理工学研究科

専攻の方針 精密工学専攻

1.精密工学専攻における教育研究上の目的

わが国が国際社会で共生し続けるためには、最先端の技術を駆使した物すなわちハードと、情報すなわちソフトからなる人工物を創成することが必要です。有限な地球資源を有効活用した高い付加価値をもつ人工物は、人に快適で優しい機能に加えて高い性能と信頼性を持ち、自然の循環システムに近いエコ・プロセスで地球環境を保全することが重要です。精密工学専攻では、このような地球共生時代に適合する人工物創成のための工学を目指し、教育研究活動を推進します。

2.学位の授与に関する方針(ディプロマ・ポリシー)

(1)精密工学専攻において養成する人材像

①博士課程前期課程:機械工学を基礎とする精密工学に関する専門知識を有し、それらを独創的な機械システムの開発に応用することができる実践的能力を備え、グローバルな視点をもって活躍でき、安全な社会、循環型社会等の実現に資することのできる高度な専門的技術者を養成します。

②博士課程後期課程:機械工学を基礎とする精密工学に関する最先端の高度な専門知識と独創性豊かな研究開発能力、およびチームを指導する能力を有し、それらを快適な人間社会の維持、発展に役立てるためにグローバルな視点をもって活躍できる上級研究者・技術者を養成します。

(2)精密工学専攻を修了するために身に付けるべき知識・能力

理工学研究科を修了するために身に付けるべき知識・能力に加え、次の専門性が求められます。

①博士課程前期課程:機械工学を基礎とする精密工学に関する専門知識とグローバルな視点を持って活躍できる行動力を有し、独創的な機械システムの開発を通して社会に貢献できる。

②博士課程後期課程:機械工学を基礎とする精密工学に関する最先端の高度な専門知識に加えて、独創性豊かな研究開発能力とチームをまとめる指導力を有し、快適な人間社会の維持、発展のためにグローバルな視点をもって活躍することができる。

3. 教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)

(1)博士課程前期課程

①機械工学に関する専門性の高い授業の受講を通して、地球共生時代に適合し社会に役立つ高度な専門的技術者として必要な知識を修得します。

②教員の個人指導と実験・開発・解析の実行によって修得した専門知識を、境界領域を含めグローバルな視点で問題解決に応用できる能力を身につけます。

③精密工学論文研修第一~第四および学会発表、論文投稿を通してコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、論文作成能力を身につけます。

(2)博士課程後期課程

①精密工学に関する独創的な成果を上げることをめざして学生が研究活動に専念できる環境を整えます。

②英語によるコミュニケーション能力を向上させ、国際会議における研究発表、国際的な学術専門誌への論文投稿を行います。

③精密工学特殊論文研修第Ⅰ~第Ⅵを通して、研究指導能力を高めます。

4.入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)

理工学研究科のアドミッション・ポリシーに加え、以下を方針とします。

(1)博士課程前期課程

「精密工学専攻において養成する人材像」に基づき、次の二つの条件を満たす人を広く国内外から受け入れます。

①精密工学の基礎、特に数学と力学の素養と応用力を身につけており、この分野の研究に自主的かつ積極的に取り組む意欲のある人

②精密工学の知識を適切に理解し伝えることのできるコミュニケーション能力を有していて、研究成果を積極的に国内外へ発信しようとする意欲にあふれた人

(2)博士課程後期課程

「精密工学専攻において養成する人材像」に基づき、次の三つの条件を満たす人を広く国内外から受け入れます。

①精密工学に関する十分な知識を有していて、新しい知の創造に意欲的に取り組もうとする人

②精密工学について英語によって基本的なコミュニケーションができる人で、その能力を国際的に活躍できるレベルへ向上させる意欲のある人

③研究・開発において後進の指導の経験があり、研究・開発組織における指導者となることを意識して指導力の向上と人間的な成長を心がける人