経済学部

経済学部 近廣ゼミに河合楽器製作所の三浦氏がゲスト登壇し、特別講義が行われました

2026年6月9日(火)、経済学部近廣ゼミに河合楽器製作所から三浦広彦氏をお招きし、特別講義が行われました。

三浦さんは福岡の音楽家の家庭に育ち、5歳のときにプッチーニ作のオペラ「蝶々夫人」に子役として舞台に立つなど、その生活はいつも音楽と密接に繋がっていたといいます。大学卒業後は河合楽器製作所の門を叩き、入社試験で語った「ピアノという楽器の特殊性から使い手と作り手に大きな溝があり、そこからいろんな誤解が生じているので、それを埋めていく役割を担いたい」という思いをいまもそのままに、現在はピアノコーディネーターとして活躍されています。

この日は「日本のピアノ産業 歴史秘話」と題し、ヤマハの創業者である山羽寅楠(のちに「山葉寅楠」)と河合楽器製作所の創業者である河合小市を軸として、企業ができるファイナンスの観点から「予約販売」等の手法も含めたお話をしてくださいました。日頃は金融機関の側から金融を捉えることが多い中、産業から金融を考える視座も与えてくださいました。

ピアノという楽器の誕生から今年で317年、その中でこれまでの世界でのピアノ生産台数はヤマハが首位で、第2位がカワイです。ヤマハの前身となる日本楽器製造株式会社は、浜松の病院に勤めていた山葉寅楠が学校の壊れたオルガンを修理したことをきっかけに、同年に国産オルガンの製作に成功したことから始まりました。それから13年を経て、寅楠のもと、山葉直吉・河合小市らによって国産ピアノ第一号が完成。寅楠の死去と会社の体制の変化から河合が独立し、以降、切磋琢磨しながら今日に至ります。三浦さんは寅楠と小市の出自や人となりを細かに挙げながら、両社の設立から河合楽器の歴代社長・社風についてお話くださいました。

また、一万点と言われるピアノの部品のほぼ全てを内製しているのは世界でもこの2社だけであること、60~80年代に空前のピアノ教育ブームがあり、現在でもどこの学校でもクラスに一人は楽譜を見てピアノを弾ける人が居ることなど、日本がピアノに関して特異な国であることが、さまざまなエピソードとともに示されました。

講義後にはいくつもの質問が寄せられ、「ピアノがなぜあの形をしているか」という質問には、三浦さんは図を描きながら、構造上の必然であることを説明されました。「人によって会社(社風)が形作られる」ということもある意味必然であり、そうしたことをいくつものエピソードから伝えていただいた、実りある時間でした。