経済学部

JR東海の皆様をお招きして講演が行われました。経済学部「交通経済論」の特別講義(第2回)

2022年07月05日

2022年6月24日(金)、経済学部の講義「交通経済論」(後藤 孝夫)において、東海旅客鉄道株式会社(JR東海) 総合企画本部経営管理部の岩﨑 真也さま、石井 佑弥さまにお越しいただき、「JR東海の今後の経営戦略」というテーマで、会社概要、経営戦略の変遷、アフターコロナ戦略のほか、求める人材についてご講演いただきました。

会社概要のパートでは、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念に始まり、行動指針や営業エリア、収益構造、費用構造と低コスト化などのお話が伺えました。JR東海の営業収益はJR各社の中で2番目の規模ですが、運輸収入の90%以上が東海道新幹線によるものということで、「日本の大動脈」を担うJR東海の特色が際立ちました。

国鉄の経営破綻により、さまざまな逆境の中で立ち上がったJR東海。厳しい経営環境の中でも、東海道新幹線という資産をいかに活用していくか、という観点での経営戦略の変遷は興味深いものでした。特に当時から一貫して取り組む安全対策は、安全最優先の文化の醸成にはじまり、脱線防止ガードの敷設、高架橋柱の耐震補強、鉄道設備の浸水対策や多様な訓練など多岐にわたり、安全関連設備投資額の推移などのデータも交えて、丁寧に解説くださいました。
また、現在建設が進むリニア中央新幹線の計画の意義及び効果、計画の進捗状況と合わせて、財務戦略(長期債務の早期縮減、中央新幹線建設のための新たな借り入れ)についても触れられました。

求める人材については、事務、運輸、車両・機械、施設および電気・システムの5つの系統があること、それぞれが専門性を発揮して事業を推進していることを説明しながら「Dear Japan次なる日本の創造」という採用コンセプトに込めた思いや、人材育成の取組みなどもご教示くださいました。

最後に時間をとって、事前に集めていた学生からの質問に、丁寧にお答えくださって講演は終了しました。