商学部

商学部関根ゼミの学生が子ども向け防災イベントを開催しました

商学部関根ゼミの学生が子ども向け防災イベントを開催

―近隣住民が参加しやすい地域防災訓練の実現に向けた新たなチャレンジ-


中央大学商学部の『スポーツ・ビジネス・プログラム』の一つ「スポーツ・ビジネス・チャレンジ演習・実習(明治安田生命寄付講座)」[担当教員:関根 正敏 准教授)では、履修学生が、スポーツを活用した地域活性化プロジェクトに挑戦しています。この講座では、東京都府中市を拠点に、NPO法人府中アスレティックフットボールクラブや府中市市民活動センタープラッツ、府中市役所などと協働し、市内の防災活動を充実させるための取り組みを重要課題の一つにしています。この授業の成果として、10月22日(日)に、府中市民を対象に、「おやこぼうさいチャレンジ-まなんで・うごいて・かんがえる!」と題したイベントを開催しました。

本企画を立案・実施した履修生は、府中市の地域課題を調査する中で、2019年の台風19号によって市内を流れる多摩川で大きな水害が発生したことなどを知り、災害対策の充実が急務であることを問題視しました。そして、各地で実施されている防災訓練などの地域の防災活動に目を向けてみると、若年層の参加が少なく、閉鎖的なものになっていることが分かりました。そこで、「府中市の子どもとその家族に防災に興味を持ってもらう」という理念を掲げ、今年度の具体的な到達目標として、防災を気軽に楽しく学んでもらうことや、ファミリー層に府中市総合防災訓練に参加してもらうことを目指しました。

学生たちは、府中市防災危機管理課との協力・連携のもとで、府中市在住の小学生をメインターゲットに、防災対策に役立つ体験を楽しく実施できるプログラムを開発し、それをイベントとして社会実装しました。そこで学生たちが目指したこととは、「子どもたちに防災について楽しく学んでもらう」「地域の方々と触れあう機会を提供することで、コミュニティ内での協力と連帯を強化する」「災害に備え、安全な生活を実現するための知識とスキルを提供する」という3つの目標で、その達成のための具体的なプログラムとして、「ぼうさいミッションかるた」「お手軽パッククッキング」「ぼうさいスタンプラリー」という3つを実施しました。イベント当日には、26団体、企業の方にご協力いただき、地域の団体の方とのつながりを構築するきっかけとなり、「おやこぼうさいチャレンジ」の参加者だけでなく、当日参加の市民の方にも防災を学んでいただく機会になりました。このプロジェクトを通じて、府中市や府中市内で防災活動を行っている地域の方と市内在住の家族が繋がり、防災活動を支えるネットワークを構築することができました。

実施レポート

〈イベント概要〉

〔名  称〕 【まなんで・うごいて・かんがえる!】おやこぼうさいチャレンジ!!

〔日  程〕 2023年10月22日 (日)

〔活動場所〕 府中市立府中第二中学校

〔概  要〕 府中市総合防災訓練において「楽しさ」や「気軽さ」を感じつつ、地域の子どもや保護者に防災活動に参加するきっかけとなるプログラム

〔目  的〕「子どもたちに防災について楽しく学んでもらう」「地域の方々と触れあう機会を提供することで、
             コミュニティ内での協力と連帯を強化する」「災害に備え、安全な生活を実現するための知識とスキルを提供する」

〔対  象〕 府中市内在住・在学の小学生とその家族

〔参加人数〕 参加者
                  【事前申し込み】47名
                  【当日参加(スタンプラリーのみ)】約100名      

         スタッフ 31名
〔コンテンツ〕
 ・ぼうさいミッションかるた
 ・お手軽パッククッキング
 ・ぼうさいスタンプラリー

〔共  催〕 府中市防災危機管理課

〔協  力〕 NPO法人府中アスレティックフットボール、府中市市民活動センタープラッツ

ぼうさいミッションかるた

防災に関する大きなサイズのかるたを使用し、防災に関するミッションをクリアして札を獲得するというものです。小さいお子さんが楽しみながら、防災を知るきっかけや足掛かりとなるよう、このコンテンツを考え実施しました。イベント当日は、多くの子供たちが楽しんでくれました。お子さんの中には大きなかるたを持って写真を撮っていた家族もいらっしゃいました。ミッションでは、親子で協力し回答する姿も見受けられ、防災の知識を親子で深められたのではないかと思います。

お手軽パッククッキング

ポリ袋、鍋だけを使用したパッククッキングをみんなで行いました。とても簡単に調理することができるので、災害時の避難場所でも調理することができ、子供たちもみんなそれぞれ個性のある形で作っており、とても楽しく活動している印象でした。通常の鍋よりも何倍も大きい災害鍋も見学することができたため、災害時のイメージ作りをしてもらえたと思います。

ぼうさいスタンプラリー

事前参加のご家族に加えて、当日総合防災訓練に訪れた方が、どなたでも参加できる企画として、ぼうさいスタンプラリーを行いました。当日は26団体、企業の方にご協力いただきました。地域の団体の方の活動を間近で見てもらうことで、暮らしているまちの防災活動を市民に知ってもらい、学びを深めてもらうことができました。約100名の市民の方が当日参加してくださり、様々な世代の方に防災を学んでいただく機会となりました。この企画を通して総合防災訓練自体を盛り上げることにつながりました。

学生・担当教員のコメント

森 祐太朗|経営学科 2年


今回私たちは、府中市防災危機管理課の協力のもと総合防災訓練内でぼうさいミッションかるたとパッククッキングとぼうさいスタンプラリーを行いました。私は1からイベントを企画するというのが初めての体験だったので、企画から当日までの間全てが新鮮で充実しており、人間としても一回りも二回りも成長することができました。

石毛 駿貴|経営学科2年


 プログラムのスケジューリングや時間配分、巨大カルタの作成など、準備段階から試行錯誤することが多く、とても大変な時期がありましたが、メンバーたちと協力して乗り越えることができました。本番当日は改善点もありましたが、募集枠も満員に達し、参加者も笑顔で元気に楽しんでいて、ある程度の成果を出すことができ、本当に最後までやり遂げて良かったと実感しております。 

小宮路 諒一|経営学科 2年


 初めに指導を頂いた関根教授や防災課の方々にとても感謝しています。プログラムの企画•カルタの準備段階から本番まで実行するまでに苦戦することは何度もありましたが、様々なことを学び、自分自身刺激を受け成長することができました。自分自身パッククッキングの蒸しパンを災害鍋で茹でてお子さんに渡したのですが、皆さまの笑顔を見ると、今まで苦労してきたことに価値があったとだと実感しました。この経験で学んだことを今後に活かしていきたいと思います。

仲真次 新菜|国際マーケティング学科 2年


 私たちは子どもたちが楽しみながら防災の知識を身につけるイベントを府中市防災危機管理課の方々と企画し、大成功でイベントを終えることができました。イベントを成功に導くには、企画の魅力だけではなく、広報や関わってくださる皆様とのコミュニケーション、当日の運営の仕方など多大な準備が必要であり、忙しい日々も過ごしましたが、メンバーと助け合い、一つ一つを成長と学びにつなげることができました。そして、かるたで楽しそうにご両親とはしゃぐお子さんの笑顔を見たときに、この活動は大変意義のあるものだと感じることができました。協力していただいた皆様、本当にありがとうございました。

関根 正敏|中央大学商学部准教授


このプロジェクト型の講座では、地域課題の解決に繋がる道筋をロジカルに考え、その解決に向かうためのパスウェイの中でスポーツの魅力を活用する企画を立案してきました。そして、アイディアを単に頭で考えるだけでなく、それを社会の中で実際に事業として実施するところまでを目指してきました。今年度の学生が社会実装した「おやこぼうさいチャレンジ」は、遊びの楽しさを活かしてファミリー層が参加したいと思えるような防災活動となっており、これまで参加障壁が高かった地域の防災活動への「入口」として機能することが期待できます。まだまだ企画内容に修正すべき点はありますが、今後企画の精度をさらに高めていくことで、地域の防災活動を充実させるソリューションの一つになりうる可能性が感じられます。そうした発展可能性のある企画を立案したゼミ生たち!すごく良いチャレンジだったと思います!お疲れ様でした。

関連Webページ

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中央大学商学部『プログラム科目』

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