経済学部

「産業(造船・石油)」×「金融(保険・銀行)」を学ぶ夏季合宿を実施しました

2025年10月14日

経済学部・近廣昌志ゼミナールでは、「産業(造船・石油)」と「金融」を学ぶ夏季合宿を愛媛県で実施しました。日頃、金融ビジネスを学ぶ学生が、現地で実際のビジネスに触れて、資金調達・船舶保険・石油精製・原価計算という分野を一気にクロスラーニングしました。

2025年9月17日(水)は、「船舶保険」と「石油」の分野。まずは今治市にて実際に船舶保険を担当する損害保険会社の担当者からレクチャー受け、損害保険の起点でもある船舶保険の仕組みを学び、インシデントに対する保険スキームを考えるアイディアを得ました。

次に石油元売企業である「太陽石油」四国事業所にて石油精製の現場を見学、東京本社財務部の責任者から業界特有の資金調達と原価計算についてレクチャーを受けました。原油調達と出荷の時期が離れていることや、取引通貨のミスマッチにどのように対応できるのか、財務管理の考え方も学びました。その後、同事業所に隣接する「日本地下石油備蓄積」菊間国家石油備蓄基地の内部も実際に見ながら、経済の基盤を支える現場を体感しました。

18日(木)は「造船」と「シップファイナンス(船舶融資)」の分野。愛媛県は今治市を中心に造船をはじめとする船舶クラスターで、その中でもケミカルタンカーに強みを有する「浅川造船」にて、製造現場・設計・財務の領域それぞれ見学・レクチャーを受けました。次にシップファイナンス(船舶融資)については「愛媛銀行」・「西瀬戸マリンパートナーズ」それぞれご担当者から船舶融資の仕組みをご解説いただきました。産業構造が特殊で複雑な分野で産業を支えるシップファイナンスの実態から、学生は融資業務を立体的に捉える視点を学習していました。

この様子は各種メディアでも取り上げられ、テレビ愛媛「EBCライブニュース」で「造船の資金調達の方法・東京の大学生が今治の造船所で勉強会『多くの資金動き魅力的』」として放映され、日本経済新聞社(四国版)「中央大生が今治の造船所を見学、船舶融資の講演会も」、ニッキン(日本金融通信社)「愛媛銀、「造船×金融」学ぶ 中央大生が今治で体感」として記事掲載されました。

今回の夏季合宿には、愛媛県での開催にも関わらず、東京・大阪・広島からも卒業生が駆けつけてくれ、現役ゼミナール所属生に多くのアドバイスと気づきを与えてくれました。

参加学生の声:

●実際にビジネスを動かす方々に直接質問させていただき実務面で不思議に感じていたことが解消できました。海事産業ではシンジケートローンに見られるような助け合いの金融システムが大きな役割を果たしていることを知り、地域産業の構造を理解できました。合宿で得た知識を日頃のゼミナール活動に応用していきます。(3年ゼミ長・西澤祐輝)

●産業の現場にお邪魔させてもらい、これまで金融機関の立場を中心に勉強してきた理論面での学習の意味を体感できました。ゼミナール卒業生からも温かい学びをいただき、製造・金融・会計それぞれの分野の連関を再認識できました。(2年ゼミ長・大越信之介)

●産業の要請から金融ビジネスを構築する側面を重視し、より一層の学習効果を狙う目的で実施しました。今回、船舶保険・石油精製の分野では近廣ゼミナール卒業生のご尽力によるところが大きく、また「太陽石油」・「日本地下石油備蓄積」・「愛媛銀行」・「西瀬戸マリンパートナーズ」の皆様による大変手厚いご支援によって充実した学習が可能となりました。ご協力くださった法人様、ご尽力くださった方々に厚くお礼申し上げます。(担当教員:近廣昌志准教授)

※この合宿の様子を、各種メディアに取材・掲載していただきました。

  • 日本経済新聞社:中央大生が今治の造船所を見学、船舶融資の講演会も(2025年9月19日朝刊・四国版)
  • テレビ愛媛「EBCライブニュース」:造船の資金調達の方法は 東京の大学生が今治の造船所で勉強会「多くの資金動き魅力的」(2025年9月18日)
  • ニッキンONLINE(日本金融通信社):愛媛銀、「造船×金融」学ぶ 中央大生が今治で体感(2025年9月19日)