商学部

商学部学生がジビエ加工処理施設での衛生管理記録作成を効率化させるシステムを開発しました

2021年03月16日

商学部学生がジビエ(野生鳥獣肉)加工処理施設での衛生管理記録作成を大幅に効率化させるシステムを開発し、無償提供しました。

 

今回開発したシステム名は『GIAS(ジアス)』で、ジビエの情報管理システムに由来しています。

『GIAS』を導入することで、個体ごとの衛生管理はもちろん、流通過程などの「トレーサビリティ(生産流通履歴)」の記録をiPad等の端末で効率的に記録・管理することができます。

また、端末で入力されたデータは瞬時にクラウド上に保存され、端末があれば複数のスタッフで情報の閲覧、編集が可能となります。

 

ジビエ(野生鳥獣肉)加工処理施設の運営会社である(株)アットホームサポーターズでは、従来、個体の情報を管理するにあたり、複数のスタッフが記録用紙に手書きで衛生管理記録を記入し、管理していました。

2月上旬の本システム導入後、記録作業にかかる作業時間をおよそ10分の1程度まで短縮することができ、大幅な業務効率化を実現しました。

同社の保坂幸徳社長からは、「今回のシステムは国基準に対応しており、我々だけでなく、社会からも十分評価されるシステムです。全国の施設で導入が広がって欲しいと思います。」と期待の声が寄せられました。
 

今回の取り組みは、『中央大学商学部チャレンジ奨学金(アクティブ・プラン)』へ申請し、システム開発に必要な活動資金を獲得しました。

 


  濱岡 聖朗|経営学科 4年

     谷  徳斗|経営学科 4年


 

学生のコメント

【取り組みのきっかけ】:

私たちが所属する堀内恵ゼミでは、「企業を取り巻く環境の分析や業務分析を通して、課題点を抽出し、システム開発によって改善を行う」いわゆる、上流工程から下流工程を一気通貫で学習しています。
本ゼミにおいて、代表の濱岡は、ジビエ加工処理施設における管理記録の煩雑さやIT技術の導入が進んでいない現状を目の当たりにし、ゼミ全体で業務分析から改善プラン提唱までのプロジェクトを立ち上げました。3年次は、既存の業務を改善するための業務オペレーションや改善システム案を提案し、4年次からは、濱岡と谷の2名で本格的にシステムの開発をスタートしました。

 

【苦労した点とその解決方法】:

新型コロナウイルス感染拡大という未曾有の状況において、クライアントとのコミュニケーションを進める中で、システムの機能面・インタフェース(UI)などのイメージの共有がスムーズに進まない部分に苦労しました。
その中でも、クライアントがイメージをキャッチしやすいように、動画やiPadの画面を使ってのロールプレイングなどの方法を模索し、こまめに意見のすり合わせを行うことを意識しました。

そして、クライアントとWeb会議を重ねる中で、システムで実現できるメリットだけでなく、管理業務をシステムに移行することで発生するリスクやデメリットについても説明することで、最終的にはクライアントが求める内容でシステムを開発することができました。

また、本プロジェクトで使用したデータベースソフトウェアは、使用経験もなく完全に0ベースからの開発でした。
知識習得に多くの時間を費やしましたが、共同開発者である谷とトライ&エラーを繰り返し、進めていきました。

 

【今後どのようなことに取り組んでいきたいか】:

今回の取り組みで、私たち学生の活動によって、地方に対してポジティブな影響をもたらすことができ、非常にやりがいを感じることができました。

さらに、今回得た経験は、ジビエビジネスの改革という枠組みを超えて、他のビジネス改革においても役立つ経験であると確信しています。これから自分達のキャリアを築いていく中で、単に技術の提供者になるのではなく、クライアントの変化するニーズに適宜対応するために、彼らと伴走しつつ、より多くのビジネス改革に関わっていきたいです。

そのために、まずは目の前のことに真剣に取り組み、ゆくゆくはGIASのように、地方創生を支援するような取り組みを少しずつ広げていきたいと考えています。