国際情報学部

国際情報学部の授業において、公正取引委員会から講師をお招きし、講義が行われました

2021年05月07日

2021年4月28日、国際情報学部_iTL_の授業科目「ICTビジネスと公共政策」(担当教員:本学部教授 石井夏生利)において、公正取引委員会デジタル市場企画調査室長 寺西直子様をお招きし、講義が行われました。

本科目は、変化の早い情報通信分野において、国内外の多様なプレーヤーによる政策形成過程へのアプローチを学ぶことで実務的視野を理解し、それぞれの立場から情報通信分野の公共政策のあり方を考える上で必要になる知識や、客観的かつ論理的な思考力を養うことを目的としています。
iTLでは、実務家を招聘することで情報社会の最前線に触れる科目を多数設置しており、本科目も官民から実務家を招いた講義が複数回予定されています。

今回ご登壇いただいた寺西様からは、「デジタル市場における公正取引委員会の動向」をテーマにご講義いただきました。

公正取引委員会は独占禁止法の運用のために設置された内閣府の外局のひとつです。消費者が不利益を被ることのないように、事業者間の公正かつ自由な競争を促進することで、市場のメカニズムを適切に機能させることを目的とした機関です。

私たちは買い物をする際、実店舗だけでなく、インターネットを介して買い物をすることがあります。このインターネットショッピングでよく利用されるのが、Amazonや楽天を代表とするデジタルプラットフォームです。デジタルプラットフォームは、事業者と消費者を接続する非常に便利なツールですが、デジタルプラットフォームを運営する企業については、独占禁止法に抵触してしまうおそれなど、競争政策上の懸念も示されています。
寺西様の講義では、公正取引委員会が設置した「デジタル市場における競争政策に関する研究会」がとりまとめた報告書「アルゴリズム/AIと競争政策」が取り上げられ、不当な取引であるカルテルと同等の効果をうむアルゴリズム/AIの使われ方や、パーソナライズド・プライシングと呼ばれる消費者個人の購買履歴等の情報をもとに商品の金額を変動させる手法等の紹介と解説があり、今後の公正取引委員会としての対応について触れていただきました。

また、講義の中で、寺西様から学生に対して、
・デジタル化によってもたらされた競争環境における重要な変化として何が挙げられるか
・デジタルプラットフォーマーに対して更なる規制が必要である場合、それはどのような規制であるべきか
・デジタル市場で事業者と消費者が意思決定するための十分な情報を持つためにどのような改善を行うべきか
の3つの問いが投げかけられました。

学生は今後の授業において、この3つの問いを議論します。

iTLでは、本科目のみならず、「情報の仕組み」と「情報の法学」の知識・理論を複合した実践的な科目を多数設置することで
「Society5.0」の実現に貢献できる人材の輩出に努めてまいります。

 

本授業の過去の実務家招聘に関する新着ニュースは以下からご覧ください。
・2021年4月16日_一般財団法人日本情報経済社会推進協会から講師をお招きし、講義が行われました