経済学部

経済学部教授 佐々木創が、UNEP主催のワークショップにて、ゼミで実施したアンケート調査等の結果に基づく政策提言について報告しました

2023年03月14日

2023年3月9日、国連環境計画(UNEP)が主催した “Promotion of Community Resilience Against Plastic Pollution and Climate Change in the Mekong River Basin(メコン川流域におけるプラスチック汚染と気候変動に対するコミュニティのレジリエンスの促進)”(※1)に招聘され、佐々木ゼミが昨年実施したグローカル・フィールド・スタディーズ(GFS)のアンケート調査(※2)や科研費等の調査結果(※3)に基づいて、タイにおける廃棄物政策について提言を行いました。

佐々木ゼミでは、グローカル・フィールド・スタディーズ(GFS)によるアンケート調査データをプログラミング言語のPythonを用いて分析し、人々の分別行動を促すには行政の主体的なごみ問題に対する取り組みを市民に認識させることが肝要だという結論を導いたことを紹介しました。この結果は、昨年9月から分別回収実験を開始しているバンコク都の取り組みを評価し、市民の行動変容を把握する調査の仮説として応用できることを報告しました。

 

他方で、未分別のまま廃棄物が埋め立てられ、その埋立地から廃プラスチックを掘り起こして廃棄物固形燃料(RDF)を製造し、廃棄物発電で処理する方式がタイ全土で進みつつあります。しかしながら、この方式では将来的に廃プラスチックの材料リサイクルの選択肢を狭める懸念があることをデータや実態調査から指摘しました。

 

本ワークショップの初日には、廃棄物問題に注力しているバンコク都知事やタイ公害管理局長などが登壇し、プラスチック汚染の関心の高さが伺えました。また、バンコクの分別回収実験を設計したチュラロンコン大学のスジトラ主任研究員と今後のSATREPSにおける共同研究について議論しました。

(※1)Promotion of Community Resilience Against Plastic Pollution and Climate Change in the Mekong River Basin(UNEP)

(※2)タイ・バンコクで街頭調査を実施、約450名から回答を得ました ー佐々木創ゼミ(EconPicks)

(※3)本報告は、科学研究費・国際共同研究強化(A)(20KK0299)、基盤研究(C)(21K12370)、SATREPS (JPMJSA1901)、環境研究総合推進費(S-19-2(2))の成果の一部を利用しています。