法学部

【活動レポート】梅津 諭 (2001年入学・法律学科)

活動データ

・ドイツ デュッセルドルフ大学夏季語学コース短期留学、ホームステイ

・2002年8月17日~9月15日

・2002年度選考(ドイツ語分野)

活動の概要

私が今回参加した、デュッセルドルフ大学の夏季語学コースは、以下のように2週間単位の日程で組まれていました。
Phase A 7/22~8/2、B 8/5~16、C 8/19~30、D 9/2~13、E 9/16~27
このうち私は、Phase CとDに参加しました。

主な活動日程
8/17 日本出国(成田発、ミュンヘン経由でデュッセルドルフ空港へ。)
午後10時にホームステイ先のFrau Gudrun Lesch宅に到着。
8/19 クラス分け筆記試験
※この語学コースでは、最初に筆記試験を行い、成績順に下記の6クラスに分けるという方式でした。

・Grundstufe I - III(初級1-3)

・Mittelstufe I . II(中級1・2)

・Oberstufe(上級)

試験の結果、私はGrundstufe III に所属しました。
8/20~23、8/26~30
語学授業1限:9:00~11:00
2限:11:10~12:30

語学授業の内容は多彩です。ニュース番組の録画や映画を見た後、またはインタビューが録音されたテープを聴いた後でその内容を発表し合ったり、自分の国の様子(食べ物、家族関係、交通、気候、余暇、伝統行事、その他の生活様式や文化など)について発表したり、あるいは各人の役柄を決めてその役を演じたり(店員と客、など)と、日本とは違い、とにかくしゃべる授業です。そのため、文法以上に会話能力が重要になります。

語学授業は月-金曜の午前中のみで、平日の午後と土曜は大学側が様々なエクスカーション(課外活動)を組んでいました。
そのうち、私が参加したエクスカーションは以下の通りです。

・8/20 Altstadt(旧市街)見学

・8/21 Dusseldorf市街見学

・8/22 Bonn都市見学

・8/26 Keiserthweld(城跡)見学

・8/30 Bruhl(ボンとケルンの中間に位置する小都市)のSchloss Augustusburg(アウグストゥスブルク城、世界遺産)見学

・9/5 Koln都市見学

・9/6 メッセ見学(8/24には、個人でDortmundへ行ってブンデスリーガの試合を観戦。)

9/2 クラス分け筆記試験
前回と同様の6クラスに分けられ、私はMittelstufe I に所属しました。
9/3~6、9/9~13語学授業 (授業時間割は上と同じ。)
9/14 ドイツ出国(デュッセルドルフ発、ミュンヘン経由で成田へ。)
9/15 成田空港着

活動の成果

 今回私はドイツ語を学ぶために留学をしましたが、実際にドイツに行くことによって、単なる語学学習以上の成果を得たと思います。授業中には、活動日程の中で述べたように、日本では経験できないような多彩な方法でドイツ語を学習しました。すべての生徒が積極的に発言する授業だったので、それを通して会話能力が向上し、語彙も増えたと思います。特に今回の後半2週間、Mittelstufe Iに在籍して学習したことは私にとって大きな自信になりました。

 また、実際にドイツという日本以外の国で暮らすことによって、日本で当たり前だと思って意識しなかったことにはっとさせられる場面もありました。例えば「閉」ボタンのないエレベーターも多い、という事実に直面することによって、「日本人は急ぎすぎなのだろうか」という疑問が浮かびました。

 今回は二回目の語学留学なのでカルチャーショックは前回よりも少なかったですが、レジで店員と挨拶を交わす度に、またベビーカーがバスや電車に苦もなく乗れるのを 見るたびに、この日本にはない文化の暖かさ、良さを感じました。

活動についての感想

今回私はドイツ語を学ぶために留学をしましたが、実際にドイツに行くことによって、単なる語学学習以上の成果を得たと思います。授業中には、活動日程の中で述べたように、日本では経験できないような多彩な方法でドイツ語を学習しました。すべての生徒が積極的に発言する授業だったので、それを通して会話能力が向上し、語彙も増えたと思います。特に今回の後半2週間、Mittelstufe Iに在籍して学習したことは私にとって大きな自信になりました。

 また、実際にドイツという日本以外の国で暮らすことによって、日本で当たり前だと思って意識しなかったことにはっとさせられる場面もありました。例えば「閉」ボタンのないエレベーターも多い、という事実に直面することによって、「日本人は急ぎすぎなのだろうか」という疑問が浮かびました。

 今回は二回目の語学留学なのでカルチャーショックは前回よりも少なかったですが、レジで店員と挨拶を交わす度に、またベビーカーがバスや電車に苦もなく乗れるのを 見るたびに、この日本にはない文化の暖かさ、良さを感じました。

今回の活動をどのように生かしていくか

司法試験受験のため、今後1・2年は法律の勉強の方に重点を置かざるを得ませんが、合格後は再びドイツに渡り、1年か2年くらい留学しようと考えています。ドイツはEUの中心国の一つであり、さらに社会福祉や環境問題対策も進んでいるので、興味が尽きません。特に環境法の視点から環境問題対策を学んで来たいと考えています。

後輩達へのアドバイス

これからドイツへ旅立つ人へ

 ドイツは良い国です。私の報告書を読んでいるあなた、もし行くかどうか迷っているのであれば、絶対行ってください。 自分のドイツ語力が不安ですか?そんなのたいした壁ではありません。

 私は去年の夏も、ドイツ・シュトゥットガルト大学の夏季語学コースに1ヶ月行ってきました。大学1年の夏、ドイツ語を始めてまだ3ヶ月とちょっとの頃です。大学1年の春、ほぼすべての単語を(前置詞もすべて)辞書で調べながら、向こうの大学と手紙をやり取りしてなんとか手続きを済ませ、留学前に必死に勉強、そして単身渡独。しかもそれが初の海外体験という有様でした。そんな無謀な事をしながらも、今年もまたドイツへ行こうと思えたほどの楽しい体験をして帰ってこれたのです。今のあなたのドイツ語力は、去年の私に比べたらずっと上でしょう。
 最初のコース説明が全く聞き取れなくてもいいのです。大抵は中上級のクラスにも日本人がいますから、どうしても分からないことはその人に聞けば解決します。だいたいコースについての事務的な説明は難解で、語学留学が今年で2回目である私でも、半分くらいしか聞き取れませんでした。
 授業中の先生の話だって、半分聞き取れれば十分です。今何をしているのか、また何をすべきかが何となく分かれば対応できますから。それに、むしろ半分しか聞き取れないからこそ、先生の言葉を聞き漏らすまいと必死になり、ドイツ語力の向上につながります。また、最初は文法用語に戸惑うかもしれませんが、授業中に何度も出てくる用語はそのうち覚えられます。よく使われる文法用語を「その他」に一応載せておくので、良かったら参考にしてください。

 ホームステイだって恐れることはありません。むしろドイツ人と会話できるチャンスです。去年、一番下のクラスだった私でも、傍らの辞書を引きながらステイ先のおばさんとたくさん話をしました。ドイツの赤ん坊は洗礼を受けるが、日本ではそのような習慣が無いこと。ドイツには兵役義務があるが、日本には少数の職業軍人しかいないこと(「自衛隊」が和独辞典になかったので「職業軍人」で代用した)。日本の多くの法律はドイツのものを参考にしていること。広島・長崎は今は復興して大都市であること(8月6日、おばさんに「今日は原爆が落ちた日だね」と言われた。)などなど、辞書をたくさん引きながらの会話でしたが、おばさんは快く私の遅いペースに付き合ってくれました。

 「留学」と聞くと大変そうですが、短期の語学留学なら簡単なので、ぜひ一度ドイツに行ってみてください。ドイツ料理やドイツパン、それにドイツビールは本当に美味しいです。特にドイツビールは、今までビールをあまり美味しいと思ったことのない人でもビールに対する認識を変えるでしょう。濃厚でかつ飲みやすく、麦の甘みがあります。

 また、語学授業はたいてい昼までで、午後や土日は自由な時間になるため、エクスカーションに参加したり、自分で旅のプランを立てたりして色々な所に行けるから、旅行を兼ねた留学といった感じで、とても楽しいです。私は今回ブンデスリーガも観戦してきました。

 現在、EUの世界における重要性は増しつつあります。国同士が連帯し、通貨を統一し、国境という壁を限りなく取り去る。国家という従来の枠組みを超えたこの連合体は、世界の新しいあり方を提示する可能性を大いに秘めており、全世界が注目しています。

 ご存知のように、ドイツはEUの中心国の一つです。しかも、今でこそドイツはEUの東端に位置していますが、将来予定されているEUの東方拡大によって、ドイツは政治的、経済的のみならず、地理的にもEUの中心となるのです。ドイツは現在、ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロヴェニアなど東の国々のEU加盟に向け、積極的に協力しています。ドイツは国を東西に分けられた経験をもつからこそ、将来のEUにおいては、東欧諸国と西欧諸国の良きパイプ役となるでしょう。

 このような観点からも、ドイツ語を学び、ドイツへ行き、ドイツの文化に触れるというのは、とても有意義なことだと思います。ぜひ、ドイツへ留学することを勧めます。

その他

語学留学の情報収集のしかた

 私の場合はまず、「成功する留学 ドイツ・オーストリア・スイス留学」という本を読んで、語学学校や大学夏季語学コースの情報を得て候補をいくつかに絞り、さらにホームページで詳しい情報を調べました。
 そして行き先を決めてからの手続きはEメールで行いました。(国際郵便でも良いのですが、1回のやり取りに2週間位かかります。)メール作成時には、エンコードを日本語から西ヨーロッパ言語に変更するのを絶対に忘れないで下さい。さもないと 文字化けします。

 留学にあたって非常に役立った本を以下に挙げておきます。いずれも生協書店に売っている本なので、良かったら読んでみてください。

●「成功する留学 ドイツ・オーストリア・スイス留学」(ダイヤモンド社)
留学についての情報が詳しく載っていて、どのような準備をすればよいかが分かります。語学学校や大学夏季語学コースの情報も載っているので、留学を志す方はまずこれを読むと良いでしょう。

●「ドイツ トラベル辞典」(郁文堂)
ドイツを旅するために必要な知識(切符の買い方、乗り物の乗り方、郵便局の使い方、ホテル・レストランでのマナーなど)が詳しく載っていて、ドイツへ行く前の予習に役立ちます。

●「ヨーロッパカルチャーガイド2 ドイツ ジャガイモとビールと世紀末」(トラベルジャーナル)
ドイツ文化について、ユーモアを交えた文章で紹介している本です。紹介と言うよりもむしろ「分析」と言って良いくらい、細かな所まで書いてあります。これを読めばドイツに対する理解がきっと深まると思います。

授業でよく使う文法用語

 必ずしも事前に覚えておく必要はないですが、知っていれば最初の試験や授業で役に立ちます。先生がよく口にしますから。

●Nominativ ,Genitiv 1格、2格 (ただし2格は授業であまり扱わない。)

●Dativ ,Akkusativ 3格、4格 (これはほんとによく使う。)

●Nomen ,Pronomen 名詞、代名詞

●maskulin ,feminin 男性、女性

●neutral ,plural 中性、複数 (名詞の性についての単語)

●Praposition 前置詞

●Verb ,Modalverb 動詞、話法の助動詞

●Passiv ,Perfekt 受身形、完了形

●Infinitiv 不定形

●Prateritum 過去形

基本としてはこのくらいですが、授業では他にも色々な文法用語が出てきます。まあ、よく聞いていれば分かるし、何だか新鮮に感じられて面白いです。

今回の活動にかかった費用

語学コース+
ホームステイ料金 158,400円
航空券代 234,000円
留学中の食費、電車代、他雑費 72,000円
計 464,400円

 今回行ったデュッセルドルフ大学の語学コースは、日程が2週間単位で組まれていたせいか少々割高でした。1ヶ月単位の他大学ならもっと安く上がります。また、私立の語学学校は高いです。

 航空券は土曜発で土曜着の便を選んでしまったので、2万円高くなりました。ドイツへの直行便だったので20万円台になりましたが、経由地を増やせば10万円台前半のものからあります。

 1ヶ月の語学留学なら、総費用は30万円台後半から40万円と見て良いでしょう。