国際経営学部

国際経営学部の会計学(担当教員:原郁代)において、公認会計士・税理士・米国公認会計士 マークス税理士法人 代表社員 西田雅彦様をお招きし、ご講演いただきました 

2021年06月14日

西田先生ご講演風景

2021年6月4日(金)に実施された会計学の授業でマークス税理士法人代表社員の西田先生(公認会計士・税理士・米国公認会計士)に「企業システムと内部統制の概観-財務報告の前提条件として」というテーマでご講演いただきました。ご講演の構成は、第1部 「企業システムと内部統制の概観-財務報告の前提として」 第2部 キャリア形成です。授業は、ハイブリッド形式で行い、ご講演の後、質疑応答を行いました。また、ご講演内容を踏まえ、①販売管理システムと内部統制について西田先生の講演で学習した内容②西田先生の講演を聞いて感じたこと、今後西田先生から聞きたいと思ったことについて記述し、manabaのレポート機能を使って提出する課題を課しました。

第1部では、販売管理、購買管理、在庫管理がどのように会計と結びつくのかという企業システムの全体像についてご説明頂いた後、フローチャートを見ながら主に販売管理に関する内部統制について解説して頂きました。また、大企業及び中小企業向けのシステムについても先生の実務経験を交えて分かりやすく教えて頂きました。第2部では、理工学部出身で公認会計士をされている西田先生がどういう方針でどのようなキャリア形成をされてきているのかという先生の経験談を語ってくださいました。

『今後freeeのような自動仕訳が主流となり、徹底した自動仕訳が行われる結果、「日常業務を通じた会計の教育環境はなくなる」「会計責任者は仕訳が適正かどうかを判断するが、それ以外の人は判断しなくなる」』という先生からの問題提起があったので、会計学を学ぶ意義について学生から質問がありました。何かを企画するときに「人」「物」「金」「情報」をいう資源を効率的に運用する必要があり、このときに会計リテラシーが必要になるというのが先生からのご回答でした。その他にも大企業向けのSAPというシステムについての質問などがあり、windowsを例に取り、ある程度共通仕様にして一部を企業に合わせて調整することでシステム開発のコストを削減できることを教えて頂きました。

会計学の授業前半では簿記を学習します。取引を仕訳という形で記録し、元帳へ転記します。元帳を基礎にして財務諸表を作成します。紙ベースで行う財務諸表作成プロセスを学習するのは、全プロセスをシステムで行い、自動化されるとプロセスがブラックボックス化して大きな不正や誤謬があった場合、気づくことが難しくなるからです。仕組みを理解し、紙ベースで行われていたどの部分がシステムに置き換わっているのかを理解することが大切だと考えています。

 IT化が加速し、会計専門職が不要になるのではないかと言われている状況下で会計を学ぶ意義について再確認できたことは大きいと思います。また、コロナ禍の下、国際経営学部で学んだ知識をどう活かせばよいのか不安になりがちな中で、先生の「複数のスキルを掛け合わせることによって差別化できる」という教えに励まされた学生は少なくないでしょう。実務家の先生から直接学ぶ貴重な機会を持てたことが、今後の学生の成長のための糧となることを期待しています。