国際情報学部

国際情報学部の授業において、総務省から講師をお招きし、講義が行われました

2020年12月10日

2020年12月8日、国際情報学部_iTL_の授業科目「情報政策ワークショップ」(担当教員:本学部教授 石井夏生利、特任教授 景山忠史)において、総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第二課長 小川久仁子様をお招きし、「インターネット上の違法有害情報への対応」をテーマとした講義(オンライン)が行われました。

本科目は、競争政策と消費者保護、違法有害情報、サイバーセキュリティ、データ利活用促進といった大きなテーマの中から最新の事例を取り上げ、政策担当省庁の担当者も招いて政策立案の現場の動きを実際に聞きながら、現在の我が国における政策決定プロセスを踏まえ、どのような選択肢があり、何が実現のための課題であり、解決するための条件は何かなどについて考察します。

本授業では、過去にも、「情報」に関する政策の立案に携わってきた有識者をお招きしています。
・11月19日_国際情報学部の授業において、政府CIO補佐官を講師にお招きし、講義が行われました
・10月22日_国際情報学部の授業において、個人情報保護委員会事務局から講師をお招きし、講義が行われました
・10月2日_国際情報学部の授業において、内閣官房及び内閣府から講師をお招きし、講義が行われました

SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)は、若い世代を中心に、幅広い世代に利用されている情報サービスのひとつです。スマートフォンとそのSNSのアプリがあれば、自身の考えを匿名で容易に世界に発信することができますが、その匿名性と容易さゆえに、SNS上での他者とのトラブルや権利の侵害を引き起こす事例が発生することもあります。直近では人気バラエティ番組の出演者がSNSでの誹謗中傷を苦に自殺に追い込まれたとされる事例もありました。このような昨今の状況も踏まえ、総務省「プラットフォームサービスに関する研究会」からは「インターネット上の誹謗中傷への在り方に関する緊急提言」が発出され、総務省として「インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ」を公表しています。

今回の小川様からのご講義では、この緊急提言及び政策パッケージの概要説明に始まり、とりわけ、当該政策パッケージにおける3つ目の柱である「発信者情報開示に関する取組」について、法改正による制度整備を含む「発信者情報開示の在り方に関する研究会」における検討経緯や最終とりまとめの内容を中心に解説していただきました。

SNSは学生にとっても身近な情報サービスであり、小川様の講演後には、リツイート機能等によって罪の意識なく誹謗中傷に加担してしまった利用者や所謂「捨てアカウント」への対応に関する質問等、複数の質問があがり、学生の関心の高さがうかがえました。

本科目の履修者は、今回の講演で得た知見と関係資料をもとに、次回以降の授業の中で、ネット上の違法有害情報対策に関する政策案についてディスカッションし、政策案の立案を行います。立案した政策案は、授業内で発表し、政策立案に携わってきた講師からの講評を受けることで、より実務的な政策立案能力の涵養を目指します。

iTLでは、本科目のみならず、発展著しい情報技術を活用したサービスを安全に社会に実装するために必要な「情報の法学」の知識を教授する科目を多数設置し、安心・安全な情報社会の構築を目指す学生の教育とその未来を担う人材の輩出に努めてまいります。