商学研究科

商学研究科委員長挨拶

商学研究科へようこそ
――不確実性の時代に活躍できる能力を磨くために――

木立 真直 商学研究科委員長

 現代の経済社会は、いまだかつて経験したことのない、不確実性の高い時代に突入しています。AIを含むICT技術が劇的なスピードで社会実装され、グロバリゼーションの全面的深化が着実に進行しつつあります。2022年のウクライナ、直近の2023年ガザでの戦争が勃発するような地政学的リスク、さらに地震や地球温暖化に伴う風水害など甚大な自然災害も多発しています。一寸先は闇という先が見通せない中、企業経営者は、いかにして的確な舵取りをするかを日々、問われています。プロフェッショナル人材には、高度な専門知識と柔軟で総合的な構想力の両方の資質が求められていると考えられます。

 これから大学院への進学を考えている皆さんは、各人各様の異なったキャリアプランを描き、大学院に多様な期待を抱いていることでしょう。大学院は、学校教育の最終ステージに位置し、学問を究める最高学府にほかなりません。これまで学部等で学んできた知識をより深め、さらに高度な分析力や研究力を習得するための場ということができます。商学研究科では、経営・会計・商業・金融・経済の領域を広くカバーし、修士号を授与する博士前期課程と博士号を授与する博士後期課程を設けています。前期課程には、研究コースとともに、理論に加えて実践的な学びができるビジネスコースを置き、広範かつ多様な学びのニーズに応える体制を整えています。

 本研究科で学ぶ大学院生は、大まかに3つのタイプに分けることができます。まず、研究者志望の人です。前期課程の研究コースで研究テーマを絞り込み修士論文を執筆した上で、後期課程において博士論文の取り纏めに全力投球しています。研究者・教員を再生産することは、中央大学が高度な教育・研究大学として持続的に発展していく上で不可欠の機能といえます。次に、高度職業人としてのキャリアをめざす人です。会計分野を中心に、税理士や公認会計士などの資格取得に向けて日夜、励んでいます。一方、大多数を占めるのは、より広く実務の世界での活躍をめざす人たちです。おもにビジネスコースで、理論や専門的知識、分析力、さらには構想力を磨くための学修に取り組んでいます。

 商学に関連する幅広い分野の教員を擁する商学研究科は、充実した専門分野の研究指導に加え、関連分野の最新の知識や企業、消費者、社会が直面する現代的課題について学ぶことができるカリキュラムを提供しています。学問の深さと奥行きに触れることで、研究力を磨きつつ、俯瞰的視野から物事を捉える力、そして中央大学が重視する社会的正義観・倫理観を兼ね備えた人材として成長する機会となることを期待します。

 商学研究科で、ぜひ、皆さんの将来を切り開くきっかけを掴んでください。