商学研究科

三つの方針

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

養成する人材像

商学研究科では、「實地慶用ノ素ヲ養フ」という中央大学の建学の精神、および「商学及びその関連諸分野に関する理論並びに実務にかかる高度な教育研究を行い、高い研究能力と広く豊かな学識を有する研究者の育成及び優れた見識と高度の専門性を必要とする業務を遂行することのできる人材を養成する」という教育研究上の目的を踏まえ、以下のような人材を養成します。

①経営学、会計学、商業学、経済学、および金融学の5つの専攻分野について、アカデミックな世界で活躍できる能力を総合的に身につけ、大学教員や研究機関の研究員として活躍する人材

②会計や税務関係などの専門的知識と応用理論を修得することで公認会計士や税理士として活躍する人材

③専門的知識と実践的応用力を身につけて実務家として活躍する人材

修了するにあたって備えるべき知識・能力

商学研究科では課程の修了にあたって、以下のような知識・能力を身につけた者に対して各課程における学位を授与します。

<博士前期課程>

学位:修士(商学)

本研究科博士前期課程では、養成する人材像に対応して研究コース、ビジネスコースの2つのコースを置いています。

それぞれのコースを修了するにあたり、備えるべき知識・能力は以下のとおりです。

○研究コース

①各専攻分野についての専門的知識に加えて、独創的な課題(テーマ)を設定する能力と、専門を越えた社会全体に関する幅広い総合的知識

②そのために必要な語学や統計処理の知識・能力

⇒基礎的な研究遂行能力:高度な語学力・統計処理能力を備えた上で、各専攻分野についての専門的知識と社会全体に関する幅広い総合的知識を有し、独創的な課題(テーマ)を設定し論文にまとめあげることができる。

○ビジネスコース

①グローバルなレベルで実務家として自立しうる専門的知識とその応用能力、実践的な語学を備え、活用することができる。

②専門的職業に要請される特別に高い倫理観と社会的な責任能力の基礎となる能力、コミュニケーション・スキル、自己管理力をもとに知的リーダーとなりうる素養を身につけている。

<博士後期課程>

質の高い博士学位論文を標準修業年限の3年以内で完成することを目標とします。そのために備えるべき知識・能力は以下のとおりです。

学位:博士(経営学)

①博士前期課程で培った経営学分野における高度な知識に加えて、経営学分野の特殊研究を修め、より独創性の高い課題(テーマ)を設定し、研究を遂行することができる。

②課題を粘り強く追求する問題解決力、説得力のある学術論文に仕上げるアカデミック・ライティング能力、学会(国際学会を含む)・研究会などで発表するプレゼンテーション能力を基盤として研究を遂行し、著しい成果をあげることができる。

学位:博士(会計学)

①博士前期課程で培った会計学分野における高度な知識に加えて、会計学分野の特殊研究を修め、より独創性の高い課題(テーマ)を設定し、研究を遂行することができる。

②課題を粘り強く追求する問題解決力、説得力のある学術論文に仕上げるアカデミック・ライティング能力、学会(国際学会を含む)・研究会などで発表するプレゼンテーション能力を基盤として研究を遂行し、著しい成果をあげることができる。

学位:博士(商学)

①博士前期課程で培った商業学分野における高度な知識に加えて、商業学分野の特殊研究を修め、より独創性の高い課題(テーマ)を設定し、研究を遂行することができる。

②課題を粘り強く追求する問題解決力、説得力のある学術論文に仕上げるアカデミック・ライティング能力、学会(国際学会を含む)・研究会などで発表するプレゼンテーション能力を基盤として研究を遂行し、著しい成果をあげることができる。

学位:博士(経済学)

①博士前期課程で培った経済学分野における高度な知識に加えて、経済学分野の特殊研究を修め、より独創性の高い課題(テーマ)を設定し、研究を遂行することができる。

②課題を粘り強く追求する問題解決力、説得力のある学術論文に仕上げるアカデミック・ライティング能力、学会(国際学会を含む)・研究会などで発表するプレゼンテーション能力を基盤として研究を遂行し、著しい成果をあげることができる。

学位:博士(金融学)

①博士前期課程で培った金融学分野における高度な知識に加えて、金融学分野の特殊研究を修め、より独創性の高い課題(テーマ)を設定し、研究を遂行することができる。

②課題を粘り強く追求する問題解決力、説得力のある学術論文に仕上げるアカデミック・ライティング能力、学会(国際学会を含む)・研究会などで発表するプレゼンテーション能力を基盤として研究を遂行し、著しい成果をあげることができる。

教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

カリキュラムの基本構成

商学研究科では、学位授与の方針に掲げる経営学、会計学、商業学、経済学、および金融学の5つの専攻分野について知識・能力などを修得できるよう、以下の点を踏まえて教育課程を編成します。

<博士前期課程>

学位:修士(商学)

セミナー系科目:「基礎セミナー」において、5つの専攻分野について、研究課題の発見や研究方法の選択などに関する示唆を得るとともに、修士論文の課題設定に資する能力を養います。また、各コースの特色に応じて設置される「研究セミナー」や「ビジネス・プラクティカル・セミナー」などのセミナー系科目によって、アカデミックな能力または実践的な能力を伸ばします。

講義科目:5つの専攻分野について、各専攻分野の領域を体系的に網羅するよう講義科目が配置されており、専攻分野(主専攻)だけでなく、関連分野を含めて総合的に学修します。

演習科目:指導教授のもとで、課題設定・調査・発表については学生が主体的に行い、語学運用や統計処理を含めた総合的研究能力を養います。研究コースにおいては、指導教授以外の演習を履修することで、専門知識のみならず社会に関する幅広い知識を修得し、独創的な課題設定能力を養います。ビジネスコースにおいては、コミュニケーション・スキルや自己管理力、専門的職業に要請される倫理観と社会的な責任能力を養います。

<博士後期課程>

学位:博士(経営学)

特殊研究:経営学分野について科目を設置し、高度な知識に加えて、独創性の高い課題(テーマ)を設定する能力を企業経営の視点から養います。

学位:博士(会計学)

特殊研究:会計学分野について科目を設置し、高度な知識に加えて、独創性の高い課題(テーマ)を設定する能力を企業会計の視点から養います。

学位:博士(商学)

特殊研究:商業学分野について科目を設置し、高度な知識に加えて、独創性の高い課題(テーマ)を設定する能力を流通、マーケティング等の視点から養います。

学位:博士(経済学)

特殊研究:経済学分野について科目を設置し、高度な知識に加えて、独創性の高い課題(テーマ)を設定する能力を、企業を取り巻く経済環境の視点から養います。

学位:博士(金融学)

特殊研究:金融学分野について科目を設置し、高度な知識に加えて、独創性の高い課題(テーマ)を設定する能力を企業金融の視点を中心に養います。

学位:博士(経営学・会計学・商学・経済学・金融学)共通

研究セミナー:課題を粘り強く追究する問題解決力、説得力のある学術論文に仕上げるアカデミック・ライティング能力、学会(国際学会を含む)・研究会等で発表するプレゼンテーション能力などの高度な発信力を養います。

カリキュラムの体系性

商学研究科では、以下の点を踏まえて学生が段階的に能力を伸ばせるよう、各課程における教育体系を整えています。

<博士前期課程>

学位:修士(商学)

1年次:「基礎セミナー」において、5つの専攻分野について研究課題の発見や研究方法の選択などに関する示唆を得るとともに、修士論文の課題設定に資する能力を養います。講義科目では、主専攻を中心に、関連分野も含めて、総合的に学修します。また、指導教授のもと、「演習Ⅰ」において、語学運用や統計処理を含めた総合的研究能力を養います。

2年次(研究コース):「演習Ⅱ」において、課題設定・調査・発表を主体的に行い、また指導教授以外の演習を履修することで、専門的知識のみならず社会全体に関する幅広い知識を修得し、これらを通じて独創的な課題設定能力を養い、総合的研究能力を伸ばします。そして、中間報告会を経て、修士論文の完成をめざします。

2年次(ビジネスコース):「演習Ⅱ」において、課題設定・調査・発表を主体的に行います。また、講義科目で、研究テーマに応じて特定分野についての知識を深め、あるいは関連分野を広く学修することで、グローバルなレベルで実務家として自立しうる専門的知識とその応用能力、実践的な語学能力を伸ばします。そして、中間報告会を経て、修士論文または特定課題研究の完成をめざします。

<博士後期課程>

経営学、会計学、商学、経済学、および金融学の5つの学位に共通し、以下のとおり示します。

1年次:「特殊研究」において、研究テーマおよび関連分野に関する高度な専門的知識を学び、独創性の高い課題(テーマ)を設定する能力を養います。また、「研究セミナー」においては、課題を粘り強く追求する問題解決力、説得力のある学術論文に仕上げるアカデミック・ライティング能力、学会(国際学会を含む)・研究会などで発表するプレゼンテーション能力を養います。

2年次:「特殊研究」において、高度な専門的知識をさらに伸ばすとともに、「研究セミナー」においては、1年次で培ったアカデミック・ライティング能力、学会(国際学会を含む)・研究会などで発表するプレゼンテーション能力をより実践的に伸ばします。

3年次:カリキュラムにおける学修と並行して、博士学位請求論文提出予定者は、事前に複数の教員からなる指導を受け、学位申請最終報告会(公開)で発表を行い、審査委員による審査を経ることにより、質の高い博士論文の完成をめざします。

入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)

商学研究科の求める人材

商学研究科では、経営学、会計学、商業学、経済学、および金融学の5つの専攻分野において、高い研究能力と広く豊かな学識を有する研究者や優れた見識と高度の専門性を備えた実務家を養成することを目的としています。この目的を達成するため、次のような学生を求めています。

<博士前期課程・研究コース>

  • 経営学、会計学、商業学、経済学、金融学などの学問分野に関する、専門的な研究を志す人
  • 企業経営の伝統的な研究分野の境界を越えた新しい研究を志す人
  • 経営学、会計学、商業学、経済学、金融学など企業経営の各分野における高度な能力を獲得し、企業経営に学術的知識を応用しようとする人
  • 実務キャリアを土台に、高度な知識や理論・方法を習得して、より専門的なキャリアに挑戦しようとする人

<博士前期課程・ビジネスコース>

  • 現代企業が直面する課題に応える、実践的な問題関心に基づく研究を志向する人
  • 学部教育の基礎のうえに研究能力と実務的知識をバランスよく獲得したい人
  • 経営学、会計学、商業学、経済学、金融学などの各分野において企業経営に必要な専門的資格の取得を志向する人
  • 実務キャリアを土台に、幅広い知識や理論・方法を習得して、キャリアの幅を広げようとする人

<博士後期課程>

  • 博士前期課程での研究を基礎として、より一層独創的な研究を志す人
  • 現代社会の課題に応えるべく、より一層実践的な研究を志す人
  • 実務キャリアや博士前期課程で培った経営学、会計学、商業学、経済学、金融学の高度な知識や理論・方法を土台に、専門的キャリアに挑戦し、あるいはキャリアの幅を広げようとする人