国際経営学部

国際経営学部3年の専門演習Ⅱ(担当:教授 国松麻季)は、スマートシティ・プロジェクトの一環として、会津若松市役所や関係機関に訪問、調査を実施しました

2022年6月22日、国際経営学部の専門演習Ⅱ(担当:国松麻季教授)は、スマートシティ調査研究のプロジェクトの一環として、会津若松市企画調査課、スマートシティAiCTおよび南三陸町役場を訪問し、見学およびインタビュー調査を行いました。

 

国際経営学部は、一般社団法人スマートシティ・インスティテュートの賛助会員としてさまざまな活動を行っております。その一環として、専門演習II(国松麻季担当)では、スマートシティを題材に、グループワークにより課題発見と解決策の検討を進め、7月21日はスマートシティ・インスティテュート主催のウェビナーにおいて研究発表を実施する予定です。

 

会津若松市は、産学官連携のもと、日本の中でも特に先進的なスマートシティへの取り組みで知られています。

会津若松市役所にてインタビューの様子

会津若松市の進んだスマートシティの取り組み

会津若松市役所企画課スマートシティ推進室長の本島靖様と同室主任主事の高橋俊貴様から、同市のスマートシティ推進についてお話を伺いました。

 

デジタルへの受け入れ態勢がかねてより整っており、教育体制も手厚く取り組んでいる会津若松市はスマートシティの取り組みを受け入れやすい環境にありました。その中で日本初のコンピュータ理工学専門の公立大学の会津大学も大きな役割を担っています。また、市自体が、企業の実証実験に積極的な姿勢をしているからこそ、企業との連携もしやすい環境にあることがお話の中で明らかになりました。デジタルや教育分野の歴史と、職員の方々の情熱が日本でもトップレベルのスマートシティ推進を導いています。

 

また現在は「デジタル田園都市国家構想」のもと、地方創生の基本方針達成のための目標を達成し、実績を積み重ねています。

食・農、観光、決済、ヘルスケア、防災、行政など多くの分野において取り組みを進めることで、年代やデジタルの利用度などを問わず、市民全員の生活の質を向上していくことに努めていることもわかりました。

 

全ての分野において「デジタルは手段である」という姿勢が、スマートシティ推進にあたり重要な考え方であることを再確認させていただきました。

 

スマートシティAiCTの外観

40社の企業が集まるスマートシティAiCT

会津若松での取り組み の中で、今回訪問した会津若松市役所、スマートシティAiCTはそれぞれ重要な役割を果たしています。

 

ICT関連産業が機能移転できる受け皿として整備されたオフィス環境が整う、「スマートシティAiCT」を訪問し、そこに所属する40社の企業のなかで、SAC事務局 事務局長 満田善護様、アクセンチュア コンサルティング本部 村井遊様、TIS株式会社 会津サービスクリエーションセンター長 岡山純也様、主任補 成田和正様、ソフトバンク株式会社 会津若松デジタルトランスフォーメーションセンター センター長 馬越孝様からお話を頂きました。

 

スマートシティ推進するためには、  日本全体を元気にするためには東京に限らず様々な地域で幸福感を生み出さなければならなりません。スマートシティAiCTは、各地域それぞれの課題を発見し、デジタルツールを利用して解決していく、という取り組みを行っています。

 

 

企業とスマートシティの関りについてお話を伺いました

ゼミからの事前質問にお答えいただきながら、パーソナルデータのオプトイン制度の重要性、複数企業による1つの団体としての活動内容、デジタル田園都市国家構想についてなど、様々なお話を頂きました。「本当の幸福とは、経済価値を上げることだけではない。その行動自体に価値を見出すことが大切である」というご意見や、「パーソナルデータ公開は相手やタイミングによって、危険なことにつながる」といった、貴重なメッセージもいただき、学びを深める機会となりました。

小さな町に魅力がつまった南三陸町

調査研究チームは「会津若松市の秀でたスマートシティの取り組みを災害の多い他地域でも展開するには」というテーマを掲げており、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県南三陸町にも訪問し、南三陸町役場企画課震災復興企画調整監桑原様に、インタビュー調査に協力していただきました。

震災復興にあたり、住宅の高台移転など、震災により二度と命を失わない町にするための取り組みや、町の水産業や観光業を発展させていくための取り組みを中心に行っておりました。地方創生については、志津川高校の魅力化や道の駅の整備、企業版ふるさと納税など、南三陸町の強みである森・里・海・ひとの特徴を活かした活性化を目指していることを学びました。地方ならではの課題も分かり、研究に向けて重要なお話をお聞きすることができました。

スマートシティは、世界各国に先進事例が広がりつつあり、持続可能な社会構築に寄与する今日的な課題です。経営戦略、政策策定、法制度、社会課題解決などさまざまな切り口から、国際経営学部の研究や学びと親和性が高いことから、今後も学部の特徴を活かしながら連携活動を行っていきます。

 

【参考】

2022年春「スマートシティ・プロジェクト」のキックオフとして、スマートシティ・インスティテュートの南雲岳彦専務理事による特別講義

https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/globalmanagement/news/2022/05/60456/

 

2022年6月9日

加古川市・スマートシティ推進担当課長の多田様にインタビューを実施

https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/globalmanagement/news/2022/06/60949/