2026年3月18日、国際経営学部専門演習I(担当教員:三浦秀之)は、香川県東かがわ市と連携して取り組んできた、安戸池で育った新鮮な養殖牡蠣「ADOMILK」の輸出戦略について、東かがわ市役所を訪問し、上村一郎市長をはじめとする市関係者に対し最終報告を行いました。
当日の発表では、ブランド戦略や販売チャネルの設計に加え、制度対応や物流設計を含めた包括的な提案が示され、現実的かつ実行可能性の高い内容として高い評価を受けました。本プロジェクトは、国際貿易をめぐる各国の規制、地政学的リスク、物流コストといった複合的要因を踏まえた実践型教育の一環として実施されたものです。
本プロジェクトは、2025年10月に東かがわ市役所の寺西康博氏より、牡蠣(ADOMILK)の輸出戦略に関する課題が提示されたことを契機に開始されました。これを受け、同ゼミでは11月に2泊3日の現地フィールドワークを実施し、養殖現場の視察や生産者・行政関係者へのヒアリングを通じて、地域資源としての牡蠣の特性や課題について理解を深めました。
その後、学生たちは数か月にわたり、ターゲット市場の選定に加え、輸出先国における水産物の衛生・検疫規制、通関制度、関税・非関税障壁といった制度面の分析を行いました。さらに、生鮮品である牡蠣の特性を踏まえ、コールドチェーンの確保や輸送コスト、リードタイム管理といった物流上の課題に加え、為替動向や国際情勢といった地政学的リスクについても検討しました。これらの分析と並行して、各ステークホルダーへの具体的なヒアリングを重ねることで、実現可能性の高い輸出戦略の構築に取り組みました。
報告会後、東かがわ市からは、「現実にできる、期待感あふれる提案であり、学生の努力がよく表れていた」とのコメントが寄せられました。また、市長からも今後の継続的な連携への期待が示され、「ぜひ今回で終わらず、今後も連携していきたい」との意向が伝えられました。今後は、実際の輸出実現に向けた具体的な取り組みへと発展していくことが期待されます。
最後に、サプライズでADOMILKを振る舞っていただき、その美味しさに舌鼓を打ちながら、市役所の皆様と学生との間で和やかな雰囲気のもと歓談の時間が持たれました。
本プロジェクトは、学生たちは、報告を通じて貿易に関する知識を深めるだけでなく、準備のプロセスを通じてチームビルディングに加え、ステークホルダーとの調整力、課題設定力、実現可能性を意識した戦略構築力など、実践的かつ多面的な学びを得る貴重な機会となりました。実施にあたり、ご協力いただいた東かがわ市の皆様をはじめ、関係各位に厚く御礼申し上げます。