経済学部

経済学部&FLP国際協力プログラム林光洋ゼミが日本ユニセフ協会と共同講演会を開催

11月22日(火)3限の国際開発論(担当教員:林光洋)において、日本ユニセフ協会より高円承子さま、村山晴香さまをお招きしての共同講演会が行われました。 経済学部およびFLP国際協力プログラムの林 光洋ゼミ(以下、林ゼミ)が、今年は、「フィリピンにおける児童の栄養改善」というテーマを設定して、開催しました。

まず林ゼミの講演が行われました。栄養不足(消耗症)のみならず過体重(肥満)も「栄養不良」の一面であり、学校での「食育」の実施がこの問題の解決につながるという先行研究が紹介されました。子どもの栄養問題を抱える国の1つであるフィリピンの政策や食育プログラムについての実態調査の結果が報告されました。
日本ユニセフ協会の村山さまはこれを受けて、子どもの過体重が増えつつあるフィリピンの現状と、その原因の1つである食品広告や食品パッケージの問題点をデータや写真で紹介され、地方政府への働きかけなど現地でのユニセフの活動内容を報告してくださいました。

その後は「フィリピンの栄養不良の子どもたちに対して、先進国政府、現地政府、NGOはどのような対応や協力を行うことが必要であり、可能なのか」という問いについてグループワークが行われました。近くに座っている参加者5~6人で1つのグループを作り、それぞれのグループの中でまず自己紹介から始め、その後20分間程度を使って真剣に意見を出し合い、議論をまとめました。結果の発表では、進んで手を挙げるグループも多く見られました。

この共同講演会は毎年恒例のものですが、過去2年はコロナ禍のためオンラインでの開催でした。本年度は3年ぶりに日本ユニセフ協会を多摩キャンパスへお招きして対面で開催することができました。経済学部およびFLP国際協力プログラム4年生の林ゼミのメンバーは6月頃から準備を始め、ユニセフのお二人ともミーティングを重ねて内容を吟味し、この日に至ったということです。

FLP林光洋ゼミ4年生のゼミ長を務める高見澤さんは、「参加してくれる学生の皆さんに関心を持ってもらい、かつ理解しやすい内容や構成にするために、ゼミのメンバーと多くの時間を使い準備しました。当日まで心配でしたが、共同講演会の中に設けたグループワークでは、参加者の皆さんが私たちの設定したテーマ(質問)に対して積極的に話し合い、よく考えられた、アイディアに富んだ、あるいはユニークな回答をしてくれました。内容の細部にまでこだわって共同講演会のプログラムを組んでよかったと思いました。また、グループワークの回答に対して高円さんと村山さんからコメントをいただくことができ、参加者にとっても私たち企画した林ゼミのメンバーにとっても多くを学び、大きな刺激を得る機会になりました。講演会に参加した多くの皆さんに途上国開発や国際協力への関心を持ってもらえたら嬉しく思います」と話してくれました。

また、ファシリテーター役としてグループワークに加わった経済学部林ゼミ3年生のゼミ長、秋山さんは「中央大学の学生の視野の広さをあらためて実感しました。一見静かそうに見える参加者に話を振ると、『過体重の解決として、栄養面だけでなく運動面からもアプローチしてみてはどうか』という意見を出してくれました。私とは違った視点をグループのみんなは持っていて、とても勉強になりました」との感想を寄せてくれました。