中央大学法学部では法学部に進学する附属高校生に向けて、入学前教育プログラムを実施しています。本プログラムでは、附属生の入学後専門教育への円滑な移行を促進させるともに、法学や政治学に触れることで法曹についても理解を深めることを主な目的としています。そこで、2月1日、2日には、プログラムの一環として、法学部教員による講義を実施し、附属4校からおよそ300名の参加がありました。
<実施内容>
2月1日
●遠藤研一郎
“もし父(母)親が怪しい団体にハマって多額の寄附をしたら?―宗教、家族、財産、そして法―”
●曲田統
“刑法の第一歩”
2月2日
●古賀光生
“民主的に決める」とはどのようなことか?”
●橋本基弘
“法を学ぶことと感覚-憲法の問題を素材にして―”
●附属高校卒業生による講話
●確認テスト(オンラインで実施)
1日目の1コマ目に登壇した教授・遠藤研一郎からは、4月から大学で学ぶ為の心得として、「附属生としてプライドを持って大学4年間、自分の青春を賭けて打ち込む目標を決めること」、「入学後もぶれない気持ちを持つこと」とアドバイスをしました。
次に登壇した教授・曲田統は、冒頭に「いろいろな未来が待っている。それをどういう風に構築していくかは皆さん次第です。」と述べ、入学後に講義を受ける方法の一つとして自分で書いて身に着ける『書くことの大切さ』を説きました。講義では刑法の基本原理、性質について、高校生たちは「刑法の第一歩」の学びに触れました。
2日目の1コマ目に登壇した准教授・古賀光生は、「政治学は何の役にたつのか?この答えとして唯一の正解はない。しかし常にこの問について考えていないと答えることができない。皆さんと一緒に真摯に一緒に考える時間にしたい。」と講義をはじめました。
『なぜ法学部に政治学科があるのか?』という問いから、各国の政治制度の違いから生じる社会への影響について触れる等、社会では法学と政治学とが密接に関わり合っている観点から、法学部で政治学を学ぶ意義について説明がありました。
最後の登壇となった教授・橋本基弘からは、「法律学は最も才能を必要としない学問である。普通の人が普通に努力をしたら誰でも一定の水準になれるのが法律学。最初はわからないことが多いが、続けて学修することにより、4年後には必ずある程度の水準になれるので頑張って欲しい。」とし、法律を学ぶにあたっての心得として「感覚を磨いて欲しい。そのあとに理屈を鍛えて欲しい。」とエールを送りました。
2日目の最後には、附属高校を卒業し現在法学部4年に在籍している、2名の先輩学生が、自身の大学生活や卒業後の進路に向けてどのような準備をしたかなど実体験を語りました。
なお、プログラム終了後に希望者を募り、少人数でより深く学ぶ場として選抜ゼミを行う予定です。
教授・遠藤研一郎が初日の1コマ目に登壇した。
茗荷谷キャンパス特大教室1W01教室で実施