経済学部
経済学部長挨拶
後藤 孝夫 中央大学経済学部長
中央大学経済学部(当初名称は経済学科)は1905年に設立され、1885年創立の中央大学内で2番目に長い歴史を持っています。経済学部では、本学の建学の精神である「實地應用ノ素ヲ養フ」を現代社会の変化に柔軟に対応させつつ、経済学科、経済情報システム学科、国際経済学科、公共・環境経済学科の4学科体制で研究・教育を推進しています。
経済学は、社会と密接に結びついた学問です。中央大学経済学部の最大の特長は、マクロ・ミクロ経済学やマルクス経済学といった複数の「理論」、日本および諸外国の経済と経済学の「歴史」、経済を支える「制度」、そして実社会をより良くしていくための「政策」を、バランスよく学修できる点にあります。このバランスの取れた学びを実現するため、4学科体制のもと、各学科に2つずつ、計8つの「クラスター」と呼ばれる科目群を設けています。具体的には、経済総合とヒューマンエコノミー(経済学科)、企業経済と経済情報(経済情報システム学科)、貿易・国際金融と経済開発(国際経済学科)、公共と環境(公共・環境経済学科)です。学生は関心のあるクラスターを選択し、履修系統図に基づいて学修を進めることで、自身の専門性を高めながら系統的な学びを深めていくことができます。
現代の複雑な社会において、確固たる知識基盤を築き、健全な人間形成を目指す上で、外国語、健康・スポーツ、総合教育の科目群は重要な役割を果たします。これらの科目を多面的にかつ主体的に学修することを通じて、学生はコミュニケーション能力、論理的思考力、幅広い教養、そして批判的精神を身につけることができます。同時に、そうした学びは、先見性や、自ら問題を発見し解決する能力の醸成にも繋がります。
中央大学経済学部では、教職員一同が協力し、「ゼミナール」「グローバル人材育成」「キャリア教育」の3つを柱に教育を実践しています。なかでも、これらの軸となるゼミナール教育を特に重視しています。ゼミナールでは、教員の研究成果を学生の教育に還元し、そこで得られた専門的知見を、国内外のさまざまなフィールドで実践・応用していきます。
このプロセスを通じて、学生のみなさんの探求心を「社会人として必要な力」へと昇華させることが、私たち教職員の目標です。こうした教育実践は、建学の精神である「實地應用ノ素ヲ養フ」と、それを現代に活かすユニバーシティメッセージである「行動する知性。-Knowledge into Action」を、文字通り体現するものに他なりません。
近年では、入学前から始まるさまざまな高大連携教育プログラムにも注力し、経済学部で学ぶための基礎と意欲を早期から育むことにも取り組んでいます。このように、入学前教育とゼミナール教育を軸とした経済学部の教育、そして社会へと一貫してつなぐ「高大社接続」教育の強化を進めています。
学生がこうした学びに安心して臨めるよう、経済学部では各種サポート体制も整えています。中央大学の奨学金制度とは別に、経済学部独自の「給付奨学金」制度も拡充させており、留学、資格取得、ボランティア、社会貢献といった学生の夢の実現を後押しします。
そして、これまでの取り組みを一層強化し、現代の複雑な社会課題に対応できる人材の育成という社会的要請に応えるため、中央大学経済学部は「シンカ」します。2027年4月、現行の4学科を経済学科と社会経済学科の2学科(設置構想中)に再編します。新設の2学科では、経済学の体系に基づく2つの系統的カリキュラムにより、高度な専門知識の修得を図ります。
経済学部は、「本物と出会い、本物になる。未来を創る中央の経済」というキャッチフレーズを掲げています。これは、社会のいかなる場所でも信頼され、力強く活動できる「未来を創る若者たち」を育てたい、という教職員一同の共有する想い・願いの表れです。
みなさん一人ひとりが、「冷静な頭脳と温かい心」を持ち、そして批判的精神を併せもった、社会に貢献できる人材となることを、心より期待しています。
中央大学経済学部長 後藤孝夫



