商学部プログラム科目「ソーシャル・アントレプレナーシップ・プログラム(以下、SEP)」は、地域資源を活かしたビジネスづくりに学生が2年間をかけてチャレンジする実践的なプログラムです。
このプログラムで、山梨県丹波山村で活動した学生が、大学卒業と同時に村に移住し、村で唯一の不動産屋『梅鉢不動産株式会社(本社:山梨県北都留郡丹波山村、代表取締役:梅原颯大)』を起業しました。
今後は、村唯一の不動産屋として、村から委託を受けた空き家の調査を行うことで、利用できる空き家を増やすとともに、空き家活用、予防等の事業を行っていく予定です。
取り組みについて
SEPは、東京都檜原村、山梨県小菅村、山梨県丹波山村を舞台に、2年間かけてその地域における課題を見つけ、それら課題を解決するサービスや商品を開発するという授業です。
代表の梅原颯大さん(2021年度商学部卒業)は、SEPをきっかけに丹波山村と出会い、コロナ禍で大学の講義形式がオンラインへと移行したことを契機に、丹波山村へ住み始めました。
当初は、農業など人手不足で困っている方の手伝いから初め、少しずつ村の方との信頼関係を築いていきました。その後、空き家調査業務や観光で用いる自転車のモニターツアーなど、行政が実施する事業の一部も担うようになりました。
大学3年次から卒業まで1年半の間、村に住み続け、地道な活動を続けた結果、村でも大きな問題となっている「空き家問題」を解決するために実施されている「空き家調査業務」を梅鉢不動産株式会社にて受託することができました。
梅原さんが起業した梅鉢不動産株式会社では、「空き家調査業務」を通じて、
・所有者が不明等のために「利用ができない空き家」を「利用できる空き家」へと変える
・情報の追えない空き家を村からなくすことによる空き家化の予防を行う
ほか、村で唯一の不動産屋として、空き家の活用のよる移住者等の増加を目指します。
空き屋調査の様子
ソーシャルアントレプレナーシッププログラム(SEP)について
SEPとは、地域社会が解決すべき課題を適切に特定し、関連する情報を収集し、効果的なビジネス・ソリューションを考案するとともに、課題解決の実現に向けたイノベーションに挑戦する授業です。
2019年度より檜原村・小菅村・丹波山村の各村に中央大学商学部のサテライトオフィスを設置。遠隔で授業や会議を実施することが可能で、自治体や地元NPO法人との緊密な協力体制のもとプログラムを進めることができます。
空き家問題について
日本では少子高齢化などによる影響によって、1958年以降空き家が増え続けています。空き家が増加することにより、景観の悪化や犯罪行為に用いられるなどの様々な問題が発生するリスクがあります。また、中山間地域の多い日本においては、空き家の増加により活用可能な住宅数が少なくなり、地域の活性化のために新たな移住者等を受け入れられないといった問題も発生しています。
空き家調査業務について
山梨県丹波山村に存在する空き家約200軒の全戸調査を行い、活用できる空き家を増やすとともに、情報の追えない空き家を村からなくすことによる空き家化の予防を行う事業です。
具体的には、データをもとに、空き家と思われる家を地図上にプロット・現地確認し、空き家の状態のランク付け、所有者の特定、GIS(地理情報システム)を用いたデータ化を実施しています。
会社情報
【梅鉢不動産株式会社】
代表取締役:梅原颯大
本社:山梨県北都留郡丹波山村中組2636番
主な事業:空き家の調査から活用まで
会社サイト:https://sites.google.com/umebachi-hudosan.jp/site
関連リンク
・中央大学プレスリリース:
中央大学商学部が奥多摩三村(小菅村、丹波山村、檜原村)と交流・連携に関する協定を締結
--地域連携型PBLによりSDGsを実践するビジネス人材を育成
https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2019/03/42762/
・中央大学商学部 ソーシャル・アントレプレナーシップ・プログラム Webサイト:
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/commerce/point/program/program_03/