• 中央大学で学びたい方
  • 在学生の方
  • 保護者の方
  • 卒業生の方
  • 一般・地域の方
  • 企業・研究者の方

生命科学科・専攻
シラバス(講義要項)

21世紀、人類は、エネルギー・環境・食料・人口といった地球レベルの諸問題や、高齢化・少子化・健康と医療といった社会レベルの諸問題に直面しなければなりません。生命科学科の教育は、分子生物学的教育に軸足を置くものの、上に述べた諸問題の本質を理解し、解決への提案ができるような人材の育成を目指しています。すなわち、生命科学の新たな知識と技術を学ぶのと平行して、地球人としての一般教養を身につけることができるようなカリキュラムを、生命科学科では準備しています。以下に、授業内容の幾つかを紹介します。

生命科学英語1・2

最新の生命科学の情報は国際誌から得られることがほとんどです。一年次から生命科学に関する英語教材を精読することで、生物学の基礎的な概念や専門的な用語を英語で習得すると共に、学術論文を読むための基礎的な英語力を養うことを目的に、この教科が作られました。教員一人に対して学生が10人以下という少人数教育を行うことで、英語の学習法の指導のほか、生命科学のトッピックスや、学生の将来の進路などについても話題とするなど、教員と学生とのコミュニケーションの場ともなっています。

情報処理実習1・2

情報化社会の現代においては、コンピュータを使いこなすことは現代人の「読み・書き・算盤」にあたるといってよいでしょう。文章を作成したり、図を作ったり、計算処理をしたりという操作をコンピュータなしで行うことは、今日では考えられません。情報処理実習1では、コンピュータを使った、現代の読み・書き・算盤を学びます。それに続く情報処理実習2では、生命科学における情報処理を学びます。今日、さまざまな生物の遺伝子の配列情報は絶え間なく巨大なデータベースに蓄積され、爆発する情報量の中から有益な情報を人間の目で見つけるのがほぼ不可能になっています。さらに、遺伝子情報に限らず、mRNAの発現情報、タンパク質の構造情報、細胞内の代謝物情報などが、解析機器の発達によってすばやく手に入れることができるようになりました。このようなテラバイトを越える多大の情報から、手に入れたい有用情報を抽出するためには、既製のソフトの活用のみでは全く不十分です。よって、本実習では、プログラミング言語の初歩を併せて学び、バイオインフォマティクス研究の基礎を理解します。

基礎生物学1・2

高校で生物を十分に学ばなかった学生も生命科学科に多く進学してきます。高校生物ⅠおよびⅡの未履修者や、履修しても理解が不十分ではないかと心配している学生に対し、大学での生物教育に必要な基礎知識を習得させるため、基礎生物学1および2を、選択科目として配置しています。

生体エネルギー論

植物や藻類は、光合成反応によって太陽の光エネルギーを捕獲しますが、この光合成反応こそ、生命現象を行うための最大のエネルギー供給源です。光合成を行わない生物のほとんどは、生命活動を維持していくために有機物をエネルギー源として利用し、呼吸は、そのエネルギー獲得形式の代表的なものです。本教科では、この多様なエネルギー代謝について、熱力学、代謝経路、あるいはエネルギー変換の分子装置といった観点から学んでいきます。

地球環境・生態学

惑星・地球の大きな特徴のひとつは生物の存在です。この教科では、まず生物が生息できる環境としての地球の特徴を学びます。生物の棲み家である環境とそこに生息する生物とは、お互いに作用し合って今日の地球環境を作り上げできました。すなわち、環境は生物の生活様式や進化に影響し、逆に生物は環境を作り、また壊していきます。ヒトだけが環境の破壊者ではないのです。このような、生物と環境とからなる集合、すなわち生態系の中でを生物が生存し続けるための仕組みと法則性を理解したうえで、近年の人間活動が生態系におよぼす影響を知り、地球生態系の永続に必要なことを考えていきます。

脳・神経科学

ヒトをはじめとした脳・神経系を発達させた生物は、常に変動する外界からの情報を処理し、それに適応して機能を柔軟に変化させることにより、次に来た刺激に対してより効率的に反応することができます。このような高度な情報処理機能の基盤となる神経細胞について、細胞膜の興奮性の成り立ちと制御、ならびにその伝播などを勉強します。また神経細胞同士のコミュニケーションの場であるシナプスの伝達機構、活動依存的な制御機序、およびそのシグナル伝達系に関しての理解を深め、記憶・学習など脳高次機能のモデル系とされるシナプス可塑性についても考察を加え、脳神経系の機能制御についての俯瞰的理解を目指します。

ヒューマンバイオロジー

近年、テクノロジーの進展は医療や食料等の領域にも及び、多大な恩恵を人々もたらす一方、脳死・臓器移植問題やウシ海綿状脳症問題など、負の影響を社会に与えることも明らかとなりました。このような問題をどう考えるかの手がかりを与える目的で、生命科学と社会の関係を学ぶ教科、ヒューマンバイオロジー、を配置しています。この教科では、バイオロジー・バイオテクノロジーと社会の関係を、技術論や文明史的観点、社会学・倫理学的観点からとらえ、「ヒューマン」な生命科学のあり方について見識を深めていくことを目指します。

卒業研究

卒業研究は、3年次までに講義、演習あるいは学生実験によって培ってきた生命科学全般の知識をもとに未知の問題解決能力の向上のために「問題の正確な認識」、「実験・解析技術」、「結果のまとめ方」、「発表法」などを修得し、その成果を卒業論文として提出するものです。卒業研究は、学生の希望をもとに各専任教員が担当し、計画の立案、実施、報告などについて、マンツーマンの指導のもと、教科書に書かれていない新たな発見を目指して研究を行います。