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2021年07月06日

フェアトレードについて学ぶ。「国際協力論」の公開授業が行われました。

6月29日(火)1時限目の「国際協力論」(経済学部 林光洋)では、株式会社ゼンショーホールディングス フェアトレード部の田中 慶さんと加藤 文菜さんの2人を講師として招き、「世界から飢餓と貧困を撲滅するゼンショーフェアトレード」というテーマで公開授業を行いました(オンライン開催)

授業は、今回の特別授業を企画・準備したFACT(Fairtrade Chuo University Team=中央大学フェアトレード委員会)の説明からスタートしました。FACTは、林光洋ゼミが母体になり、2007年に、フェアトレードの普及、啓蒙・啓発を目的に作られた学生団体です。FACTの代表から、「日本におけるフェアトレードの普及の遅れ」に問題意識をもったという設立の経緯、活動目的、勉強会や講演会の開催、大学生協での春秋2回のフェアトレードフェアの開催、白門祭での出店といった活動内容の紹介がありました。

続いて、株式会社ゼンショーホールディングスの田中 慶さんと加藤 文菜さんの2人による講演が行われました。

最初に、1枚の山あいの写真を見せてくれました。それは、複雑な歴史をもち、貧困人口の多い東ティモールのコーヒー産地の写真でした。同国の低所得のコーヒー生産者たちにビジネスを通じて豊かになってほしいという強い願いから、ゼンショーホールディングスのフェアトレードは始まったそうです。

ハンガーマップ(世界の飢餓エリアとその度合いを示す地図)の上に、コーヒーベルト(赤道をはさみ南回帰線から北回帰線までの熱帯地域のことで、ほとんどのコーヒー生産国はこのエリア内に位置)を重ねると、飢餓の激しい地域とコーヒー生産地域がほぼ一致しているということを示してくれました。ゼンショーグループは、アジア、サブサハラ・アフリカ、中南米のそうした地域の国々とフェアトレードをしています。コーヒー豆や紅茶をフェアトレード価格で買い上げるとともに、SDC(Social Development Cost=社会開発資金)を供与し、取引先の地域の学校や医療施設の建設、水道の整備などの社会開発支援に積極的に取り組んでいます。

フェアトレードは、「貧困格差を生まない経済システム」であり、貧困の罠から抜け出し、経済的自立を促す役割をもっているということです。日本で混同・誤認されがちなチャリティとフェアトレードの関係・相違点についての説明は、この問題に真摯に取り組んでいるからこその視点と感じられました。フェアトレードには、「市民運動型」、「NPO型」、「フェアトレード認証ラベル型」のようにいくつかのタイプがあるけれど、ゼンショーホールディングスのフェアトレードは、それらとは異なる「国際産直型」という、仲買人や商社を介さず、現地の生産者と直接的な関係を結び、産地からカップまでの取り引きの責任をもつ新しいタイプだそうです。

すき家、なか卯、ココス、はま寿司をはじめ、多彩な飲食店舗ブランドを擁するゼンショーは「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という理念を掲げており、今回紹介していただいたフェアトレードのさまざまなお話や取り組みは、まさにその理念を体現するものでした。

このオンライン公開授業には130人前後の学生や職員が参加し、講演の後には学生からも職員からも多くの質問が時間いっぱいまで寄せられました。参加者は、田中さんと加藤さんのフェアトレードに対する熱い想いに刺激を受け、知識を得ることにとどまらず、アクションにつなげていきたいと思ったのではないでしょうか。