国際経営学部

国際経営学部教授、山田恭稔の専門演習I, II, IIIのグループ研究に基づくゼミ論文集(2021年度版)が完成しました

完成した論文集(2年次(和文版)ならびに3年次(和文及び英文版))

国際経営学部の2021年度専門演習I, II, III(担当教員:本学部教授 山田恭稔)では、ゼミ・テーマ「アジアの地域社会と持続的発展」の下、3年生17名の3班および2年生8名の2班がフィールドでの調査を含むグループ研究を行ない、この程、それらの研究をまとめた各年次ごとのゼミ論文集が完成しました。

 

3年生は、主にインドネシアを対象とし、インドネシアの教育現場における参加型学校運営の持続性と公益性の効果をテーマとした教育班、チタルム川の事例から水質改善・洪水対策における住民参加をテーマとした環境班、持続的なコミュニティ・ベースド・ツーリズム(CBT)における外部者の役割を研究した観光班が研究を進めました。また、2年生は、日本の地域社会が抱える課題を対象とし、シングルマザーの貧困とその脱却をテーマとしたシングルマザー班、多摩川の散乱ゴミによる環境汚染と市民団体の重要性をテーマとした多摩川散乱ゴミ班が研究を進めました。

 

これら各班では、研究計画書の作成を含む企画・計画、先行研究レビューや質問票作成を含む準備、フィールド調査を含む調査の実施、調査結果の分析、研究結果の取りまとめが行なわれました。2年生がこれら一連の作業を昨年9月末からの約4ヶ月間に慌ただしく進めた一方、3年生は昨年4月からの約10ヶ月間(一部は夏季休業中を含む)にじっくりと取り組みました。

 

研究計画書に基づき、当該班は調査対象へのインタビューを依頼し、予め準備した質問票を用いた聞き取り調査を行ないました。当該班が聞き取りを行なった対象先は合計8ヵ所に及びました。下記の聞き取り対象先には、ご多用の中、ご快諾ならびにご協力をいただきました。厚くお礼を申し上げます。

 

・教育班:株式会社国際開発センター(IDCJ

・環境班:株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル(OC GLOBAL

・シングルマザー班:渋谷区子ども家庭支援センター、NPO法人子育てネットワーク・ピッコロ

・多摩川散乱ゴミ班:国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所、NPO法人多摩川センター、

NPO法人多摩エコミュージアム、美しい多摩川フォーラム(青梅信用金庫地域貢献部)

 

なお、コロナ禍の影響もあり、3年生はインドネシア現地を訪問することが叶いませんでした。また、聞き取り調査では、リモート形式による実施も含みました。

 

今回のグループ研究を通して、ゼミ生たちは、大きな学びを経験しました。班内で議論を重ね、さらにゼミ内で切磋琢磨し合う研究活動のあり方を体験し、研究過程での様々な重要な事柄を身を持って認識しました。それらには、「研究計画書の重要性とその作成の難しさ」、「インタビューの約束を実際に取りつけることの難しさ」、「回答してもらい易い質問票の作成と質問の仕方」、「現場で直接携わっている人々の言葉の重みとそのような人々から話を聞くことの大切さ」、「論文執筆の難しさと執筆のペース配分の重要性」、「英語で論文をまとめることの難しさ」などがありました。そして、ゼミ生たちが経験したこれらの学びは、ゼミでの今後の研究に活かされることと同時に、ゼミ全体の経験知・実践知として蓄積され引き継がれることが期待されています。