経済学部

経済学部「交通経済論」にて、京王電鉄の皆様をお招きしての特別講義が行われました

2022年06月28日

2022年6月17日(金)、経済学部の講義「交通経済論」(後藤 孝夫)において、京王電鉄株式会社戦略推進本部交通・観光企画チームの秋山正晴さん、小野寺雄大さんにお越しいただき、講演が行われました。

登壇された秋山さんは、「京王電鉄を取り巻く環境と 今後の方向性」と題し、京王電鉄の沿革、京王グループのさまざまな事業・直近の取り組みの紹介、コロナ禍の影響と中期経営計画、そしてこれからを見据えた京王電鉄のMaaS(Mobility as a Service、マース)の取り組みについてお話くださいました。

京王電鉄にとっての競争相手は、かつては鉄道他社やバス会社などでしたが、コロナ禍を経て人々の移動・外出機会が激減したことにより、今ではZoomやECなど、オンラインサービスがライバルになっていると秋山さんはお話くださいました。また、沿線住民が高齢化し外出機会が減少していることをはじめとして、街に活気がなくなっていくことを危惧しており、本講演におけるさまざまな事業・切り口からのお話の中で「沿線活性化」という類のワードがたびたび登場しました。

MaaSとは、出発地から目的地までの移動に対して、交通機関単位ではなく、すべての交通手段を「一元的なサービス」としてとらえる概念です。平たく言えば、スマホアプリで目的地を検索した際に、そのルートで必要になる移動手段すべての運賃(利用料)支払いと利用予約を一括で行い、ストレスフリーな移動を可能にしようというものです。
これにより、人々の移動・外出の増加を促し、波及効果で街(沿線)の活力を向上させようというのがこのMaaSアプリの「TAMa-GO」を推進する背景とのこと。「南大沢スマートシティの取り組み」、「西新宿での自動運転バス」、「青梅奥多摩での観光型MaaS」など多摩エリア内外でのいくつかの実証実験をふまえ、豊かで魅力的な「まちづくり」という展望を紹介されました。

後藤先生からは「京王電鉄さんが求める人材とはどのような人か」という質問があり、秋山さんは「人事に携わっていないので個人的見解ですが」と前置きしながら、「いろんな仕事をしていてすごいなと思う人は、好奇心が強い人。知らないことを面白いなと思い、そしてそこからいろんなことをすぐに調べる人。事業環境の変化が早く、競争相手が同業だけではなくなっている時代には幅広い視野が必要なので、ぜひ大学時代を生かして、勉強にかぎらずいろいろなものを学んでほしい」とお答えくださいました。

最後に、学生から事前に受け付けた様々な質問に丁寧にご回答いただき、ご講演を終えました。学生たちにも非常に刺激的な時間となりました。