経済学部

企業のサスティナビリティ開示と金融の役割についての特別講演、経済学部「金融論Ⅰ」にて

2025年12月4日、経済学部の「金融論Ⅰ」にて、ゲストスピーカーをお招きしての特別講義が行われました。

登壇された富田さまはLSEG (ロンドン証券取引所グループ)日本代表として今年3月末まで日本の金融業界を長くリードしてこられた方です。勇退された現在はCDP Worldwide-Japan 代表理事 兼 CDP Worldwide 理事と、株式会社パリミキアセットマネジメント代表取締役社長の2つの肩書でご活躍されています。
この日は「サステナビリティ開示をめぐる現状と経済」と題して、CDPの活動とその影響、全世界的な経済の流れについてお話しくださいました。

CDPは、自治体や企業の環境への取組みの開示を促進し、評価するデータベースを構築、維持する世界を代表する非営利団体(NGO)です。

富田さまは冒頭で近年のCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)や環境に対する各国の姿勢・動向などを、ご自身の所感も含めて簡易に解説し、「測定できるものは管理できる、そうでないものは管理できない。気候変動に対応するのであれば、現状を数値として正確に把握する必要がある」とCDPの活動の意義を説明されました。

また企業のサステナビリティ推進について「環境というと外部不経済ととらえ、政府とか公的機関任せになりがちなところから、企業の行動の中に内部性として取り組み、リスク管理だけではなく、ビジネス機会ととらえるという考え方が今後ますます必要になるのではないか。そして経済学からの貢献も期待される」とお話になりました。CDPの資料によると直近で企業が開示した気候変動リスクの総額は5兆ドルにも上るとのことですが、そのリスクに対して企業が各々対策し、成長の機会をそこに見つけることで、地球に対してプラスのインパクトが起こっているようです。

富田さまはCDPに対する情報開示の年間の流れを大まかに説明しながら、膨大な質問項目に答えることは企業には負担だが、包括的な質問に答える過程で、企業にとって、リスクや機会が明確になり、開示を求める銀行や投資家との対話もより深まっている」と述べられました。

その後も時間をかけてCDPが持つ様々な数値やそのデータベースの活用法、今後の展望を説明くださり、また日本のエネルギー政策などにも触れるなど非常に濃密な講演となりました。最後には、もう一つの肩書であるパリミキの運用会社、パリミキアセットマネジメント株式会社について、「なぜメガネチェーンが資産運用を?」という点や世界の金融資本市場で存在感を高めるファミリーオフィスの特徴やその投資手法についてもご紹介くださいました。

授業時間ギリギリまでの講演で質問の時間が多く取れませんでしたが、挙手した2人の学生の質問にも笑顔で丁寧にお答えくださいました。