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理工学研究科
研究科の専攻構成と特色

研究科の専攻構成

本研究科は、1953年に土木工学専攻だけを持つ工学研究科として発足し、2年後に精密工学専攻、電気工学専攻、工業化学専攻を増設し、4専攻構成となりました。
その後、1967年に物理学専攻を増設するとともに、研究科の名称を理工学研究科に変更しました。
さらに、1991年に数学専攻と管理工学専攻、1996年に情報工学専攻を増設し、また、一部の専攻では、社会的ニーズの変化への対応を考慮し、研究指導分野の拡大とそれに合った専攻名称にするべく、名称変更を行いました。
また、2007年4月からは、中央大学21世紀COEプログラム「電子社会の信頼性向上と情報セキュリティ」研究拠点の成果をふまえ、情報セキュリティ科学という新しい学問分野に関する研究・教育を目指し、情報セキュリティ科学専攻博士後期課程を、2012年4月からは、理工学部生命科学科の完成に合わせて生命科学専攻を開設しました。
そして、2017年4月、電気・情報系の科学技術の発展や研究内容の高度化、融合化による専攻にまたがる境界領域の研究増加を鑑み、従来の博士後期課程3専攻(電気電子情報通信工学専攻、情報工学専攻、情報セキュリティ科学専攻)を統合し、電気・情報系専攻(博士後期課程)を開設しました。

現在の本研究科は

の10専攻構成となっております。

Course catalog(Master program) (72KB)

Course catalog(Doctor program) (14KB)

各専攻の特色と研究内容

数学専攻

数学は、自然科学や社会科学を体系的に思考し論理的に記述するためには不可欠の言語であり、それ自体、科学としての研究対象でもあります。
コンピュータが社会全般に普及し、生活のあらゆる局面に情報化の波が押し寄せている中、数学の価値と重要性はますます大きなものとなってきています。

当専攻では

  • 代数学
  • 幾何学
  • 解析学
  • 統計学
  • コンピュータ・サイエンス

に大別し、それぞれに研究指導を行っています。

数学は一つの分野にこだわらない普遍性と汎用性を持ち合わせています。
最近は、代数学の研究室では暗号理論に関する学際的研究を展開し、解析学の研究室では工学、医学、環境科学との学際的研究を志向しています。
また、統計学の社会における有用性は言うに及ばず、コンピュータは社会のどの分野でも活用されています。
コンピュータはアルゴリズムに基づいたプログラムを実装することによって動いていますが、アルゴリズムの理論的な正しさを保証するのは数学にほかなりません。
このような観点から、純粋数学から応用数学に至るまで、幅広い内容の講義を提供し、活発な研究を展開しています。

物理学専攻

物理学の広い分野にわたり、ミクロからマクロまで自然界に見られるさまざまな現象の解明を目指して、理論的、実験的、あるいは計算機を駆使した数値的な研究を行っています。
具体的には、以下のテーマを研究課題とした研究指導と、それらに関連した授業が行われています。

  • 素粒子・宇宙物理
    素粒子と場の理論およびそれに関連した数理物理学の研究、X線望遠鏡を用いた星の生成過程の研究。
  • 物性物理
    固体やクラスター中の電子相関と物性の研究、量子ホール効果など半導体の低温物性の実験、水素結合系物質の量子物性に関する理論、新しい遷移金属化合物の合成と物性の実験的研究。
  • 生物物理
    蛋白質による輸送、運動、エネルギー変換に関する実験的研究、生体生命情報学。
  • 複雑系
    乱流における揺らぎの統計理論、カオス力学系の理論的研究、平衡系および非平衡系に見られる相転移・臨界現象の理論的研究、自然界に広く見られるフラクタルなどのパターン形成に関する実験的数値的研究。

都市人間環境学専攻

近年、わが国は環境問題や自然災害問題、社会資本整備や管理の基準や財源問題等、解決を迫られている問題を多く抱えている。都市人間環境学専攻は、こうした社会からの要請を積極的に正面から受け止め、問題を構造化し、その解決に向けて一歩一歩堅実に努力していくことの大切さ、楽しさを実践的に学生自身が身に付けていくことを目指している。

●4つのコース
【都市・国土コース】
専門的知識や情報技術などを駆使して具体的な構造物、時空間環境を計画・設計できる、また防災の知識を社会に還元できるより高度なエンジニアの育成を目指す。
【人間コース】
人の豊かさや感性、健康、思考、行動様式等を学び、安心安全な社会の実現を目指した科学者、技術者の養成を目指す。
【環境コース】
社会科学や統計学の知識を有し、異分野の専門家や市民と協働で地域また地球規模の環境・エネルギー問題を解決しながら、地域をマネジメントできる人材の育成を目指す。
【国際水環境コース】
我が国の産業界と行政の風土ならびにその利点に習熟し、かつ国ごとの歴史・文化・風土を尊重する国際的視野を持った高度専門職業人としての水環境・水処理技術者の育成を目指す。

精密工学専攻

精密機械は製造業の基盤を構築する重要な役割を担っています。
特に「いかに造るか」から「何を創るか」に力点を置く重要性が認識される中、製品に高付加価値、創意が求められています。

一方、その実現に期待がかかる先端分野では、μm台の精度を基準とする超精密の新しい領域が広がっています。
また、マイクロマシン、ロボット、工作機械など、精密を追求する新分野の広がりは洋々としています。
このような状況を踏まえて、工学先端を追求しつつ産業基盤にも貢献することを目的として、研究を進めています。

主な研究分野は、

  • 知能化機械加工システム
  • 精密位置決め
  • マクロ形状精度の評価と向上
  • エコファクトリー型生産システム
  • 生産情報システム
  • 環境に優しい熱エネルギーシステムの開発
  • 分子動力学解
  • 金属材料の特性評価
  • 機構解析
  • モード解析
  • 音響解析
  • 計算流体力学
  • バイオロボティクス
  • ロボット制御理論
  • ロボットのセンサーとプログラミング
  • 人間機械協調システム

などがあります。

電気電子情報通信工学専攻

本専攻は、重要性を増している情報通信工学の発展に対応し、従来の電気電子工学専攻を電気電子情報通信工学専攻に変更してその充実を図っています。

具体的な研究内容は、

  • 半導体物性
  • 半導体デバイス
  • 磁性材料
  • VLSI回路の計算機援用設計
  • 低消費電力VLSI設計
  • アナログ・ディジタル混載LSI設計
  • データ構造とコンピュータアルゴリズム設計
  • ハードウェアアルゴリズム
  • システムVLSI化技術
  • 回路シミュレーション
  • 非線形現象と非線形回路の解析
  • 非線形光学
  • 回路・ネットワークとモデリング
  • アナログ・ディジタル信号処理
  • 情報通信ネットワークの構造とセキュリティ技術
  • 多次元移動情報ネットワーク
  • モーバイルコミュニケーション
  • モーバイルパーソナルインテリジェンス
  • マルチメディアネットワーキング
  • コンカレントエンジニアリング
  • 放送工学
  • 画像工学
  • バーチャルリアリティ技術と制御
  • 知的コミュニケーションと制御
  • 知能情報処理と制御
  • メカトロニクス
  • 人にやさしいロボット
  • センサー工学
  • 情報記録
  • レーザ
  • 電磁波の散乱・回折問題の解析
  • プラズマ現象ならびにアーク現象と環境問題への応用

など多岐にわたり、先端的・先進的基礎研究および基盤技術研究を行っています。

応用化学専攻

応用化学は物質科学の華であり、真に新しい物質を作り出すことのできる学問分野です。
その中で活躍できる研究者・技術者は高度な知識を身につけ、それを実際の系に応用することができ、 国際水準の成果を得てそれを対外的に発信できる能力をも備えていることが必要です。

そのような人材を育てるため、専門知識の講義のほか、さまざまな研究課題を通じて実際の研究・開発の現場で生かされる能力の開発を行っています。
研究課題としては大まかに以下のようなものが挙げられます。

  • 先端材料開発
    サイズ選別されたナノ物質の創製とその特性解明
    分離機能を持つ機能性高分子材料の開発
    金属錯体の集積化とその単一分子エレクトロニクス機能の探索
    無機酸化物・窒化物の合成と物性の解析
  • バイオテクノロジー
    DNA塩基配列を認識する金属錯体の分子設計
    生体エネルギー変換と光情報伝達機構の解明
    有用酵素のバイオテクノロジー
  • 化学反応プロセス
    精密合成のための触媒の分子設計
    生活・産業廃棄物の高度処理技術の開発
    有機金属錯体の合成・構造・反応の基礎的研究と触媒への応用
    数値流体工学・化学装置の数値モデリング
  • 分析・物性解析
    環境試料および生体試料中に含まれる微量元素の分析手法の開発
    走査プローブ顕微鏡技術等による固体表面構造と物性の解析
    レーザー光を用いた微小液相空間内での化学物質の検出・化学反応ダイナミクスの測定

経営システム工学専攻

本専攻は、組織の経営管理に適用できる科学的理論と実践的技術についての研究指導と関連授業を行っています。

具体的には、

  • 経営のグローバル化
  • サービス産業の伸展に適応した品質・環境マネジメントの理論と応用
  • 顧客の潜在ニーズを把握する手法の開発と新製品開発への応用
  • 信頼性及び製品安全評価と確保の基礎理論と応用
  • 情報と補完性に着目した企業経営のあり方、データ解析のための統計モデルと方法論
  • 生存時間分析と応用多変量解析
  • 経営・生産活動において生起する諸現象の数理モデルによる解析
  • 確率過程を用いた価格モデルや需要予測モデルの構築
  • 工業製品の特性評価と機械・構造システムの最適化
  • 理財工学
  • 大域的最適化手法
  • ポートフォリオ理論
  • 市場リスクと信用リスクの計量と管理
  • 大規模最適化手法とその高速計算
  • 経営・経済システムの分析と予測
  • ソフトコンピューティングの応用
  • 情報資源管理と情報システム論
  • 拡張性の高い情報システムを設計するための方法論
  • インタラクションによる価値創成プロセスのモデル化
  • 知能ロボットシステム技術と知能システム構成法
  • 人間と親和性の良いマルチメディア情報環境の構成法とマルチメディア情報処理技術

などについて研究や授業を行っています。

情報工学専攻

本専攻は、情報技術・情報工学の基礎から応用にわたって研究・開発・実務に携わるための知識と能力と意欲を持ち、 それぞれの分野で指導的役割を果たして活動・活躍できる人材の育成を目的としています。

具体的には、

  • アルゴリズムの系統的設計法・解析法
  • 計算可能性理論と計算複雑度理論
  • 知識知能処理技術および情報システムの知的制御への応用
  • 数値処理における制度保証法と大規模・高速化
  • システムの構造とそこを流れる離散と連続情報の数理的構造についての基礎理論
  • 現象から数学的モデルを構成する手法
  • 非線形問題の解析手法と情報・事象の可視化手法
  • 情報ネットワークの構造や暗号と情報
  • セキュリティ技術
  • オペレーティングシステムに代表される情報システムとソフトウェア
  • コンピュータの基本となるマイクロプロセッサ
  • 高性能LSIの設計・製造・評価・低消費電力化
  • LSIデバイス関連技術

などについて研究指導と関連授業を行っています。

生命科学専攻

本専攻は、生命機能解析、生命圏生物学、生命機能利用の3つの基幹分野を設け、先端的かつ総合的な生物学的知識と技術を修得する一方で、 生命系を含む地球環境のしくみを深く理解し、人類の調和的発展に貢献する人材を育てます。

  • 生命機能解析分野
    生命が行っている様々な機能を分子・原子レベルで解明していく分野です。
    この分野では、生物が共通して持つ細胞器官及び支持構造の形成・作用機構を、生化学的・生物物理学的手法を用いて解明する研究や、光合成生物がもつ様々な光合成システムの分子的基盤を解明するとともに、代謝機能の多様性について研究、指導を行います。
  • 生命圏生物学分野
    時間的にも空間的にも大きな視点から、生命とそれを取り巻く環境について研究を進める分野です。
    この分野では、生物学的、地球科学的研究を通して現生植物の系統関係を再構築し、生物多様性の歴史に関する研究指導を行うとともに、現在の地球生命環境を支える生物群集の多様性の解析を通じて、維持可能な地球環境について研究・指導します。
    また、現在の地球上に生息する細菌の環境浄化力とその機構を解明し、下水処理や廃水処理施設への利用に通じる基礎的な研究指導を行います。
  • 生命機能利用分野
    ゲノムサイエンスに基づく新しい微生物像の構築と微生物の持つ様々な能力を応用に生かす研究を進める分野です。
    この分野では、微生物が持つ多様な物質合成能力、環境浄化能力、さらに様々な未知の能力を発見解析し、有用な機能についてはそれを産業利用する研究指導を行います。
    これら微生物における、細胞外からの環境情報の受容と、その結果現れる環境適応機構の解明、及び砂漠緑化等への実際的な利用を目指した研究・指導を行います。
    また、ゲノム情報に基づいた種々の生体高分子に関して、コンピュータを用いた解析とその応用について研究指導を行います。

電気・情報系専攻

本専攻では、電気・情報系分野等を基盤とする高度化社会における企業、研究機関、研究教育機関等において、専門分野の情報収集・発信能力などを備えた国際レベルの専門家として、自立した活動を行う研究者・技術者を養成します。また電気・情報関連技術が人間・社会に与える影響についての洞察力や幅広い視野を持ち、問題を発見して新しいコンセプトを創出し得る独創性を身に付けた人材を養成します。
本専攻の修了時においては、次に示すような行動特性(コンピテンシー、資質とそれを活用する能力)を獲得しているものとします。

  • コミュニケーション力
    様々な説明の方法や手段を駆使し、背景の多様性(文化・習慣・価値観等)に起因して意見の異なる相手との相互理解を得ている。
  • 問題解決力
    絶えず変化し多様性を増す環境の中で自ら課題を発見し、随時最善の解決策を選択し、計画的に実行している。その結果を多面的に検証し次の計画に随時反映している。
  • 知識獲得力
    絶えず変化し多様性を増す環境の中で継続的に深く広く情報収集に努め、取捨選択した上で、知識やノウハウを習得し関連付け、他者が思いつかない形で随時活用している。
  • 組織的行動能力
    多様性(文化・習慣・価値観等)を有する集団の中で集団や集団が属する組織の目標を達成するために何をすべきか、関係者の利害を幅広く考慮したうえで適切な判断を下し、自ら進んで行動を起こすだけでなく、目指すべき方向性を示し、他を活かしつつ導いている。
  • 創造力
    絶えず変化し多様性を増す環境の中で、知的好奇心を発揮して様々な専門内外のことに関心をもち、それらから着想を得て社会に貢献するような独自のアイディアを発想することができる。その際、関係する国・地域の法令や国際法を遵守し、倫理観を持って社会に対して負っている責任を果たす。
  • 自己実現力
    絶えず変化し多様性を増す環境の中でも自らを高めるため、常に新しい目標を探しており、見つけるとその達成のために最短の道筋を考えてそれをたどるために努力する。失敗してもあきらめず、繰り返し挑戦する。
  • 専門性
    当該分野の高度な専門知識と応用力を広くかつ深く有し、それらを中核に相応の人間力や分野外の関連知識も併せて活用し、経済性や環境などの多様かつ複合的な制約条件下で、全体を見通した構想の基に互いに知恵を出し合って創発力の発揮に努め、多様かつ複合的に絡み合う課題の適切な解決策や解を導き出したり、特定の需要に合ったシステム、構成要素又はシステムの適切な設計をすることを、先導的かつ継続的に行うことができる。
  • 多様性創発力
    多様性(文化・習慣・価値観等)に適切に対応しつつ、自らの存在感を高め、その協同から、相乗効果を得て、新たな価値を生み出している。