法学部

佐藤 樹

プロフィール

学科学年 法律学科4年
出身地 長野県
出身高校 長野県長野高等学校
趣味・特技 散歩、旅行、舞台鑑賞
キーワード ノートテイクボランティア
掲載年月日 2023年2月7日
佐藤 樹

中央大学法学部を選んだ理由を教えてください。

高校の政治経済の授業がとても面白く感じ、法曹に対して漠然とした憧れを抱いていたこともあって、大学で法律を学びたいと考えました。中央大学法学部には法曹を志す学生が多く在籍し、炎の塔で切磋琢磨しながら司法試験合格に向けて勉強に励むことができるという環境は、自身の夢を実現するにあたって最適だと思い、進学を決めました。

法学部での学びについて。特に興味を持って受講した授業や、力を入れて学んだことについて教えてください。

特に力を入れて勉強したのは法律科目です。法曹コースを選択したため、会社法や行政法といった司法試験でも出題される科目の一部は他コースとは別枠となっており、中央大学法科大学院の教授による、専門性の高い授業を受けることができました。このような別枠の授業は通常のそれよりも難易度が高く予習復習が大変でしたが、多くの法曹志望者が履修していたため、他の人には負けないぞという意識が芽生えて、勉強に対するモチベーション維持にもつながりました。
また、健康・スポーツ科学(スポーツ法)という授業ではスポーツと労働法・独占禁止法、スポーツ仲裁などアスリートをとりまく法律問題を学ぶことができました。ちょうど東京オリンピック開催の時期と重なっていたことも相まって、一見法律とは無縁と思われる分野においても法律が必要不可欠の要素となっていることを実感しました。
ゼミは慶應義塾大学法科大学院で教鞭をとられていた三上威彦先生の民事訴訟法ゼミに所属していました。三上ゼミは法科大学院の授業と似た形式で行われるというのが一番の特徴です。課題として与えられた事例問題を事前に予習し、授業当日、先生に指名されたゼミ生が質問に回答していくという過程を通して学説や判例の理解を深めることができました。予習段階で全く想定していなかった質問が飛んできて、質問攻めをくらった時の緊張感は忘れられませんが、学部生のころから大学院さながらの授業を受けられたことは貴重な経験だったと思います。

留学、奨学金受給などについてどのような活動をしてどのような学びがありましたか。

3年次にやる気応援奨学金をいただき、基本書や問題集の購入、模試の受験費用に活用しました。金銭面の負担軽減がなされたことで勉強に専念することができました。

サークル等の課外活動について教えてください。

炎の塔内の真法会研究室に所属しています。授業以外の時間は研究室に行って、先輩によるゼミを受けたり、自分の定席で自習したり、同期と雑談したりして過ごしています。
また、1年次から聴覚障害を有する学生の授業支援として、ノートテイクボランティアを行っています。ノートテイクとは、重度難聴学生の「耳の代わり」となり教員の発言や授業内容を同時通訳することです。これによってはじめて重度難聴学生は健常者と同様の授業に参加できるようになります。活動に際して特に必要な資格はありませんが、口頭でのコミュニケーションが困難な以上、相手の立場に立って考え、行動することが強く要求され、要支援者が何を求めているのか、どうすれば情報をわかりやすく伝えられるか試行錯誤しました。特にコロナ前は聴覚障害があっても、読唇によって相手の発言内容を理解することができましたが、マスク社会になり、重度難聴者が人とコミュニケーションをとることはより一層困難になってしまいました。自分が普通だと思っていたことが障害者にとっては全くそうではないと気付かされることが多く、自己の価値観や視野が広がる良い経験になりました。

いま現在もっとも関心を持って取り組んでいることは何ですか。

ノートテイクを行う中で、難聴学生がグループディスカッションで会話に参加できずに孤立してしまうという現状を目の当たりにし、未だ支援は不十分であることを痛感しました。障害者に対する物的な支援だけでなく、相互理解といった心的な支援やこれに関連する活動の進展に注目しています。また、4月から始まる法科大学院の授業についていけるように、法律学の勉強にも力を入れています。法曹として実務に出れば、判例集や基本書に載っていない未知の課題にも柔軟に対応しなければならないわけですから、そのための基礎体力をつけるという意味で、法律の制度趣旨等に基づく確実な理解を心がけています。

卒業後の計画は何ですか。また、今後のキャリアプランとそれを含めた人生の夢やビジョンについて教えてください。

法科大学院に進学し、司法試験合格に向けてより専門性の高い法律学の勉強を続けていきます。自身の目指す法曹像は未だ確立していませんが、ノートテイクを経験したことで障害者の権利保護や社会福祉の拡充を支援する弁護士になるという選択肢が生まれました。また、実務経験を積んだのち、任期付公務員として中央省庁や地方公共団体に出向し、ダイバーシティ社会の実現に向けた法整備にも携わりたいと考えています。

中央大学の魅力とは何ですか。

自分が興味を持ったこと、頑張りたいと思ったことに対して、充実したサポートを得られることです。私の例を挙げれば、炎の塔では司法試験合格のための講座が多数開講され、専任指導員の方には勉強面だけでなく、精神面や進路など幅広い相談にのっていただきました。また、ダイバーシティセンターの専門スタッフの方には私の進路に有益なシンポジウムを紹介していただいたほか、専門的な見地から障害者支援において何が法曹に求められているかを教えていただきました。多くの人に支えられ、応援されることは自分の目標や進路に対して真摯に向き合うことにつながり、その結果として夢が実現するという好循環が生まれます。
また、他の「学生の声」執筆者の掲載文を見ても分かる通り、中央大学法学部には法曹を目指す人だけでなく、公務員志望者や部活動・留学等を目的に入学してきた人も数多く在籍しています。多種多様な学生の需要に対応できるキャパシティの広さも中央大学の魅力だと思います。

受験生へのメッセージをお願いします。

受験勉強は肉体的にも精神的にも大変ですが、大学に進学すれば自身の選択肢が大きく広がるということを考えると少しワクワクしてきませんか? 必死になって勉強したという事実は今後、必ず自分の心の支えになります。最後まであきらめずに頑張ってください。

最後に一言。

中央大学法学部を進学先として選んだ4年前の自分にありがとうと言いたいです。地元を離れて多摩で過ごした4年間は間違いなく私の財産になりました。中大で鍛えていただいたリーガルマインドを自己の強みとして今後の人生を歩んでいきたいと思います。