに食いつく魚たちの迫力に圧倒されました。

そば粉のガレット

佐久穂町そば組合の組合長、坪井正さんが育てる「信州ひすいそば」のそば粉を使用したガレットを2日目の朝食として参加者の皆さんに提供しました。佐久穂町の新鮮なきのこやたまねぎ、ベーコン、卵を使用したガレットと、ヨーグルトとりんごジャムのガレットの2種類を作りました。信州ひすいそば特有のしっかりとしたそばの香りと、もちもちとした触感が特徴的で非常に美味しく作ることができました。

学生・担当教員のコメント

髙野 美穂|会計学科2年


 私自身長野県出身のため、この企画には親近感を持って取り組んできました。実際に佐久穂町に訪れたり、現地の人と話したりすればするほど魅力が溢れてくる町でした。本番に至るまで何度も苦戦してきましたが、今回の企画で多くの方に佐久穂町の魅力を伝えることができて良かったです

今泉 志花|会計学科2年


 イベントを企画し、準備から運営すべて自分たちで行う体験は始めてでした。最初は、学生企画でイベントとして成り立つのか不安でしたが、本番、参加者の皆さんの感想を聞き笑顔を見ることができ嬉しかったし、達成感や充実感、他にもたくさん得ることができました。佐久穂の魅力や、イベントのやり方など含めて、とても学ぶことが多く貴重な経験ができました。

大川 あかり|経営学科2年


 自分たちで作り上げた企画を参加者の皆さんが喜ぶ姿にやりがいを感じました。参加者の皆さんは、口をそろえて佐久穂にまた来たいとおっしゃって下さいました。また、佐久穂の魅力について今回を機に知ったので、一ファンとしてこれからも広めていきたいです。

横堀 珠希|会計学科2年


 さまざまな準備過程で数多くの成功と失敗を経験していくなかで、ひとつひとつの課題をクリアし、準備から本番までのすべての時間でやりがいを感じました。イベントに参加してくださった皆さんのマスク越しでも伝わる笑顔が何よりの喜びとなり、やってきてよかったと心から思いました。「サクキャン」の開催で得た知識と経験を、今後の活動で最大限に活かしていきたいと思います。

関根 正敏|中央大学商学部准教授


〜地域で繋がりを築きながら、地域活性化に向けたプロジェクトを持続させる素地を育む!〜 

 この授業で大切にしていることを、まさにゼミ生たちは実現してくれました。このサクキャンは、単なる一つのアウトドア事業ではなく、府中市の地域スポーツクラブや市民活動センターをはじめ、両都市の行政、佐久穂町の生産者さんなど、多くの人に関わっていただき、みんなで作り上げたイベントになっています。そうした多主体協働のイベントを、この4名のゼミ生が中心となり、実現させたのです。

 地域を活性化させるということは、一朝一夕では実現せず、長期的な展望が必要になります。今回の取り組みは、ワンショット(単発)の事業ではなく、いろんな人が関与し、みんなが大切にしていきたいと思うプロジェクトを作り上げたことで、今後につながる良い取り組みだったと思います。

 関根ゼミ生のみんな、本当にお疲れ様でした!

関連Webページ

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