2025年4月22日(火)第2限の専門演習Ⅱの授業において、中国の西北農林科技大学経済管理学院の任彦軍教授をお招きし、”Consumer preferences for sugar-sweetened beverages: Evidence from online surveys and laboratory eye-tracking choice experiments” をテーマにご講演いただきました。
講演では、砂糖入り飲料に関する消費者の嗜好を対象とした選択実験について紹介されました。中国における栄養問題や生活習慣の変化を背景に、砂糖入り飲料の過剰摂取が深刻な健康問題を引き起こしていることが指摘されました。さらに、消費者の視覚的注意と購買行動の関連を明らかにするため、オンライン調査、VR実験、アイトラッキング選択実験の結果が示されました。
特に注目されたのは、消費者の栄養に対する認知の乏しさが商品選択に不適切な影響を及ぼしているという点です。中国においては栄養ピラミッドの認知率が20%未満であるという調査結果も紹介され、任先生はバランスの取れた食生活の重要性を強調されていました。
学生からは次のような感想が寄せられました。
「今回の講演を通じて、自身の購買行動を見つめ直すとともに、食品業界や公衆衛生における情報提供のあり方について深く考える貴重な機会となりました。消費者の製品選択行動を科学的に分析する意義の大きさを実感しました。・・・単に価格やラベル表示といった現在の要素だけでなく、その背後にある文化的な文脈を理解することの重要性を強く感じました。消費者行動を深く理解するためには、表面的なデータ分析にとどまらず、歴史や価値観といった要因にも目を向けるべきであるという視点を得ることができました」
今後も国際経営学部では、実務および経営学研究の最前線で活躍する専門家・実務家との対話の場を設け、学生の探究心を刺激し視野を広げる学びを展開することで、グローバルに活躍できる人材の育成に努めてまいります。