国際情報学部

国際情報学部教授 平野晋が「AIと倫理、ロボット法」をテーマに日本ITU協会で講演を行いました

2020年06月30日

2020年6月23日、一般財団法人日本ITU協会の情報通信研究会において、国際情報学部学部長・教授 平野晋が「AIと倫理、ロボット法」をテーマにしたリモートによる講演会を行いました。

平野はこれまで、国内においては総務省の「AIネットワーク社会推進会議」や内閣府の「人間中心のAI社会原則検討会議」に、国外においてはOECD「AIGO:AI expert Group at the OECD」(AI専門家会合)に参画しており、AIの開発や利活用に関する議論に貢献してきました。
日本国内における議論は、世界的にも評価されており、先述の2つの会議体において検討・公表されたAI諸原則・ガイドライン案が基礎となって、OECDのAI原則理事会勧告が発出されています。
詳細はこちらのページをご覧ください。

本講演では、平野が経験した国内外の会議体におけるAIをめぐる議論を軸に、AIの開発・利活用に必要な倫理やソフト・ローについて解説しました。
また、国内の大手民間企業も、公的機関から発出されたガイドライン等を参考に自社用AI指針の策定を始めており、具体的な実装段階に入っていることについても言及がありました。
加えて講演の後半では、平野が上梓した「ロボット法:AIとヒトの共生に向けて」(詳細はこちらのページをご覧ください)から、「予防法学」としてのロボット法の存在意義、意思決定プロセスとしての「OODA(Observe→Orient→Decide→Act)ループ」の全てをAIに委ねることの怖さ、派生型トロッコ問題の争点等が引用・紹介され、AI・IoT社会に向けて私たち人間がすべき準備について示唆しました。

本講演には、多くの民間企業からの出席があり、講演終了後には、技術部門視点の質問や法務部門視点の質問が寄せられ、本講演は盛会裏に終わりました。

国際情報学部_iTL_では、平野のように法律学の視点から情報技術の進展を研究する教員や、AI・IoT時代を支える情報技術を研究する教員によって、iTLの教育理念である「Information Technology & Law」を実現する授業を展開しています。また、「情報」と「法律」の複数分野を扱うiTLの学際性を担保するために、iTLでは様々な取り組みを行ってまいります。
iTLの理念に共感し、Society5.0で活躍することを目指す皆様のご入学をお待ちしております。