国際経営学部国際経営学部長挨拶

河合 久 国際経営学部長

国際経営学部は、経営学・経済学に関する理論とその関連領域の教育研究を通じて、企業経営やグローバル経済に係る専門知識と高い語学運用能力をもって国際社会を舞台に活躍できるグローバルビジネスリーダーを育成することを目標として開設されました。創立135年を迎える中央大学の歴史と伝統を支えてきたリソースと英知を投じ、国際経営学部は「世界を動かす人になろう。(Be Ahead of the World.)」というスローガンを標榜して、中央大学におけるグローバル教育の発展に向けた新機軸を打ち出して参ります。

2019年4月1日には、高い志を持った潜在力豊かな若者たちが国内外から入学してきました。中央大学の新たな歴史の担い手としての自覚を胸に、新入生はすでにGLOMAC(グローマック:Global Management of Chuo University)の愛称をすべての教職員と共有しています。本年9月には、中央大学の秋入学制度のもとに、多くの外国人留学生が世界各地から入学してきます。約300人の第1期生と共に活気あふれる新学部を築いていけることを楽しみにしていますとともに、誇りにも思います。

国際経営学部で学ぶうえで念頭におくべきことは、複雑さを増し、変化のスピードが速く、生活者の構成と価値観が多様化する経済社会に企業経営が適応する必要があるということです。企業が自社の利益だけを優先してしまうと株主、消費者、地域住民、社員などのステークホルダーからの信頼を失いかねませんし、ステークホルダーを優先するあまり自社の成長が鈍化することもあります。利益を追求する利潤性(Profitability)と、ステークホルダーとの適切な関係を追求する社会性(Sociability)という2つの行動原理のバランスをいかに取るかということは、企業の成長と社会貢献にとって従前からの課題でした。さらに、企業が国境を越えたビジネスを展開することは、ステークホルダーをますます多様化させ、活動の奥行きを広げることに通じます。そのような企業が負託すべき使命とは何か?これを考える際に、企業活動は私たちの生活基盤を支えていると認識するのと同時に、企業の恩恵に無意識に頼ってきた私たちの生活の歴史が、地球資源の枯渇や自然環境の破壊をもたらす一面もあることを視野にいれる必要があるでしょう。現代の企業経営に求められるのは、利潤性と社会性との両立に加えて、企業それ自体を含む私たち人類の持続可能性(Sustainability)を追求することではないでしょうか。

国際経営学部のカリキュラムは、グローバル化を避けては通れない企業経営のあるべき姿を学問研究のコア領域に位置づけ、学生がやがて国際社会を牽引するのに必要な素養を身につけるために、①基礎教養・情報統計からなる「総合教育科目群」、②国際経営スタンダード・企業経営・グローバル経済・国際地域研究からなる「専門科目群」、③外国語の活用を軸にしたコミュニケーション力と交渉力の向上に主眼をおいた「グローバル人材科目群」の3つの柱から構成されています。このカリキュラムは、本学部がリベラルアーツや語学の教育研究に偏重するのではなく、世界の人々が物心共に豊かになる持続可能社会の構築に責任を持つ企業経営に焦点を当てているのです。この領域の理論を修得し、企業や各国(地域)の実践を観察したり体験したりして、国際社会で活躍するのにふさわしいコンピテンシーを学生が主体的に伸ばし、一人ひとりが成長の奥行きを広げてゆける学習環境を提供できるよう、教職員一丸となって努力して参る所存です。

国際経営学部の開設に寄せて(2019年5月吉日)