経営戦略論(Management Strategy)という講義は、他大学でも多く行われています。経営戦略は戦略にフォーカスすることから、経営計画を立てることを主題とする傾向にあります。しかし、実際の経営では、立てた戦略を実行し、その際に発生するギャップを修正するなどの実行のマネジメントが重要になってきます。国際経営学部がこだわる「戦略経営論(Strategic Management)」では、理論と具体(企業事例)との対比を通して、戦略経営の概念を網羅的に理解し、ビジネス社会で実践するための知識習得を目指します。講義は、アメリカでMBA(国際経営学)取得後、日本能率協会コンサルティング、ゼネラルモーターズなどで戦略経営の実務に20年以上携わってきた木村剛先生が担当。今回は「戦略経営論」の学びについて、木村先生に伺いました。
実際の経営は教科書通りではない
実行力・修正力を養える場に
実際の企業における経営では、戦略を立てる部門と実行する担当は別の人です。現場で戦略を実行していく中で「それは現場をわかっていない人が立てた計画だ!」などと双方の認識にギャップがあるのはよく聞く話です。「戦略経営論」は、双方の立場を理解し、戦略を実行する際の修正力などを鍛えることにつながる、より実践的な講義です。
「戦略経営論」では、立てた戦略の実行管理のプロセスを重視しています。単に教科書に載っている経営理論だけではなく、実際の実行プロセスで発生する様々な事象への対処など、よりリアルな実用性の高い学びを得ることができるのです。
経営トップや戦略企画室の意図が汲み取れる
企業にとって有益な人材を育成
いくら講義で戦略について学んだとしても、実際に新入社員として携わるのは現場での目の前にある仕事です。その時、ただ言われたことをやるのと、戦略の全体像や指示の意図を理解して仕事をするのとでは大きな差が出ます。
「戦略経営論」を学ぶことによって、自身が行うひとつひとつの行動が、大きな戦略のなかでどの位置づけにあるのか、どういった意味や目的があるのか、その行動が戦略にどういった影響を及ぼすのかなど、全体を俯瞰して理解することが可能になります。
企業にとってそれらを理解してくれる社員は有用な人材です。「戦略経営論」を学ぶことは、企業の戦略を理解して現場で実行できる、企業が求める人材の育成へとつながるのです。
自らがプロジェクトを企画・実施する
PBL(プロジェクトベースドラーニング)とは?
「戦略経営論」をより深く学ぶことができる木村剛ゼミでは、実際の企業等の課題に対して、学生自らが計画を立て、実際にプロジェクトを回して解決していく実践的な学びを得ることができるPBL(プロジェクトベースドラーニング)を採用しています。
PBLとは、日本語にすると「課題解決型学習」と訳される学習法です。学生一人ひとりがそれぞれの役割を担いながら、企業の課題を解決するためのビジネスプランを考案したり、実際の集客に向けて戦略を実行したりする中でさまざまな課題や困難に直面。それらを克服することを通して、より実践的な学びを得ることができます。
アウトプットの重要性を理解し
海外でも通用する自己の成長を促す
日本の教育では、知識のインプットが重視される傾向にあります。そのため、海外の学生に比べると知識の量では負けていないのですが、それを発言しようとした際に的確に伝えられないことが多々あります。それを克服するためには訓練が重要です。アウトプットのスキルは訓練によって上達することができるのです。
重要なのは自分の意見を相手に伝えることができるアウトプット!アウトプットの訓練を通して、より実践的な成長へとつなげていくことができるのです。