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2019年12月23日

経済学部「国際開発論」特別授業「途上国開発の現場:ウガンダ、ナイジェリアにおける技術協力の事例から」が実施されました

12月10日(火)3時限目の経済学部「国際開発論(林光洋担当)」では、株式会社JINの開発コンサルタント石川渚氏(本学経済学部国際経済学科2009年卒業・林光洋ゼミ第3期生)を招いて、「途上国開発の現場:ウガンダ、ナイジェリアにおける技術協力の事例から」というテーマの特別授業が行なわれました。この特別授業は、今回で11回目を数える本学インターナショナル・ウィークのイベントの1つとしても実施されました。

石川氏は、本学部を卒業後2011年から2014年までの3年間、サブサハラ・アフリカのザンビアで青年海外協力隊員としてコミュニティ開発(エイズ教育)に従事しました。その後、WHO(世界保健機関)の西太平洋地域事務局(マニラ)で結核対策分野の仕事にかかわった後、ロンドン大学熱帯医学大学院へ留学して公衆衛生学の修士学位を取得し、2015年から現在の勤務先で開発コンサルタントとして、主にサブサハラ・アフリカ地域の国々の技術協力プロジェクトに携わっています。

冒頭の石川氏の自己紹介には、経済学部の卒業生であったことや年齢が近かったことから親近感があり、参加した学生の多くは自分たちも参考にできるキャリアパスであると感じたようでした。

授業の中心は、同氏が2016年から従事している「北部ウガンダ生計向上支援プロジェクト」についてでした。

土壌と降水量に恵まれているにもかかわらず、内戦の影響により農業経験・技術の蓄積が乏しく、特に野菜の生産やその販路開拓がうまくできていないために、国内でも貧困者比率の非常に高い地域になっているというウガンダ北部の現状。そこから「売ることを意識した農業生産」「農家の生活技術の向上」「低所得者層の生活レベルの底上げ」を狙った事業について具体的な活動内容を交えて紹介いただきました。

「市場志向型野菜栽培の導入・促進を通じて、同地域における低所得農民グループの所得向上と生活環境改善を目指す」当プロジェクトでは、対象の農家を訪問し、野菜の栽培技術とそのマーケティングをはじめ、作付け計画、備蓄管理、家計管理、食と栄養改善、ジェンダー・社会的弱者への配慮等に関する実践的な研修を行なっているとのこと。
その結果、研修終了後も野菜栽培を継続している農家は、研修開始前に比べて、平均で70パーセント近く所得水準が上昇し、また、1年の中で食料が底をつく時期もなくなったり、家庭内における重要事項の決定プロセスに女性も関与できるようになったりするという変化が生じたということです。

授業の後半には、2019年にスタートしたばかりの「ナイジェリアの栄養改善能力強化プロジェクト」についての説明をしてもらいました。現地で入手可能な食材の働き、食事のバランスのとり方、3色食品群の摂取の可能性等に関する研修プログラムの紹介がありました。

最後は、「途上国の開発を支援する場合、現地の生活習慣や文化を理解したうえで、現地の人々に受け入れられ、彼らの意識や行動変容につながるような活動を行なっていくことが重要である」というメッセージで授業を締めくくってもらいました。その後のQ&Aの時間には、活発な質疑応答が行なわれました。

4-5時限目の林ゼミの「演習」では、学生たちが、先輩である石川氏を質問攻めにしました。学生時代にやっておくべきこと、青年海外協力隊で得たこと、留学準備に必要なこと、留学で得たこと、開発コンサルタントの仕事で苦労したこと等さまざまな質問が飛び交いましたが、同氏は、一問一問、自らの経験にもとづいて丁寧に回答していました。この貴重な機会から、林ゼミの学生たちは、多くを学びとったはずです。