法学部

【活動レポート】桑田 仁美 (2003年入学・法律学科)

活動データ

・”Studying English in London 2004”
ロンドンの語学学校で英語を学ぶと共に、ロンドンの文化・生活様態を知る。

・風景の美しいヨーロッパでスケッチをする。

・2004年2月8日~3月5日、ロンドン
3月6日~3月11日、パリ

・2003年度後期選考(英語分野)

活動日程

・2月8日 成田発―ロンドン着

・2月9日~3月5日
月~金 9:00~13:00 語学学校
土・日 ロンドン市内観光など

・3月6日~3月10日 パリ市内観光

・3月11日 成田着

活動概要

はじめに

今回留学することの第1の目的は、100%英語浸けになることによって、英語力(特に会話)を強化すること。第2の目的は、ロンドンの空気に触れ、直に文化や、その国の人々を知ること、といった見聞的意図。第3には、美術に興味があるので、美術館を訪問したり、自分でも街をスケッチしてくること。これは、語学学校終了後にパリに立ち寄る理由でもあった。
 私が、イギリスの美しい片田舎を選ばず、敢えてロンドンの“本当の”中心部を選んだのは、日本における東京がそうであるように、ロンドンには多様な種の人々が集まってきていると思ったからだ。それに、元々私はイギリス全体というよりも、ロンドンという都市に特に興味があった。何故かと問われて明確に答えられる訳ではないが、何か漠然とした思いがあった。強いてあげるなら、それは昔見た映画の影響かもしれない。とにかく私は、ロンドン中心部にこだわった。

そんな制限の中見つけたのは、Leicester Square School of English。比較的少人数(最大12人で平均8人)で、時間割もぴったり。それからスタッフの対応の良さが決め手だった。
 また、私は、一ヶ月間の留学後、フランスのパリに立ち寄った。ロンドンと似て非なるパリという街を見たことは、2つの文化の違いをはっきりと感じ、比較することができて貴重な体験となった。歩いて廻れるほどの街の大きさ、便利な交通網といった共通点。だが街の様子は全然違う。何がこの違いを生むのか、とても興味深かった(おそらくその大きな部分を占めるのは天候だと思う・・・)。

ロンドンでの生活

ロンドンでは、Irishの家庭にホームステイした。ホストファミリーは、老夫婦とその息子の3人で、たまに近所に住む息子や娘、そしてその子供たちがやってくることもあった。私の来た一週間前からアルゼンチン人のローラ、一週遅れてロシア人のジョシア、と私の他にもこの家庭には2人の留学生がステイしていた。ローラは、私の語学留学生像の固定観念を覆すほど年の離れた女性であったが、毎朝一緒に地下鉄で通い、とても仲良くさせてもらった。ジョシアは、ロシアの大学で法学を学び、将来弁護士になることを夢見ている点で、私と似ていた。
 朝食は、シリアルとトーストに紅茶。夕食は、いかにもイギリス!といったポテトを中心とした温野菜が多く、またホストファミリーと一緒に食べるのではなく、帰ってきた時間に合わせて温めて出してくれるといった方式だった。だが、ホストマザーは話し相手になってくれたし、金曜日の夜などは一緒にテレビのバラエティ・ショーを見たりした。
 イギリスといえば紅茶、というイメージがいまだに根強いが、私のホストファミリーもよく紅茶を飲んでいた。私も紅茶は大好きなのだが、ホストマザーには苦すぎて飲めないという緑茶(以前この家庭にステイした日本人学生がお土産に持ってきたもの)の処理を任され、食後は緑茶を出してもらっていた。ちなみに、私はお土産に、カステラ(甘いので大好評)と祖母手作りの手鞠を持っていった。
 さて、昼食は自分で調達しなければならなかった。初日は右も左も分からなかったので、学校付近のファースト・フードで済ませたが、それからは大抵サンドイッチを買って食べた。家では温野菜ばかりだったので、生野菜が食べたかったからだ。日本で一般的に売られているサンドイッチよりも大きく、パンもライ麦入りなどで食べ応えがあったが、どこで買っても薄味な気がした。サンドイッチは、サンドイッチ専門店、カフェ、駅の売店、街中の売店など様々な場所で購入したが、その中で気付いたのは、売店の店員は皆、アラブ系の移民だということである。イギリスは、まだまだ階級社会で、移民はある程度決まった職にしか就くことができないと聞いていたが、まさにそれを肌で感じたのだった。他にも、ベーグルやパスタを扱うイタリアン・カフェでは店員の間でイタリア語が飛び交っていたりと、ロンドンにはたくさんの移民が暮らしていることが分かる。地下鉄に乗っていれば、必ず英語以外の言語を耳にした。パリでは、逆に、街行く人は殆ど皆フランス語を話していたように感じた。

語学学校

私の通った語学学校は、映画の街として有名なLeicester SquareのChina Townの中にあった。初日は、簡単な文法問題とインタビューを受けてクラスを決められ、早速授業に参加した。クラスのレベルは、Upper-intermediateで、一日4コマ(General English : 3 h, Conversation : 1h)の授業を受けた。授業は、プリントが配られ、テーマに沿って話し合ったり、文法を絡めたゲームをしたりと様々であった

Crime関連のテーマも多く、法学部生としては興味深く面白かった。Death Penaltyについて、国ごとに自分の国ではどうかを話すこともあれば、少年事件の新聞記事を読んで、判決をどう思うか、少年に刑罰を与えるべきかなどペアで話し合うこともあった。また、manslaughter(過失致死罪)、custody(拘置)などの語彙は、新聞を読むに当たって大変役に立った。(地下鉄の駅ではタブロイド版の日刊新聞METROを配っていて、毎朝通学中に読んでいた。殺人事件など物騒な記事が多く、こういった語彙が良く出てくるのだ。)Oxford Universityの法学部生が扱う事案もやった。
 先生はよく変わった。一日3人の先生に習ったこともそうだが、先生が休んで代わりの人が来たり、週ごと変わったりと、合計で10人近い先生に習った。それぞれに違う手法で授業を行っていたが、どの先生も楽しい人が多かった。しかし、長くこの学校に通っている人曰く、3ヶ月前はもっと良い先生が多かったらしい。給料が安いせいで良い先生がどんどん去っているとぼやいていた。
 1~3コマのクラスメイトは、最初の週はMAXの12人で様々な国籍の人がいた(日本、中国、韓国、トルコ、ロシア、ポーランド)が、週が進むにつれ、国に帰ってしまったりと、どんどん少なくなっていった。1コマ目のクラスは朝早いせいか、一番少なくて3人しか出席していないこともあり、超少人数でじっくり学ぶことができた。4コマ目(会話のクラス)は、先生もずっと同じ人(なんと彼女はアメリカ人だった!Boyfriendがイギリス人だからロンドンに暮らしているそうだ)で、クラスメイトのレベルも高かった(国籍:日本・グルジア・フランス・ポーランド・韓国・中国)。こちらは、週が進むにつれクラスの人数が増えていったが、私以外は皆流暢だったせいか、増えることでよりエキサイティングな授業になり楽しかった。どちらにしろ、全員私より年上であった。会社を休んで学びに来た人や、大学卒業後の就職前に来た人、夫の転勤で来た人など様々である。
 実は4コマ目の会話のクラスはコースを始めて一週間経ってから一度変更してもらった。1~3コマのクラスはUpper-intermediateであったが、会話のクラスが最初Advancedに何故か入れられ、あまりに喋られなかったからだ。(授業内容もConscientious Objectionなど兵役のない国に住む私には難しかった。言いたい事さえ思いつかないのは致命的だった。)とはいっても、変更後のクラスもレベルの高いクラスだった。しかし、和やかなクラスで、すぐに溶け込むことができた。私のように、一ヶ月やそこらで帰ってしまう人は少なく、割と皆長期滞在しているようであった。期間を定めていない人も多くいた。都会のごみごみしていて他者に干渉しない感じが好きな、私のような特異な(?)人間を除いては、ロンドンは長期滞在には向かない気がする。物価の高さはクレイジーだし、息抜きに出かけず、ただ毎日学校に通うだけなら気が滅入る街だ。(実際学校に通っているだけでそのまま帰宅してしまう勉学熱心なトルコ人女性は、ロンドンが嫌いだとよくこぼしていた。とても魅力的な街なのに、残念である。)

午後の活動

授業は午後1時に終了したので、昼からは毎日どこかしらに出かけていた。Application Formにも書いた通り、ロンドンには沢山の美術館や博物館――その多くが無料ではいることができる――があり、名画や名品を鑑賞した。おそらく入館料が無料であるために、先生につれられた小学校低学年くらいの子供たちが、よく床に寝転んでは模写をしていた。幼い時からこうした教育を受けることができるなんて、なんと素晴らしいことだろう。作品の前に数人の子供が寝転がっているので、他の客には少々迷惑だが、ロンドンのアート市場を支える感性が育まれているのかと思うと感慨深い。

裁判傍聴

美術館めぐりの他に、もう一つどうしてもやりたいことがあった。それは裁判傍聴である。本当に、裁判官達はいまだにクラシックなカツラを被って裁判を行っているのか確かめたかった。(もちろん、裁判傍聴自体が好きだし、海外の裁判制度を実際に見たかったので悪しからず・・・)
 ロンドンには2つの大きな裁判所がある。The Royal Courts of Justice(王立裁判所)とCentral Criminal Court, 通称Old Bailey(中央刑事裁判所)である。王立裁判所で、最初に見た会社の金についての民事裁判は、普通のスーツ姿の裁判官と弁護士が2人だけで話をしていて、裁判官の口調が妙にラフに感じた(楽しそうにさえ感じた)。カツラを被らず、法服も着ていないのでがっかりしたが、法廷の内装の豪華さに感動した。とても参照するとは思えない古い法律書が、壁中を覆っている。また、裁判官の背後には英国紋章のレリーフが掛けられていた。建物自体もゴシック様式の教会のようで素晴らしい。こんな場所で実際裁判を行うことができるなんて、どれだけ気持ち良いことだろう。
 0の数が多そうな金額を早口でまくし立てるその裁判は、途中から見たせいもあってよく分からなかったので、早々とCourtを後にした。廊下を歩いていると、例のカツラやガウンなどが展示してあるホールに出た。こんなものがある位だから、見学者は多いのだろうか。当然入場料はなく、カメラを預けるのに50pかかるだけだから、絶対に見学する価値がある。
 また歩いていると、今度はちゃんとカツラを被って裁判をしているCourtを見つけたので入った。先程見た法廷には、裁判官・弁護士・書記官といった必要最低限の人数しかいなかったが、今回は証言台にも人がいて、検事らしき人としきりに話をしていた。傍聴席にも関係者がいて断然法廷らしい。内容は、会社の金を横領した事件のようであった。
 Old Baileyは厳しい。まず荷物は全く持ち込めないので、近くの商店に預けねばならない。(旅行代理店に預けると£5もとられた・・・)そして、傍聴も自由に法廷に入れるわけではなく、席が空いている法廷に誘導されるので、どんな事件が見たいかを選ぶことはできない。しかも、傍聴席はバルコニーで、上から見下ろすようになっているので、私が座った2列目からは見え難かった。

私が見たのは、赤ん坊を落として殺してしまった事件の裁判であった。被告人が英語を話せない外国人だったので、通訳がいた。傍聴席の正面には、12人の陪審員が2列になって座っている。相変わらず、法曹はカツラ着用だが、女性書記官もカツラを被っていて、女性もやはり被るものなのか・・・と驚いた。とはいっても、性別問わず違和感が否めない。彼らの服装を見ていて、黒い法服の背中に、何か小さな袋状のものがついていて、一体何なのだろうと思い調べてみたら、どうも昔はそこに報酬を入れていたらしい。Old Baileyの法廷内は比較的新しく王立裁判所ほどの感動はないが、建物自体は古く、ドーム上の屋根に立つ黄金の「正義の女神像」が素敵である。裁判傍聴のほかにも、法律に関する建物を廻った。イギリスには現在、4つの法学院が残っている。その内の2つLincoln’s Inn, Gray’s Innに訪れた。他に、Staple Innにも行った。どこも庭園がある。Gray’s Innの庭園が一番美しかったが、丁度閉園の時間に行ってしまったので、入ることができなくて残念だった。

活動の成果

活動成果

まず、General Englishのコースを取ったので、当初法律関連の英語を期待していなかったが、割と扱ってくれたことが何よりも良かったし、興味深かった。
 ロンドンということで、クイーンズ・イングリッシュを身につけようと意気込んでいたが、特に綴りを訂正されるというようなことはなかった。ケンブリッジへのexcursionで一緒になった日本人の女子大生の語学学校では、アメリカ式に書くと訂正されると言っていたので、学校によりけりなのだろう。発音の方も、矯正されなかったので、自分から真似するようにしていた(canを「カン」と発音するとイギリス英語っぽく聞こえる…)。

さて、いまひとつ英語力が上がったのか分からないまま帰国したのだが、日本に帰ってから家にあったイギリス映画のビデオを見ていたら、セリフが一語一語聞き取れるようになっていた。また、CNNをつけても、以前より断然聞き取れるようになった。一ヶ月英語に浸かっていただけのことはあったようで安心した。そして、毎日英文に触れていたおかげか、TOEICのReading部のスコアもかなり上がった。
 ちなみに、スケッチの方はというと、冬のロンドンでスケッチなどするものではない!という程で、折角2冊スケッチブックを持っていったのに、あまり枚数描けなかった。寒すぎるのだ。カイロを手に持ちながらであっても、かじかみ具合がひどく、所要時間が10分やそこらであっても、必ず死んだような手になった。雨やあられがぱらぱらと降って来ることもあったので、美術館の中でスケッチしたのが一番快適かつ楽しかった。

感想

ある程度の期間、異文化に触れることができたことは、私にとって大変プラスになった。イギリスという国の特殊性――新しいものと古いものが混在・調和している――は、とても刺激的であった。だが、それと同時に、イギリスは日本と似ているという印象も強く受けた。左側車線から、シャイな人間性までよく似ている。特にロンドンという街は、交通の発達具合や気候まで東京とそっくりであり、初めて来たという感じがしなかった。ロンドンの若者たちの、周りを気にせず自分がしたいように生活している様は、私に合っていて、物価が高いことを除いては暮らしやすい街な気がした。だからすぐ馴染むことができた(ロンドンにいて2回も道を聞かれたのは、馴染んでいた証拠かもしれない・・・)。
 すでに上でも書いたが、ロンドンとパリの2都市を同期間内に見たことは、国民性の違いをはっきりと感じることができて面白かった。もちろん、語学学校には世界各国から来ていて、それぞれ国民性の違いがあるのだが、ロンドンとパリは街の構造が似ているので、比較しやすく、しかもイギリス人とフランス人はあまり仲がよろしくない、ということもあって、観察対象には不足なかった。
 それに、事務手続き(駅や銀行、店など)以外で現地の人とおしゃべりしたのは、断然パリであり、思いの外英語を使う機会に恵まれた(フランス語は聞けばなんとなく分かることもあるが、当時全く会話の勉強をしていなかったので、話すことはできなかったからだ)。フランス人は英語を話したがらないなんて絶対嘘、あるいは昔の話だ!と思う程であった。コミュニケーションの楽しみを体験できた点で、パリに寄った甲斐があったというものだ。パリ旅行は純粋に楽しかったし、日本国内でさえ一人旅をしたことのない私が、ホテルも自分で手配して、旅行日程もひとりで練って・・・という行程を経たので、達成感を得ることができた。

ホームシックなんて一度もかからなかった程、楽しく充実した一ヶ月であった。自分の話す力の乏しさを痛感したが(何故か私の場合、頭の中で相手の英語が日本語のセリフに吹き替えられてしまって逆に英単語が出てこないようだ;)、その分、今後も英語の勉強を続けていこうという意欲につながった。英語分野で奨学金をもらって留学したので、こういうのもおかしな話だが、フランス語ももっと話せるようになりたいと思ったので、全体的に語学への勉強意欲が高まったと言えよう。
 それに、自分で全て準備・手配して実行したことは、「やればできるのだ」という自信がつき、やる気応援奨学金の趣旨通りの成果を生むことができた。

どのように将来に生かしていくか

やはり、日本だけに閉じこもるのではなく、世界を相手に発信していきたい。
 弁護士志望は変わらない。いままで、漠然と弁護士になりたいとしか思っていなかったので、どういった弁護士を目指すかの目標を定める、その材料になれば良いと思う。
 今の時代、英語は出来るのが当然で、さらに+αの言語ができねばならないと聞く。とすれば、英語に関しては何の心配もないと自信を持って言えるように、これからも精進したい。
 また、イギリスの裁判制度を見学することができたことも大変有意義であった。刑事裁判では、12人の陪審員を実際に見ることができたし、伝統を重んじる法廷の様子は、歴史的背景を調べたいと思う程、日本の法廷とはかけ離れていて、興味深かった。権威主義的だと批判もあるようだが、伝統を大切に後世に伝えて受け継いでいくイギリスならではで良いと思う。

その他

後輩達へのアドバイス

今回の留学体験について、ウェブサイトを作ったので、これから奨学金を利用しようと考えている人に参考にして欲しい。Application Form提出までの詳しい経緯(日記)もあるので、まず何からやったらいいのか分からない方に。http://kuwada.fc2web.com/index.htm
 何事も、分からない事ははっきりさせなければ気が済まない性格のせいか、語学学校に対してはもちろん、パリのホテルから、果てはリソースセンター、ないし法学部事務室へも質問をぶつけまくった。これから、留学を考えている方も、聞くのはタダなのだから、分からない事は積極的に尋ねて欲しい。道に迷った、というような日常的なことにおいても然りである。
 あと、重要なことは、好奇心旺盛であることだ。色んなことに興味を持つことは、それだけで視野を広げ、自分だけの思い出作りができると思われる。折角の機会なのだから、一日一日を大切にすべきである。またそのためには、ある程度の計画性と実行力が必要である。この奨学金を応募することによって、そうした能力も自然と身につくだろう。
 そして、前述の通り、語学学校の授業では、自分の国ではどういう制度なの?といったことを答えなければならない機会が多かった。私は雑学的知識だけは多いのでなんとかなったが、広く浅くで良いから様々な分野に普段から目を向けていくことが重要だと思う。

準備・情報収集について

リソースセンターで過去の活動報告を読んで、奨学金に応募することを決めたものの、何から始めたらいいのか、さっぱり分からなかった。斡旋会社が多数存在するのに、全て自分で手配することなんてできるのだろうかと不安になった。
 取り敢えず、地元の図書館から『成功する留学 イギリス・アイルランド語学留学』(地球の歩き方編集室)を借りてきて熟読することにした。1クラスの人数や国籍分布、実際に通った人の体験談が載っていて参考になった。なんといっても、個人手配を前提としていて、その手順が載っていたことが、右も左も分からない私には大きな助けとなった。
 しかし、実際の学校探しは、インターネットで行った。いまや学校がOfficial siteを持っているのは当然の事となり、入学手続きもオンラインでできるのだ。
 英文メールの正しい書き方さえ知らなかった私だったが、語学学校とのやりとりを通して、次第に慣れていくことができた。何校もの学校に問い合わせ、分からない事はその都度メールした。パリのホテルを取るのにも何回も英文メールを作成したので、今回の留学に当たって可也の数を書いた計算になる。
 複数の学校を比較検討、メールしても返事の遅い学校もあり、学校の決定は困難を極めた。結局、奨学金のApplication Formの提出期限の前日まで学校からの返信待ちといったぎりぎりの状態で応募することになってしまった。運が悪かったとしか言いようがない。

航空券について

航空券もインターネットで申し込んだ。格安航空券を扱っているサイトはいくつもあるので、○ヶ月FIXに注意しながら選ぶと良い。私は、パリに立ち寄るために直行便でなくエール・フランスにした。どこにも寄り道しないなら、断然直行便が楽で良いと思う。ロストバゲージの危険性も低い。

イギリスへの入国

イギリスは入国審査が厳しいことで有名だ。入国目的は当然聞かれるし、滞在先や帰りの航空券も提示しなければならない。日本では何をしているかを聞かれ、大学生だと答えると、何を学んでいるのかまで聞かれた。1ヶ月の滞在だったせいか、持ち金は聞かれず、銀行残高証明も必要なかった。

 最後に、すべての支えてくれた方へ、本当に貴重な体験をする機会を与えて頂けたことに感謝いたします。

以上