経済学部

JICA海外協力隊セミナーを開催―経済学部OBが語るガーナでの経験と学び―

JICA海外協力隊の制度に関する概要説明の様子

2025年12月9日5限、多摩キャンパスのグローバル館7階ホールにおいて「JICA海外協力隊セミナー」を開催しました。当日は約70名のさまざまな学部の学生が参加し、国際協力や海外でのキャリアについて理解を深める機会となりました。 セミナーの冒頭では、JICA(独立行政法人 国際協力機構)青年海外協力隊事務局より、海外協力隊事業の概要や参加制度について簡単な説明がありました。これまで青年海外協力隊の名称で知られてきた事業は、現在、シニア海外ボランティアや日系社会ボランティア等を含めた総称として「JICA海外協力隊」と呼ばれています。

続いてメイン講師として登壇したのは、経済学部OB(2019年3月卒業)で林光洋ゼミ出身の薮下拓紀さんです。国内の建設機械メーカーに勤務しながら会社のボランティア休暇制度を活用し、ガーナで2年間、経営管理隊員として活動しました。
講演では「言葉が届くとはどういうことか」をテーマに、現地での具体的な活動や生活の様子が紹介されました。中小企業診断士の資格を生かし、ガーナの首都から離れた地方で小規模事業者や自営業者に対する経営相談や起業支援に取り組んだ経験、ビジネス支援拠点での業務と現地巡回を組み合わせた日常の活動などが語られました。また、マーケットの様子を収めた動画や食事、ホストファミリーとの交流など、現地での生活を身近に感じられるエピソードも共有されました。

講演の途中では、参加学生を対象にしたグループワークが行われました。補助金制度に関する説明文を読み取り、制限時間内に設問に答える課題に挑戦する形式で、日本語版と英語版の資料がランダムに配布されました。その結果、英語版の資料を読んだ学生グループの多くが理解に苦戦し、「制度が存在していても、それを理解できなければ活用できない」という言語の壁の問題が具体的に示されました。

ガーナでは公用語が英語である一方、地方では民族語が日常的に使用されています。薮下さんは、学歴が低い層ほど民族語での情報提供を求める傾向があるという調査結果を紹介し、「言語の壁によって能力やアイデアを持つ人が機会を失う可能性がある」と指摘しました。こうした課題に対し、ラジオ番組からの民族語による発信や視覚的に理解できるアートを取り入れたワークショップ開催など、現地の状況に合わせた活動が紹介されました。

最後に、JICA海外協力隊への参加に伴う不安についても、自身の体験を踏まえて説明がありました。現地生活費や国内手当、渡航費の支援、安全面のサポート、帰国後のキャリア支援など制度面の充実に加え、73日間におよぶ派遣前訓練を通じて語学力が大きく向上した経験が語られ、参加を検討する学生にとって具体的なイメージを持つ機会となりました。

質疑応答では多くの学生が積極的に質問し、海外協力隊への関心の高さがうかがえるセミナーとなりました。