国際経営学部

国際経営学部3年の専門演習Ⅱ(担当:教授 国松麻季)は、スマートシティ・プロジェクトの一環として、鎌倉市役所や関係機関に訪問、調査を実施しました

2022年6月29日、国際経営学部の専門演習Ⅱ(担当:国松麻季教授)は、スマートシティ調査研究プロジェクトの一環として、鎌倉市政策創造課および商工課、ファブラボ鎌倉および慶應リサイクリエーションを訪問し、見学およびインタビュー調査を行いました。

                                                           

国際経営学部は、一般社団法人スマートシティ・インスティテュートの賛助会員としてさまざまな活動を行っています。その一環として、専門演習II(国松麻季担当)では、スマートシティを題材に、グループワークにより課題発見と解決策の検討を進め、7月21日にはスマートシティ・インスティテュート主催のウェビナーにおいて研究発表を実施する予定です。

【参考】ウェビナーの詳細とお申込先

https://scijwebinar20220721.peatix.com/view?fbclid=IwAR0M2NCoHXIIRQyAiJPPlxK3zGpy13Uwv01OHp2x9kAXPDVzvqXPleM8CSc

 

鎌倉市では誰もが生涯にわたって自分らしく安心して暮らすことができる「共生社会」の実現を目指し「共(とも)に考え、共(とも)に創る」ことをベースとしたスマートシティの取り組みを行っています。

 

そのなかで、今回訪問した鎌倉市政策創造課、同商工課、ファブラボ鎌倉およびリサイクリエーション慶應鎌倉ラボは、それぞれ重要な役割を果たしています。

 

鎌倉市役所政策創造課は、鎌倉特有の地形で発生する災害、オーバーツーリズムにより発生する問題、そして超少子高齢化に対応できる市を「スマートシティ」を使い、作り上げていく予定です。政策創造課課長補佐である勝勇樹様、および松村隆介様に、鎌倉市の現状や鎌倉市スマートシティの目標や理念などをお聞きし、ゼミ生からの質問に答えて頂きました。鎌倉市スマートシティ構想の基本理念の一つに「鎌倉らしさの継承」が含まれており、新たなものを取り入れるだけではなく、鎌倉の伝統や文化、価値観を大切にしながら、鎌倉をより良い市にしていきたいという政策創造課の強い思いが感じられました。

鎌倉市役所商工課では、市民防災部商工課課長 田邊幹浩様、市民防災部商工課 商工担当係長 進士拓視様からお話を頂きました。鎌倉市では、コロナ禍で地元の事業者を支援する目的のもと「縁むすびカード」が導入されました。その効果として、高い利用率だけでなく、縁むすびカードを通じて市民が「地元のお店を応援しよう」という機運が高まったことが挙げられます。縁むすびカードという一つの政策を通じて、鎌倉市民の絆が一層深まったという点が非常に印象的でした。

ファブラボ鎌倉は、3Dプリンタやレーザーカッターなど、デジタル制御された多様な工作機械を取り揃え、個人や地域レベルの課題を、ものづくりを通じて住⺠自身が解決できるようになるために設けられた次世代型の「市⺠参加型の実験工房」です。今回は代表の渡辺ゆうか様より工作機械のデモをお見せいただくとともに、お話を頂きました。

ファブラボではデジタルデータを使って、様々なものを作成できます。そのデータを共有すれば、データをダウンロードして作れる人々が広がります。ファブラボ鎌倉では、「つくることを身近に」という言葉があります。そこには、3Dプリンタ自体をより多くの人に広げるというより、地域や個人の選択肢を広げることで積極的に地域活性化に取り組む姿勢があります。さらに、世代を超えて学び合う機会が沢山あります。新しいものづくりの技術を備えた人材が増えることは、より住みやすいまちづくりに寄与します。実際に子供たちがファブラボで作成した独創的な作品には、大きな可能性が感じられます。ものづくりを通して人と人が繋がれるファブラボを、もっと多くの人に知ってもらい、使ってもらいたいと思いました。

リサイクリエーション慶應鎌倉ラボは、鎌倉市において資源循環システムの定着を目的とした活動を行なっており、「しげんポスト」の設置や資源循環社会への啓蒙活動を実施しています。

訪問時には慶應義塾大学院政策・メディア研究科特任助教 青木まゆみ様、慶應義塾大学SFC研究所上席所員 荒井将来様、慶應義塾大学院政策・メディア研究科特任講師 湯浅亮平様よりお話を伺い、中型・大型の3Dプリンタやリペレッターなどを活用し、再生プラスチックを利用した花瓶やプランター、大きなものではオフィス家具などの高品質なプラスチック製品の完成品から製作過程まで見学させて頂くことが出来ました。

お話の中で仰っていたプラスチックは「悪」とされがちだが、再利用により持続可能な社会を実現してくれるものであると言った点が特に印象的でした。

スマートシティは、世界各国に先進事例が広がりつつあり、持続可能な社会構築に寄与する今日的な課題です。経営戦略、政策策定、法制度、社会課題解決などさまざまな切り口から、国際経営学部の研究や学びと親和性が高いことから、今後も学部の特徴を活かしながら連携活動を行っていきます。

 

【参考】

2022年春「スマートシティ・プロジェクト」のキックオフとして、スマートシティ・インスティテュートの南雲岳彦専務理事による特別講義

https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/globalmanagement/news/2022/05/60456/

 

2022年6月9日

加古川市・スマートシティ推進担当課長の多田様にインタビューを実施

https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/globalmanagement/news/2022/06/60949/

 

2022年6月22日

会津若松市役所や関係機関に訪問、調査を実施

https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/globalmanagement/news/2022/06/61266/